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小西康陽音楽家NHK-FM「これからの人生。」は毎月最終水曜日夜11時から放送中。編曲家としての近作である八代亜紀『夜のアルバム』は来年2月アナログ発売決定。現在、予約受付中。都内でのレギュラー・パーティーは現在のところ、毎月第1金曜「大都会交響楽」@新宿OTO、そして毎月第3金曜「真夜中の昭和ダンスパーティー」@渋谷オルガンバー。詳しいDJスケジュールは「レディメイド・ジャーナル」をご覧ください。pizzicato1.jphttp://maezono-group.com/http://www.readymade.co.jp/journal

小西康陽・軽い読み物など。

小西康陽
音楽家

NHK-FM「これからの人生。」は毎月最終水曜日夜11時から放送中。編曲家としての近作である八代亜紀『夜のアルバム』は来年2月アナログ発売決定。現在、予約受付中。都内でのレギュラー・パーティーは現在のところ、毎月第1金曜「大都会交響楽」@新宿OTO、そして毎月第3金曜「真夜中の昭和ダンスパーティー」@渋谷オルガンバー。詳しいDJスケジュールは「レディメイド・ジャーナル」をご覧ください。
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公園の一角で行われている詰め将棋に、いつの間にか人だかりが出来る。

2012.01.07

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昨年、ソロ・アルバムを出したことは前回の、昨年の大晦日に掲載した原稿で書いた。
 
あの作品、そしてNHKで月に一度放送している「これからの人生。」、というラジオ番組だけを見ると、小西康陽という音楽家はずいぶんと大人しい、あるいは老成した音楽にシフトしたのだなあ、と思われるのかもしれない。
 
もちろん、それはそれで構わない。だが個人的には、2011年はクラブのDJとして大きな転換があった年として記憶することになるはずだ。それは1997年以来の大きな転換点だったように思う。
 

 
昨年、自分のDJスタイルはいくつかの点ですっかり変わった。
 
まず、すっかり7インチのシングル盤中心の選曲に変わったこと。これについては、その前年にビートただしさんと「アトラクション・タイム」、というロックのイヴェントをスタートさせた頃から変わった、という記憶がある。
 
モッズやノーザン・ソウル、あるいはレゲエなどのルーツ・ミュージックを掛けるDJは昔から7インチだけだった。あるいは、ファンクやレア・グルーヴをプレイするDJも然り。「アトラクション・タイム」も主にロックンロールやオールディーズ、あるいはガレージ・ロックを掛けるパーティーだったから、自然とそうなったのだが、7インチを持ち運ぶようになると、今度はLP、あるいは12インチのレコードを持っていくことが厭になってくる。
 
以前は30cmのサイズのレコードを中心に選曲していたのだが、そういうとき、7インチは持って行っても、つい忘れてしまい、あまり使わないことが多かった。ところが7インチ中心になると、今度はその逆になる。DJしている間は7インチのバッグだけに集中して、あまり大きなレコードのことを思い出さなくなるのだ。
 
そんなことが続くうちに、シングル盤のケースしか持たずにDJしに行くことが多くなってきた。もちろん、レコードの持ち運びは、はるかに楽になった。すると、当然買うのもシングル盤が中心となる。去年の後半はほぼ7インチしか買わなかったのではないか。
 

 
次に大きく変わったことは、もはや自分は人の知らない曲など掛けなくなった、ということだ。
 
10年前なら、誰も知らない古いレコードのために大金を払うことも出来た。だがいまは、そもそも誰も知らないレコードなど掛けたくない、と考えている。
 
これは平林伸一さんに誘われて、内門洋さんと一緒に「昭和ダンスパーティー」、というイヴェントに参加した頃から、少しずつ変わったのだと、はっきり気付いている。
 
「昭和ダンスパーティー」は、現在、「真夜中の昭和ダンスパーティー」、と名前を少し変えて、渋谷のオルガンバーで続いているイヴェントだが、元々は池ノ上にある「こあん」、という小料理屋で開かれたパーティーだった。
 
そこには若い友人だけではなく、池ノ上や下北沢周辺の60代、70代の<ご近所さん>も多く顔を出してくれた。
 
彼ら彼女らは、かつてのマンボやツイストのブームも知っている方々。こちらがびっくり仰天するほど踊ってくれるのだが、自分の知らない曲ではすぐにフロアから去ってしまう。これは現在のクラブに来ている若い音楽ファンとは大きな違いだった。
 
だから、映画音楽だろうと、歌謡曲だろうと、何でも構わない。とにかく、「知っている」「聴いたことがある」曲のカヴァーなどを集めて、絶対にオールド・ファンの気を逸らさないことを心掛けて選曲した。
 
