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川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

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花粉症と僕。

2011.02.27

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なんだか作為に満ちた記事ばかり書いている気がするので、むしろ何も考えずに書くというのもいいかなと。というのも、僕。極度の花粉症でして、春の訪れとともにボンクラ化が進行中です。いつもの僕が1だとすると、この季節の僕は1/100程度の回転数でしかモノを考えられません。こういう時期を迎える直前は、前倒しで考えよう考えようとするのですが、もう考えるのをやめました。ジョジョの奇妙な冒険第二部でカーズが宇宙空間で「考えるのをやめた」のと同じ心境です。これから5月上旬くらいまで、とりとめがなく精彩を欠いたボンクラ表現が続くと思いますが、ご容赦ください。

花粉症が辛いのは、花粉症じゃない人がその切実さを理解してくれないこと。だって症状が「鼻水が出る」「倦怠感がある」「むくむ」って、ちょっと切実さに欠けますよね。わかります。わかりますが、わかって欲しい。本当に辛い。からいのです。

もしかしたら、花粉症はニュータイプなんじゃないか。希望的観測に満ちた筋書きを考えたこともありました。オゾンホールうんぬんの問題で紫外線半端なくなって、人々は肌の乾燥を防ぐナニガシを常備する必要があって。その時期は多分に漏れず世紀末的状況なので、物資の供給がおぼつかない。自家発電できる人が救世主的な扱いを受けていて、肌の乾燥を防ぐ鼻水を絶えず供給してくれる花粉症患者がもてはやされる。とりとめもない話のようでいて、微妙にリアリティがあるのは、砂漠ではらくだの唾液を日焼け止めとして使うことがあって、生物の体液に含まれる粘性には保湿成分が伴うのだと思います。ボンクラ時期に考えた妄想なので、科学的根拠は一切ないですが。

僕は花粉症を患うことで、人と会うこと、外に出る事が厭になりました。毎年三月から五月、要は人生の三分の一は、ダルいし人と会いたくない。ヘイタンでボンクラな状態が続く。精神病を患っていた人が、癌レベルの重い病気を患って、うっかり精神病が治ることがあるのですが、僕は花粉症を患うことで、一人で何も考えずボーっと何かを見たり考えたりする余白を与えられた気がします。だって、そうでもしないとボンクラじゃない僕は考え続けますから。考えたアイデアをすぐにでも実現しようと奔走しますから。どんな優れた作品も腰を据えて心から楽しめない。余計な想像が、純粋に作品を楽しむことを妨げる。何を見ても聞いても、自分のアイデアが流入してきて、対象に集中できない。ボンクラになることで、対象に腰を据えて、いや、鼻にティッシュを据えて集中できる。

アルジャーノンに花束をみたいな気分を毎年味わえるのも醍醐味。ボンクラになるまで、駆け込み需要的にひたすら考える。ワンクール先まで通用するアイデアを貯めておく。このターボ具合は半端ないし、このターボ時期に生み出したアイデアの大半は普遍性を帯びている。実際、メーカーで取得した特許も、AR三兄弟も、これから顕在化するであろう未来の発明品の数々も全部、このターボ期に増幅・蓄積したアイデア。

ボンクラがいよいよ本格化し、遺書を書く気持ちでこの日記を書いています。ボンクラじゃない僕が好きな人、とりあえず五月までお待ちください。ボンクラな僕を受け入れてくれる人、おもしろい漫画とか映画とか小説とか学術書とか教えてください。

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