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田中恭平ELIMINATOR PRESS 代官山のセレクトショップ”ELIMINATOR”のPRESS。世界に一店舗だからこそ出来る事、世界に一店舗だからこそ言わなくてはいけないコアな情報や新たな価値観の提案を発信していけたらと思っています。www.eliminator.co.jp

From MANCHESTER and LONDON to TOKYO

田中恭平
ELIMINATOR PRESS
代官山のセレクトショップ”ELIMINATOR”のPRESS。世界に一店舗だからこそ出来る事、世界に一店舗だからこそ言わなくてはいけないコアな情報や新たな価値観の提案を発信していけたらと思っています。

www.eliminator.co.jp

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ELIMINATOR発足について

2012.11.04

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フイナムにて
「Think ELIMINATOR」と題した特集記事がアップされております。

■CONCEPT 
■UK 
■MUSIC 
■DESIGNER 
■SHOP 
■NEW WEB SITE 

以上の6つのキーワードからELIMINATORを
紐解いていただいております。

page01.jpg
本ブログでは、上記特集にご興味を持って頂いた方々へ向けて、
もうちょっと生っぽいといいますか、
普段の言葉でまとめたエピソード話を記載したいと思います。
あわせてご一読頂けますと幸いです。

テキストは、創設メンバーであり、EL RECORDSの第一回目を担当したMASAによるもの。赤裸々に語っておりますので、宜しくお願いします。 

●ELIMINATOR発足について
その昔、戦前の日本でファッションのベーシックは英国だったといいます。

そして時代が変わって戦後、メンズファッションのメインストリームはアメリカになってしまい英国的な服装術は一部のトラディショナルなスタイルを好む人々のものとなった。

エリミネイターというショップを立ち上げる際に僕達は、戦前の夏は白い麻のスーツでパナマ帽、冬はツイードのスーツというようなものが日本のベーシックに!!!。。。という事ではなく、

強いて言うなら「ブリティッシュカジュアル」(ストリートカジュアルを含む)というものを日本でアメリカンカジュアルと同様に定着させたいという所から始まりました。

エリミネイターが生まれようとしていた1999-2000年当時、UKのマンチェスターではスポーツウエアをカジュアルスタイルに盛り込むということがベーシックとして定着していました。

UMBROやadidasのトップスにややルーズなジーンズ、そして自慢のヴィンテージadidasスニーカー(決してNIKEではない)、さらにクラブミュージック好きでクールな佇まい、しかしサッカーには熱くなるなどなど。。。アメリカンカジュアルのRALPH LAURENにLEVI'S、NIKEとは異なるアイテムとのコーディネート、そして英国人ならではのマニアックな視点が定着していました(これは紐解くと70年代後期にマンチェスターで生まれたファッションスタイル「カジュアルズ」を起源としていると僕達は定義しています)。

これがELIMINATORの本当の根っこで始まりです。

しかし実際に日本でこれを表現してファッションとして認知されるのか?という疑問もありました。

そこで日本人にとって英国的な格好良さの多くはロンドン発祥のものが多く、さらに常に時代の先端を作っているのもロンドンであるという理由から、英国の今を感じさせてくれるロンドンベースの若手デザイナーの服達や、サヴィル・ロウに立ち並ぶ老舗ブランドのアイテムなどもラインアップする事としました。

そしてこれらの要素を世界に名立たるファッションタウンであり英国とは異なる立ち位置でトレンドの最先端を生みだす東京的なコーディネート論にて提案していくことを軸としてELIMINATORが生まれました。

ショップバッグやWEBサイトの隅っこにある#4481という番号は英国の国番号44と日本の国番号81のミックスで、これが実は静かにELIMINATORを語るものだったんです。

このベーシックコンセプトはオープンから今まで少しも変わることなくELIMINATORの中にあります。お店で扱う商品達やディスプレーも全てこの考えの基に構成されシーズンのスタイル提案も初めに述べた90'S後期の無骨なマンチェスタースタイルの延長線上にある事はご納得頂けると思います。