それがいつの間にか、自分の中で新しいスタイルを作ったのだと思う。だから、若い人の集まるクラブでも、なるべく誰もが知っている曲を選ぶ。あまりにも有名な、コマーシャルな曲ばかりを選ぶ。まさかクラブで聴けるはずがない、という曲や、もちろん知っているけれど、すっかり忘れていた、という曲を不意打ちのように掛ける。
 
人の知らないレアな曲を掛けることが退屈だとは思わない。だが、ここ最近、自分が面白いと思っているのは、誰もが知っている、むしろ記号化しているような曲を使って驚かせるゲームなのだ。
 
そのために、マッシュアップを作ったり、リミックスを作ったりすることもない。ただ、畳み掛けるように記号を折り重ねて、笑わせたり楽しませたりするだけで良い、と考えている。それが最近の自分のDJスタイルだ。
 

 
もうひとつ。平林伸一さん、内門洋さんと同じくらい刺激的なDJに出会ったこと。それは高松のDJ、NOELこと辻一臣さんが組んだDJコンビ、NOEL & GALLAGHER だった。彼らのプレイを見てしまったことが、自分のDJスタイルを更に変えてしまった。
 
二人のDJがそれぞれ右ターンテーブルと左ターンテーブルに立っている。向かって右がDJ NOEL、向かって左がDJ GALLAGHER、という立ち位置がほぼ決まっているらしい。彼らはそれぞれ選んできたレコードを1曲ずつ交互に掛ける。いわゆるバック・トゥ・バック、というスタイルだ。
 
バック・トゥ・バック自体は、それほど珍しくない。たいてい、どのパーティーでも、お開きの時間が近づいた頃に、これをやる。その日のDJ達が、それぞれ掛け残したレコードを交替に掛けていく。ゆるく、和気藹々とした時間だ。
 
NOEL & GALLAGHER の二人は、それを真剣勝負でやる。いや、本当に真剣勝負なのかどうかは知らないが、とにかくユルさは微塵もなく、互いが煽るように選曲していく。ほとんどの繋ぎはカットイン。相手の選んだ曲を遮るようにして、自分の選んだレコードを掛ける。
 
ストレートのパンチを繰り出せば、パンチをかわすようにして新しい展開に持ち込む。時には足許を掬うような曲を掛けたり、まったく不意打ちの選曲で困らせてみたり、あるいは、誰もが待ってましたと喝采を送りたくなるような選曲をしては、わざと長く聴かせたり。ボクシングのように鋭い打ち合いもあれば、プロレスもどきのサーヴィスもする。
 
たとえば公園の一角で行われている詰め将棋に、いつの間にか人だかりが出来るように、二人のDJが交互に好きな曲を掛けているだけなのに、聴いているクラウドは次第に興奮してくる。そんなふうにバック・トゥ・バックをエンタテインメントにまで引き上げること。
 
彼らは去年、意気投合して早速二人でバック・トゥ・バックだけのライヴ・ミックスのCDを作り、あっと言う間に完売させてしまった。
 
たまたま、NOEL & GALLAGHER のプレイを三度も観てしまった自分は、いつの間にか感化されていたらしい。秋頃から自分もまた、シングル盤で掛ける曲はほとんど最初のコーラスまでで次の曲に替えてしまう、という、いわゆるクイックなスタイルになってしまった。
 
正直に言えば、かつてはあまり好んでいたスタイルではなかった。それは自分が作編曲の仕事をしていたせいもある。せっかく音楽家が腐心して考えたイントロやエンディングを聴かせずに次の曲に行くなんて、とさえ思っていた時期もあった。
 
いまでも、クイックなスタイルが自分に似合っているのかどうか、いまひとつ疑問にも思っている。もともと技術的には決してテクニックに長けたDJではないのだし。ただ、一旦DJを始めると、いまは忙しなく掛け替えるスタイルでないと気が済まないのだ。
 
一人でクイックに繋いでいくDJでは、もっと素晴らしいプレイを聴かせる人がいる。たとえば、自分より遥かに若い川西卓くんがそうだ。まるで手品か何かを観ているように鮮やかなテクニック。古いレコードにも本当に詳しく、ネタには事欠かないからとても敵わない。この人もまた、高松出身。なんと、辻一臣さんの弟、幸太郎くんと同級生で、小さいときから辻くんのプレイを聴いてきたのだという。
 
