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小嶋享County Line Showroom代表元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。www.countyline.jpinspirationla.com

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小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。

www.countyline.jp
inspirationla.com

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BLOOD, SWEAT & TEARS

2013.08.12

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灯台下暗し。
身近なところを掘り下げてみると、面白い事実が浮かび上がってくる、そんなお話です。

先週訪れたButton Works。いつものように"ボタンおじさん"こと小菅氏のタメになる話し&ダメになる話しを聞いているときに、目に飛び込んできた古いレコード。

『BLOOD, SWEAT & TEARS』。1969年にリリースされ、グラミーの最優秀アルバムを受賞したブラスロックの名盤だ。
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BLOOD, SWEAT & TEARSの頭文字はB,S&T。そうだ。Button Worksはあくまでもブランド名で、社名はB,S&Tだった。BとSの間に入ったコンマの意味がようやく分かった。社名の由来はどうやらこのバンドにあるらしい。

ということで、掘り下げ開始。

「エド・サリバン・ショーって知ってるだろ? エルヴィス・プレスリー、ビートルズ、ローリングストーンズなども出演したアメリカの有名なテレビ番組。俺が高校生の頃、NHKでエドサリバンショーを放映していて、その番組ではじめてBLOOD, SWEAT & TEARSを観た。カッコ良すぎてかなりの衝撃を受けた」。

きたきたきたきた、小菅さんのダミ声にエンジンが掛かってきた。小菅さんはダミ声だが、音楽センス&知識は相当なもの。音楽の話しを始めたらもう止まらない。DUS(※ダミ声UNSTOPPABLEの略)。

「BLOOD, SWEAT & TEARSはアル・クーパーを中心に結成されたバンドで、ロックにジャズのアレンジを加えたブラスロックの代表格。アル・クーパー知ってるだろ? ボブディランのLIKE A ROLLING STONEのオルガンメロディーを弾いているのがアルクーパー」。ほうほう。今日はタメになる話しが多い。

アメリカの人気バラエティ番組、エド・サリバン・ショーには、放送コードの問題があり、出演バンドに歌詞を替えさせたエピソードが数多く残っている。ローリングストーンズしかり、ドアーズしかり。ドアーズのジム・モリソンが歌詞を替えることを拒否して、生放送でオリジナル歌詞(=放送禁止)のまま歌ったエピソードは映画にもなっている。それにしても、世の中が聖子ちゃんカットで溢れかえっていたアイドル全盛の80年代に、高校生の分際でエドサリバンショーだ、ブラスロックだ、アルクーパーだって言ってるところが恐ろしい。当時から相当な変わり者だったのだろう。。

BLOOD, SWEAT & TEARSに関するウンチク話を一通り聞いたところで、社名について話しを振ってみる。

「24歳で会社を興したときに、BLOOD, SWEAT & TEARSにちなんで社名をB,S&Tにした。日本語にしたら、血と汗と涙。良い言葉だろ? Button Worksをはじめるにあたって、血と汗と涙、3つのしずくが重なったロゴを考えた。職人の血と汗と涙が刻まれた刻印ロゴ。まあ、そんなに格好いいもんじゃないけど」。なんだ? 急に照れやがって。聖子ちゃんカットにしてやろうか? と心の中でつぶやいて緊急取材終了。小菅氏はダミ声を潤すために、浅草橋のガード下へと消えていった。

知らなかった。何気なく目にしていた「しずくの刻印」に込められた意味を。
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「血と汗と涙」の三重奏。妙に納得した。そして感動した。

Button Worksの商品には、血と汗と涙を滴らせた職人の熱い思いが刻まれている。
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