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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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イワシの値段

2006.05.24

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ここ数年イワシが捕れないという話を聞いていたが、まさかこんなことになっているとは。


マイワシ1匹1150円、不漁で超高値 築地市場


イワシが伊勢エビ並み! という表現に驚いた。ちょっと前までは100円くらいで手に入ったのに。まあ、イワシがないと生きていけないという人(それを職業にしている人は除く)は、あまりいないと思うので、大騒ぎするほどのことでもないが。


ちなみにイワシが少なくなるとサンマが増えるという話を以前聞いた。どういうわけか昔から両者は増減を繰り返しながらバランスを保っているらしい。ある程度の周期があって、どっちかが大漁になり、どっちかが不漁になる。ここ数年サンマは美味しいし、安い。どちらが好きと聞かれれば実はサンマの方が好きなので、自分的にはこの状況はウェルカムだ。


いまでは珍しくないサンマの刺身を食べたのは子供の頃、鳥取県の米子に行った時のこと。小学校5年生くらいだったと思う。地元のお寿司屋さんで、けれんみたっぷりに出された記憶がある。当時は、冷蔵輸送の技術が今ほど高くなく、漁港の側でないとこういう魚のお刺身は食べられなかった。


しかし技術の進歩と共に、いまやそこら辺の居酒屋でもサンマ、イワシのお刺身が食べられる。便利にというか豊かになったというのだろうか。でもありがたみが減っているような気がする。わざわざそこまで行ってしか食べられないものという価値、あるいは体験を大切にしたい。


これは成熟したマーケットの需要を掘り起こすアイデアの出発点の基本のき。常にこうした体験、思いをユーザーに届けられるようなマーケティング術を磨かなくては、なんて今日の午後のプレゼンの前に考えたりしているのであった。

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