まあ、自分は自分らしくやるしかないのだけれど。
 

 
「アトラクション・タイム」というイヴェントの影響で、7インチばかりになったこと。「昭和ダンスパーティー」で鍛えられ、有名な曲しか使わなくなったこと。そして、NOEL & GALLAGHER の影響で、クイック・プレイになったこと。
 
つまり、自分は今でもまだ、他人の影響を受け易い、ということだ。いい歳をして、それで良いのか、と思うこともあるが、少なくとも去年はDJに行くのが楽しかった。そろそろ引退、いや、勇退なさったら、と言う人もいるけれど、それが古い音楽を楽しむスパイスになるのなら、自分はDJを辞めるつもりはない。7インチのレコードを買うのも今は楽しいし。
 
それにしても、DJはむずかしい。自分は音楽を作ることに関しては、若いときに較べ、あまり大きく空振りをすることはなくなったのだが、DJでは今でも思い切り凹むことがある。
 
空振りしてしまうときは、どうも聴き手があまり楽しんでくれていないときだ。つまり選ぶレコードを大きく間違えたのか。そもそも、こちらのプレイなどまったく期待していない、というときなのか。あるいは、こちらの集中力が散漫なときか。
 
前回プレイしたときに、ひどく受けが良かったからと言って、同じレコードバッグを持って、同じ選曲をするなら、たいてい失敗する。経験でそれは解っているのだが、いまでもその過ちを繰り返してしまう。本当にDJはむずかしい。いまだに悩むことは尽きない。
 

 
去年、印象に残った、というか、楽しくDJ出来た思い出のセットのことをここに記しておこう、と思う。但し、都内のクラブでの、レギュラーのパーティーでのプレイは除く。
 
まずは去年の4月29日、「どっぷり、昭和町。」、というイヴェント。大阪は昭和町の「昭和の日」のお祭りに呼ばれたときの90分のセット。前年に続いて、二度目のお座敷。この日もほぼ7インチばかり、昭和の日、ということで、いわゆる和モノが多かったはずだ。昭和町の長屋の二階から、往来に向かって音楽を掛ける、というスタイル。次から次へ、何の迷いもなく選曲して、気がついたら90分の持ち時間が終わっていた。落語家・林家染太さんのDJセットも印象的だった。
 
次は昨年の10月1日、幡ケ谷ヘヴィーシックでの、『BLOODY JACK』、というイヴェントで、BED SOUNDS、そしてヤング・パリジャン 、という2つのバンドのライヴの合間に行なったプレイ。主に60年代のレコードを中心に、ただ好きな曲を掛けていただけだったが、BED SOUNDS のヴォーカルの女性を初め、6T'sふうのファッションに身を包んだ可愛い女の子たちが自分の目の前で踊ってくれるのを見ていたら、いつの間にか脳内に甘美な麻薬が分泌されていたらしい。調子に乗って、さらにストーンズなどを続けて掛けていたら、やがてダンスフロアは野郎ばかりとなって、「うおー」、という低い雄叫びに包まれた。正直に告白するなら、バンドのライヴの合間にDJをするのはあまり好きではないのだが、この夜ばかりは最高に楽しかった記憶しかない。
 
そして先月、12月11日の大阪・心斎橋、鰻谷SUNSUI で、ムッシュかまやつさんのセッション・バンドのステージの前と後に行なったセット。もちろん、ムッシュをはじめ、出演者はみな素晴らしかった。けれども、この夜、自分は何故か虫の居所が悪かった。とくに理由らしい理由もなく、何かに対して不機嫌になり、腹を立てていたのだと思う。何だかひどく攻撃的なカット・インばかりを打ち込み続けて、最後の3曲を掛けたときにはフロアが大合唱になっていた。この夜のことは、その場に居合わせた人にしか絶対に分かってもらえないだろう。信じられないような興奮の中で、パーティーは唐突に終わった。
 

 
では、去年一年を通してよく使った、あるいはクラブ・プレイして強く印象に残ったレコードを挙げておく。
 
自分は、だいたい一年でレコード・バッグの中身がほとんど入れ替わる、というのが理想だと考えているのだが、実際には何年もレコードバッグに入れたままの曲も多いし、逆に以下のリストに掲載されているものの、実際にはそう何度もプレイされてはいない、という曲もある。けっきょく、掛けるレコードはダンスフロアの雰囲気によって決められるのだから。
 
敢えてこうしてレコードを紹介するのは、今年の暮れにこのリストを見返して、すっかり入れ替わっているようなら嬉しいし、全然替わっていなかったとしたら、少しは焦ったり、引退を考えたりするきっかけになるだろうから。 アルファベット順で紹介する。曲繋ぎは現場でご確認ください。
 
