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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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カマアイナ

2012.02.29

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 ハワイによく行く人は知っていることであるが、向こうにはローカルプライスというのが存在する。ハワイはアメリカの離れ島で物資輸送の面からも観光地という性格からも全米の中で最も物価が高いとされている。ガソリンなんて特にそう。例を挙げればキリがないが、ワイキキなどの観光地レストランは大都市と匹敵する物価である。他にもホテルやレジャー施設、特にゴルフなんてのもプレーフィが高い。

 しかし現地に暮らす人はIDを提示するだけで、ホテルやレストランなどで割引サービスや特別サービスを受けられる。ゴルフなんて一般の半額以下でプレーできたりする。他にもハナウマベイなどの公共施設などの入場料がタダだったり、まあそんなちょっとしたベネフィットがあるのである。

 こうしたサービスのことを現地では「カマアイナ」と呼ぶ。ハワイの言葉でその土地の人、という意味らしい。

 このサービスはアメリカ国籍や永住権を持っていないといけないというものではない。IDを提示すればいいだけだから、IDや運転免許証を持っていればいいのである。我々日本に住む者もそんな身分を証明できるものを持てさえすれば原則サービスは享受できる。

 しかしID取得にはソーシャルセキュリティナンバーの発行という外国人には敷居の高い壁があり、これがなかなか難しい。ステートIDという一時的なIDを発行してもらえるが、役所に行って何時間も並び発行してもらえるものの、有効期間は滞在期間のみというからこれも効率が悪い。

 そこで免許証取得という道が残されている。ハワイは在住日本人などのアメリカ国籍以外の居住者も多く、その長期滞在者から更新の煩雑な自国の国際免許ではなく、ハワイの免許の取得のリクエストが随分昔から出されていて、それが通って特別に外国人でも免許取得が可能になった。

 以来多くの日本人居住者が運転免許を取得して日本とハワイの生活を便利に楽しんでいる。

 この法律の副産物として生まれたのが免許取得業者である。カマアイナサービスを求めて日本から多くの人が彼らを頼って免許を取得するようになった。彼らに頼めば2〜3日で免許が取れる。取得すれば8年有効なので、特にゴルフとハワイ好きにとってはたまらない。

 今朝、ハワイにロケに行っている友人から連絡があり、仮免許を取ったという。そういえば以前、食事してた時にそんな話をしたことを思い出した。それでこれから実技の試験だという。その文面に3月2日が最後だから、業者の費用が倍になっているとあった。試験場も混み混みで大変だと。

 詳しく話を聞いてみると来週3月5日からハワイの法律が変わるらしい。これまで大丈夫だった外国人への免許交付がこの日を境に無くなるらしいのである。リアルID法というテロ以降のアメリカで厳しくなるIDに関する処置がベースにあるらしい。

 実技試験は一度落ちると次は最低1週間以上空けないと予約できない。つまりこれが最初で最後のチャンス。

 アメリカだからって舐めてもらっちゃ、困る。免許の実技試験ってかなり意地悪で難しい。スピードが1マイルでもオーバーすれば大減点。

 かなりのプレッシャーだとは思うが無事免許取得できるのであろうか。落ちたらこれは立ち直れないくらいのショックだろうね。

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