vol.21
渋谷直角×鎮座DOPENESS
「フイナムのラッパー」番外編
直角のフリースタイル入門。
2009年末、アルティメットMCバトル優勝。現在一番フリースタイルで強い男! コワモテでもマッチョでもなく、ゴリゴリのラップでもなく。鎮座ドープネスは自然体でユラ〜リと、歌うように、喋るようにラップする。その独特のフローに、渋谷直角は「これだ! この人に聞くべき!」と、フリースタイルの練習方法を聞きに行くのであった!
フリースタイル? とにかく練習するしかないッスよ。
―えーと、ラッパーになりたいんです!
「はあはあ(笑)。目指すんスか」
―でもフリースタイルが全然出来ないんスよ!! アワアワ言っちゃって!
「ははははは。ああ、確かに確かに(笑)。韻踏むのは難しいですよね。え、バトルに出るんスか?」
―はい......。あのー、COMA-CHI姉さんに、「DISられたくないならバトルに出ろ」って言われて。一応、企画もので連載してるので......。
「ああ、そっか。ラッパーをナメてんのか、と思われないように(笑)」
―そうですそうです! で、バトルに出て、ちょっとは勝てるようになって、トラック作る人と一緒に音源も作って、夏フェスに出る、っていうのが、この連載のゴールなんですけど。
「............ハンパないっすね(笑)」
―でも読者の人とか、会うと「今年、夏フェス出るんですよね?」くらいの感じで言ってくるんですよ!!
「ははははは」
―今年なんて無理なんですよ(笑)! こないだのバトルの大会見てても、「いつココに到達出来るんだ!?」とか思って。レベル超高いし......。
「スゴかったすもんねー」
―でも毎月連載はあるし......、そこで5年も6年もラップの練習とかしてたら、「おまえ、いつ出るんだ?」みたいなことになるじゃないすか!
「ははははは。そうっすよね(笑)」
―だから! なんとか! ショートカットできるところは! もちろん鍛錬も大事だと思うんですが! どうにか! フリースタイルをうまく出来るようになるコツはないか!? と。
「どうかなあ(笑)。うーん......、でも、とにかく、やるしかない!」
―あ〜......。やっぱそうですか......(ガックリ)。
「でも、練習するにも、そこに楽しさを見出さないと、ただツライだけですからね(笑)。韻が踏めないとか、テクニック云々よりも、まずビートに合わせて喋る、っていうのがいいんじゃないですか?」
―お、なるほど。鎮座ドープネスさんもあんまゴリゴリしてない、喋ってるようにラップしますよね。
「ラップって、やる前の会話の感じとラップやり始めた時の感じって、温度差があるじゃないですか。なんかラッパーって、インタビューの時とかは普通なのに、ラップし始めると"YO!"とか言い出すじゃないですか(笑)。それがねえ......、なんかその温度差が好きじゃなかったんですよ。もっと自然と、会話の延長みたく、韻とか関係なく、歌ってフローするにはどうやったらいいんだろう、と思ってて」
―それは何歳くらいの時ですか?
「22歳くらいですね。ちょうど、ヒマを極めてたんで、フリースタイルを路上でやるようになったんですよね、井の頭公園とかで。当時はあそこ、アンプまだ使えたんですよね。今は使えないんスけど」
―へえー。
「それで03年〜04年くらいの時に、DJと2人でライブしてたんですけど、その時は全部フリースタイルでやってたんですよ。もう2時間とか、ドラムンベースからテクノから民謡までノンストップでDJがつないでってくれて、それでどんどんフリースタイルして」
―うわあ、スゴいなあ。
「そんなだから、カッコつけるヒマがないじゃないスか(笑)。途切れたくないから、韻を考えてるヒマもない。目の前にあることから思い出すことからやってかなきゃいけない。それでやってたら、こんなスタイルになっちゃったんですけど(笑)」
―そうなんスか。ラップ始めたのって何歳くらいですか?
「16歳くらいですかね」
―ある程度、自由自在にフリースタイルできるようになったのは?
「今でも自由自在じゃないけど......、うーん、21歳とかかなあ」
―ってことは、ご、5年......!!!!!??(絶句) 5年かぁ〜〜(うなだれる)。
「ははは。いや、今はもっと早く出来ると思いますよ、みんなやってるから。今のコなんて、1年くらいでバリバリ出来るんじゃないですか?」
―え? マジっすか?
「だから俺より、そういうコに聞いた方が早いかもしんないすよ。俺も聞きたいですもん(笑)。なんで出来るようになったの!? って」
2009年10月より連載がスタートした「フイナムのラッパー」は、作者の渋谷直角さんが、ラッパーを目指し精進するリアルHIPHOP漫画です。毎月楽しみでしょうがない! むしろこれだけのために「フイナム」を見ている......などなど、ご好評をいただいておりますが、万が一読んだことが無いという方のために、第1回から漫画を振り返ってみましょう。
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週刊フイナムvol.161掲載 第1回
【P1】はじまりは、いつだって突然。
【P2】壮大な夢を語り出す直角氏。
【P3】34才からのラップ入門です!