・africa bambaataa presents time zone/hold on,I'm coming
コレは一昨年の購入。
川西卓くんの店、sandstep record で買った12インチ。
なんかTVで使われているのか、
「ホールド・オン」は若い女の子たちも反応する。
 
・aerosmith/walk this way
国内盤7インチ。
 
・暁テル子/ミネソタの卵売り
「東京シューシャイン・ボーイ」とのカップリング。
最近はコチラばかり。国内盤7インチ。
 
・青山ミチ/僕は特急の機関士で
三木トリローの名曲。アレンジは凡庸だが。7インチ。
 
・荒井由実/ルージュの伝言
ユーミンは他にもいろいろ使った。
「コバルト・アワー」と「少しだけ片思い」のカップリング盤とか。
 
・荒木一郎/いとしのマックス
前園直樹グループでカヴァーした後、
オリジナルもプレイするようになった。
 
・bay city rollers/saturday night
ルーターズ「レッツ・ゴー」を使うようになってから復活。
 
・the beatles/hello goodbye
コレが2011年の1曲。
 
・the beatles/I saw her standing there
若い人もビートルズは知っている。
 
・the beatles/paperback writer
平林伸一クラシック。
 
・jane birkin & serge gainsbourg/je t'aime moi non plus
昨年二月に梶野彰一さんに誘われて出演した
「ゲンスブール・ナイト」で選曲したときに、
この曲をただのヒップホップ/R&Bと理解することが出来た。
 
・blur/song2
これも一昨年から引き続き使っている。
 
・bollywood freaks/don't stop till you get to bollywood
インドの歌姫、ウシュ・ウトゥプが歌う
マイケル・ジャクソンのカヴァー。
オリジナル盤も持っているが、見事な音質にリマスターされている。
これもsandstep recordで。
 
・james brown/papa's got a brand new bag
これは12月11日の鰻谷sunsuiで使って、
全く新しいイメージに変わった。
それを忘れないようにリストに挙げた。
 
・bobby byrd/I know you got soul
B2Bクラシック。
 
・complex/be my baby
これも川西卓くんが宮城県「半造レストハウス」で掛けていて、
7インチがあることを知った曲。
 
・sam cooke/shake
以前はピンと来なかった一曲。
幡ケ谷ヘヴィシックでの1曲目はコレだった。
 
・クール・キャッツ/プリーズ・プリーズ・ミー
ビートルズの日本語カヴァー。
 
・the mike curb congrigation/it's a small world
ハイファイ・レコードストアのバーゲン箱で
7インチを見つけて、戦線復帰。
 
・joe dassin/les champ elysees
「オー・シャンゼリゼ」の日本語盤。
 
・miles davis/milestones
今年は7インチでプレイしたい、と思う。
 
・deep purple/burn
コレはもう3年目。もちろん国内盤7インチ。
 
・elaine delmar/alone again
高額盤LPで使っている最後の一枚、かも。
 
・de la soul/say no go
7インチでヒップホップのクラシックを集めている。
 
・ダウンタウンブギウギバンド/港のヨーコヨコハマヨコスカ 
なぜかヘヴィプレイ中。
 
・ザ・ドリフターズ/ドリフのズンドコ節
子供の頃から本当に好きだった一曲。
あらためて聴くと川口真の編曲が本当に素晴らしいことに気付く。
日本でも洋楽に負けない音圧を作ることは可能だった、という証明。
 
・ECD/言うこと聞くよな奴らじゃないぞ
コレも去年、戦線復帰。掛けると必ず誰かが歌う。
 
・the electric indian/my cherie amour
インスト。
 
・榎本健一/月光価千金
「昭和町」のイヴェントを代表する1曲。
 
・fitness forever/mondo fitness
スペインのネオアコ・リヴァイヴァルのバンド。
アルバムで買った時に何度かプレイしたが、
去年、多屋澄礼さんが7インチを掛けていて、
けっきょく彼女から頂戴してしまった。
 
・フリッパーズ・ギター/恋とマシンガン
コレをカジヒデキさんのイヴェントでプレイしたことは忘れられない。
 
・aretha franklyn/soulville
鰻谷sunsuiでのライヴ後の1曲目。
ほぼ毎回持っていくが、掛けたのはこの時だけかも。
 
・舟木一夫/銭形平次
意外とテンポが遅いのが残念。
 
・france gall/laisse tomber les filles
ガールズ・ガレージの最高傑作。
 
・france gall/made in france
小倉優子「オンナのコ・オトコのコ」の
2小節の短いイントロはこの曲を意識していたのだが、
聴いてみたら全然違っていた。
 