しかし、このベーシックコンセプトが完成するまでには不眠不休、ケンカもしたし大汗をかいた。。。BST (BLOOD SWEAT & TEARS)、血と汗と涙の結晶なんです。

インターネットがまだまだ浸透していない時代だったので本を読んだり人に聞いたりの情報収集の中で本当に思い出深いものがあります。

それは1996年発行のテクノやハウスミュージックに関するヴィジュアルブック「Localizer 1.0」と1998年発行の博士号を持つテッドポレマス氏が大真面目にUKユース・カルチャーを解説した「Street Style」の二つはバイブルみたいに読みまくったしアイディアをもらった。そして毎号ミュージシャンをモデルに起用しファッションやカルチャーを語る雑誌「Ray Gun」、アメリカの雑誌ではあるのですがリアルなイメージファッション表現が大好きでした!(2000年廃刊。残念!)

これらは本当にELIMINATORの血となり肉となっている。今見てもドキドキするしアガりますね。。。

●UKとは?
追いつきたくとも追いつけないものというのが一番正しいかもしれません。ELIMINATORの根幹にあるもので追求する対象ですが、やはり嫌いなところも一杯ある。外人ならではのルーズさとかおいしいものは相当な
金額を出さないと食べることが出来ない食料事情とか。。。

でも彼らが作ってきたファッションヒストリーの素晴らしさは唯一無二ですし、これからもELIMINATORの基軸と成り続けると思います。しかし完全に同じにはなれない!

当たり前ですがELIMINATORは日本人であるからELIMINATORが考えて提案していくUKスタイルはやはりジャパニーズスタイルでなければいけない事が重要だと思っています。つまり#4481です!!!
 

ELIMINATORではステレオタイプのモッズだとかパンクスだとかというスタイルを提案していません(もちろん要素としては盛り込みますが)。 変わり続ける現在進行形のUKを過去を踏まえて見ていたいし、変わり
続けることがUKであるとも思っています。

つまりELIMINATORとは英国人的なファッション感とスタイルを、ここ日本において突飛なものではなく自然で男らしい「ブリティッシュカジュアル」として定着させて行きたいと目論む秘密ではない公的な結社?です!

●MUSICについて
UKスタイルは常にそのときどきのユース・カルチャーと密接に結びついており、その移ろいの片割れには必ず音楽が存在していました。つまり音楽はUKスタイルの様々な要素を定義する際になくてはならないもの。。。

そしてその音楽を語る際にはそのミュージシャンのスタイルも同時に語られるべきというのがELIMINATORとしての音楽へのスタンス。いわゆる音楽ファンとはちょっと向き合い方が違うファッションありきの審美眼が特徴ではないかなと思っています。

カルチャーをベースにしてファッションを考えると音楽がおのずとついてきてしまうのです。UKらしいですね。

●DESIGNERSについて
KIM JONESをDAZED&CONFUSEDで見たとき居てもたってもいられずロンドンに飛びました。

実際話した彼は自国のユース・カルチャーを愛する英国人でした。
同じものが好きなELIMINATORはすぐに仲良くなる事が出来ました。
そして世界でも希少なデビュー当時の彼の作品を販売した数少ない店の一つとなりました。
話にすると短いですが、ここに全てがあると思います。

デザイナーも人間であるから同じモノを好きでデザイナー自身がやりたいものを理解する知識がある人には心許します。

私達は小さい店舗ですから発注金額でオーケーと言わせる事出来ないですが、デザイナー達と同じくらいのレベルでファッションオタクだし好きある事は胸を張って言う事が出来ます。

これまで全てそうでした。
ELIMINATORが気にかかるブランドのデザイナーはもれなく私達と同じものが好きでした。これからもそうだと思います。
やはり人と人、ハートtoハートが全てを可能にする!!!
これはファッションでも言える事だと信じています。

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