Number 24
自由が丘 クルン・サイアム

自由が丘でタイ料理を食す。

勝手なイメージで、女性誌で紹介されるお洒落なカフェや洋服屋がたくさんあり、流行に敏感なOL等綺麗な女性で賑わう自由ヶ丘。これもまた勝手なイメージで、雑多で猥雑な歌舞伎町や、都心にあって日本じゃないような新大久保に多い気がする、美味いタイ料理屋。共に勝手なイメージではあるものの、お客の約8割もが女性で連日賑わい、駅から歩いてすぐのところにある、2つのイメージが見事に共存するタイ・レストランが、「クルン・サイアム」だ。

駅前のロータリーから細い道を入り、ともすれば見落としがちな看板を手掛かりにガラス戸を開け細い階段を登ると、かわいらしくピンクが基調の、落ち着く空間が現れる。オープンして4年目に入り、いつもお客さんでいっぱいの印象な店も、やはり最初からそうだったわけではない。
「0ってことはなかったですが、無料のビール券で無理矢理連れて来たお客さん一人ってことがありましたね」
 "海外渡航経験のある人が多そうな"地域ということで物件を探し、結果自由ヶ丘に落ち着いたというオーナー。過去中東に6年間住んだ経験を持ち、その行き帰りに立ち寄ることのあったタイで、その魅力にはまったという。
「タイ料理は多彩で、和食や中華、イタリアンと並んで毎日食べても飽きない。国民性が明るくて、ご飯を食べお喋りし、幸せそうなところがよかったですね」
 中東時代から、自宅にお客を招いてもてなすのが好きだったことが、レストラン経営やそのコンセプトに結実したようだ。
「ちょっと旅行したタイで、現地で知り合ったタイ人の家にお招きされた、みたいな。心尽くしの家庭料理でもてなされた、というイメージ」

キッチン・スタッフはみな本格的タイ人シェフが務め、極力タイ現地そのままの味を届けることを意識しているという。「辛過ぎて怒られたこともありますね」 と、笑いながら店長の竹洞さん。メニューに表示されている赤唐辛子の数に気をつけながら、自由ヶ丘でタイの家庭の食卓へ、小旅行を楽しもう。

自由が丘 クルン・サイアム
住所:東京都目黒区自由が丘2-11-16 エクセレンスビル 2F
TEL:03-5731-5445
営業時間:11:30〜15:00、17:00〜23:00
定休日:なし








蟹と卵のふわふわカレー炒め、プー・パット・ポンカリー。クルン・サイアムには通常のものと、ソフトシェルで手を汚さず食べられるプーニム・パッポン・カレーもあり、それを食べに茨城から来たお客様もいらっしゃったとか。
「プライドが高く、芯がしっかりしていて、ただの出稼ぎという意識でない」と、オーナーからの信頼も厚い、タイのシェフ。
エビと春雨のヘルシーサラダ、ヤム・ウンセンは辛さに気をつけながら。
最も定番、トムヤンクン。美味!
パッキー・マオはスパイシー焼きビーフンだが、麺類基本全部美味い。
鶏肉のニンニクカリカリ炒め、ガイ・ガディアム・プリックタイは男向け。
雑誌、広告、CDジャケット、ドキュメンタリーなどで、世界各地のディープな場所やモノ、人を中心に紹介することで有名な写真家。ダライラマ14世を写真に収めたことでも知られる。
皆既日食以上のピークのないまま夏も終わり、それ以上のピークがないまま今年いっぱい終えてしまいそうで、すべての運を使い果たしたか心配な日々はmadfoot.jp「独壇場」にて。