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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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オーバー・ザ・カウンター

2009.11.18

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 その昔、師匠だったチューブの斎藤久夫さんと一緒にヨーロッパ出張に行った。といってもロンドンとパリ。目的はなんだったんだろう。たぶんリサーチ。ロンドンのフリーマーケットに早朝4時頃から出かけたり、高名なお店をいろいろ見て歩いたり。夜は夜で美味しいものをご馳走になり、クラブやバーで朝までコース。翌日もまたフリーマーケット、お店巡り、そんな出張。

 あるお店でのこと。服を見ようとして棚の前にある腰くらいの高さの商品ケースを回り込んで勝手に壁棚にある商品をとり出したところ、斎藤さんに注意された。そのお店はその商品棚をカウンターにしてスタッフから商品をとり出してもらって買い物するお店だった。カシミアや上質なラムズウールのセーターなんかを売っている店だ。店を出た後、ヨーロッパでは古く続くお店があり、昔ながらの店員さんと対面で会話をしながら買い物する店がまだあることを知った。

 もう20何年も前の話だが、その頃はもう日本では勝手にショップに入って勝手に商品を手に取って体に当てたりというのが普通であった。なのでああやっぱり外国は違うんだななんて思っていた。

 ラグジュアリーブランドにはいまでもこんな封に商品棚をカウンターに対面式で販売するお店もある。まああれが従来の買い物の仕方で、ドゥイットユアセルフ型のショッピングスタイルはアメリカから始まったのだと思う。日本はアメリカに文化的に支配されているようなものだから、そういうことへの適応は早い。 

 ファストファッションなんてその最たるもの。コンビニのように誰と話をしなくても誰でも買い物ができる。あえてそうしているんだと思うのだけど。

 今日、1通のショップオープンの案内状が届いた。お店の名前は「オーバー・ザ・カウンター」。文字通りカウンター越しに生活雑貨を中心とするアイテムを展示・販売する新たな(古い?)スタイルのショップとある。オープンは11月28日(土)。

 byアート&サイエンスとあるからスタイリストのソニア・パークさんのお店だろう。なんだか楽しみな気がしませんか?

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