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川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

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虚構のような生活、生活のような虚構。

2013.04.27

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洗濯が好きだ。洗濯機が好きだ。僕は、あとどれくらい、洗濯機を回せるだろうか。回転する洗濯槽を覗けるだろうか。15リットルだから洗剤これくらいでいいかなって、あと何回思えるだろうか。洗濯ネットで、型崩れしやすい衣類を守れるだろうか。漂白剤の極端な効用にびくびくしながら、白いYシャツを蘇らせられるだろうか。柔軟剤を使わずに、ふかふかのタオルを量産できるだろうか。 

エレファントカシマシが、生活というタイトルのアルバムを出したことがある。全く生活感のない、でも本当の生活について歌ったアルバムだ。虚構を生きるものにとって、生活は残酷な夢のようだ。夢のように、現実味がないものだ。かくゆう僕も、生活感がないとよく人から言われる。笑いながら「生活そのものが、ないからね」と、答える。

物語と現実の接着面をもっと増やせないかと、考えている。ゲーム機本体に電源を入れてから始まる行儀のいいリアリティではなく、現実と地続きのもっとカジュアルなやつ。スマホとか小さい画面じゃなくて、もっと地表レベルで重力とかを噛みしめながら前のめりで没入できるやつ。本を閉じても、簡単に終わらないやつ。

継続性を考えると、物語と現実の接着面には、接着剤を使わない方がいいだろう。あの、独特の、退廃的な匂いは、確かにいい。でも、それが匂いだけで接着面だとわかるのは、あんまりスマートじゃない。洗濯も、柔軟剤をあまり使わない方がいい。

文頭に回し始めた洗濯機が、ちょうど止まった。次は洗濯物を干しながら、この接着面をシールにするやり方について考えてみよう。

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