俳優 高良健吾 week2

WEEK_2 MOVIE「SORANIN」
映画「ソラニン」について。

際立つ演技力と、繊細な表現力で近年特に目立った活躍を見せる俳優、高良健吾。青春漫画の傑作「ソラニン」が映画化されるにあたりその強い想いの丈を訊いた。

セリフを置いていくという、極めて自然な芝居をされている中で、唯一感情を爆発させた、あの赤信号を超える前のシーンなんですが、あれはどのような感情と解釈すればよいでしょうか?

高良:僕が思うにですが、種田は死のうと思って死んだわけではないと思うんですよ。僕も、この信号今赤だけど、これを車にひかれずに渡れたら、明日がもうちょっといいものになるんじゃないか、みたいな賭けをすることがあるんですよ、もちろん渡らないですけどね。小さいころに白線をずっと歩きながら、そのまま家まで帰れたらラッキー、みたいな。そんな感覚だったのかなと。あれを渡りきったら、おれはもう大丈夫だーみたいな。でも結局渡りきれなかった、っていう。まぁ、勝手な解釈ですけどね。

浅野先生とはプライベートでも親交があると伺っていますが、種田をこういう風に演じて欲しいというリクエストはあったんですか?

高良:「僕、種田どうしていいかわかんないんですよね...。」って言ったら、いや高良くんが思った通り好きにしていいよっていう、そんな感じでしたね。

よく語られていることだと思うんですが、浅野先生と種田って似ていると思うんですが、そういったキャラクターを演じることについてはいかがですか?

高良:醤油とソースに例えると、僕はソースで、種田は醤油だと思うんですよ。とにかく全然違う。僕も種田のことがすごく好きだったし、僕がやったらだめだろ!と思いました。あとはやっぱり容姿の部分で似てないって言われるのも気にはなりましたね。もちろん別物だって、わかってるんですけど、自分がとくに原作が好きだからやっぱり気になるんですよね。僕がやっていいのかな、やったらだめだろ、でも他の人がやるのを見るのもやだな、という思いもありました。

でも、すごくぴったりだったと思います。容姿も含めて全然違和感なかったです。

高良:そう言ってもらえると。ありがとうございます。

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映画<br/> ソラニン

映画
ソラニン
自由を求めて会社を辞めた芽衣子と、フリーターをしながらバンドを続ける種田。未来に確信が持てず、寄り添いながら東京の片隅で暮らす二人。だが、芽衣子の一言で、種田はあきらめかけた想いを繋ぐ。種田はバンド“ロッチ”の仲間たちと新曲「ソラニン」を完成させ、レコード会社に持ち込むが、反応のないまま日々は過ぎていく。そんなある日、種田がバイクで事故にあってしまう。遺された芽衣子は……。原作:浅野いにお「ソラニン」(小学館ヤングサンデーコミックス)、監督:三木孝浩(第1回監督作品)、脚本:高橋泉、出演:宮崎あおい 高良健吾 桐谷健太 近藤洋一(サンボマスター) 伊藤歩、(C)浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会 写真:太田好治、4月3日(土)新宿ピカデリー、渋谷シネクイントほか全国ロードショー