名刺整理 - 代官山通信（蔡 俊行）

　受け取った名刺が机の隅に積み上がっていたので名刺整理をすることにした。しかい名刺入れは限界のパンパンなので、古いものから捨てることにした。選別し、捨てる、という作業なのだが、懐かしい名前の懐かしい肩書きが出てくる出てくる。

　ああ、この人は以前、この会社にいたなとか、いまこの人大社長になっているなとか。もちろん鬼籍に入られている人もいる。なんだかそうやってみると、どれもが貴重な資料のような気がしてなかなか捨てられない。

　でも片付けられない男の一番の問題がそこ。心を鬼にして捨てるしかない。

　とりあえず、名刺入れからすべての名刺を引っ張りだして空にして、そこに積み上がっているのを整理して入れた。意外と枚数がなく、名刺入れ（箱のような形）はすっかすか。これはこれでいい。もっと早く片付けていれば良かった。が、取り出したものはとりあえず、デスクの上に置いたまま。

　ヒマになったらやろうなんて以前から思っていたけど、ヒマならヒマで他にやることがある。忙中閑ありなんていいながら、作業するのがいちばん仕事が捗るのであった。