・the girls generation/gee
自分が作りたかった曲。
クラブで使っているのは日本語ヴァージョン。
 
・ゴールデンハーフ/ロコモーション
彼女たちのレコードはすべて傑作。
 
・萩本欽一/あ〜ねむいなあ〜
明け方、パーティーの終わり頃に使うためにある曲。
 
・bill haley & the comets/two hound dogs
ようやく7インチを購入。
 
・平尾昌晃/おてもやん
2011年を代表する曲のひとつ。
バックの演奏を務める津々見洋とオールスター・ワゴンがすごい。
ニュー・オーリンズのR&Bのようなグルーヴ、と、いつも思うのだが、
ではニュー・オーリンズ産R&Bのどの曲か、と問われても答えられない。
だがグルーヴの中のジャズ度が高い、とにかく強烈な演奏。
日本製リズム&ブルースの最高峰。何度プレイしても感動する傑作。
 
・ほりまさゆき/ロカフラベイビー
エルヴィスのカヴァー。エルヴィスより良いかどうかはコメントせず。
 
・いいとも青年隊/ウキウキwatching(CDR)
去年の秋に依頼されて作った新しい編曲ヴァージョンのイントロに
旧「いいとも青年隊」の歌を付けた
自分専用のカスタム・ヴァージョン。
 
・the incredible bongo band/let there be the drums
この曲をヒップホップ/レア・グルーヴではなく、
ジャズ&ジャイヴとして捉えること。
 
・敏いとうとハッピー&ブルー/星降る街角
水商売っぽい、ということを除いては、非の打ち所の無い曲。
 
・jet/are you gonna be my girl
この曲に7インチが存在することを知った2011年の冬。
 
・syl johnson/different strokes
まだ最初のコーラスまでしか聴いたことがない。
 
・カジヒデキ/ラ・ブーム
この曲に反応するのは6:4で男性かも。
7インチだが、オリジナル・ヴァージョンを使用。
 
・the knickerbockers/one track mind
映画『ロンドン・ブルバード』(拾い物!)でも使われていた。
 
・kokomo/theme from the silent movie
無理矢理にムードをリセットするときに大きな力を発揮する。
ショパン「子犬のワルツ」のワルツではないカヴァー。
 
・小坂忠/しらけちまうぜ
誰もがこの曲を掛けていた一時期、
何故か鼻白む思いで聴いていたのだが。
 
・クック・ニック&チャッキー/可愛いひとよ
これも2011年に、あらためて好きになった曲。
イントロの最初の数小節をカットすることによって、
好きになることが出来た。
 
・越路吹雪/オー・パパ
カリプソ/スカの名曲、
「shame and scandal in the family」 の日本語盤。
コレも川西卓くんの店で知った。
けっきょく入手したのは別の店だったが。
 
・latin kaleidoscope/whereabouts -flight plan at 2:00pm
これも3年目に突入。
渡辺康成さんの作ったトラック。
ブラジルのイージー・リスニングをネタにしているが、
オリジナルよりずっと出来が良い。
この手のクラブ・トラックとしては、
自分が好きになった最後の曲がコレ。
クラブ・ミュージックはコレで終わった、と言うことも出来る。
7インチで再発を希望。
 
・john lennon/power to the people
自分のレコード・バッグの中では、
相変わらずジョンとポールは競い合っている。
 
・little richard/tutti frutti
カット・インで入れることによって
さらに魅力が倍増したロックンロールの古典。
 
・bernie lowe orchestra/sing,sing,sing
これは今後、多くのDJが探すであろう1曲。
インクレディブル・ボンゴ・バンドの反対に、
レア・グルーヴとして聴くことの出来るジャズ&ジャイヴ。
 
・前園直樹グループ/いとしのマックス
DJとしてずっとオリジナル・ヴァージョンを残念に思っていたので、
コレを作ったのだが、
結果的にオリジナル・ヴァージョンの魅力を
再発見・再評価することになってしまった。
 
・前園直樹グループ/夏なんです
これも7インチで再発を希望。
 
・manfred mann/I can't get no satisfaction
長らく7インチを所有していることを忘れていた。
大昔、札幌のシスコで300円で購入。
 
・ricky martin/livin' la vida loca
音はもちろん郷ひろみのほうが抜けが良いのだが、
7インチを入手したので。
 
・jayne and audrey meadows/japanese rhumba
大阪の某ディーラーから購入したナゾ盤。
だが、キワモノではない秀逸な編曲を持つジャズ&ジャイヴ。
 
・the mindbenders/love is good
ジミー益子さんがプレイしていて知った、
「バンバンバン」の下敷きのような曲。
 
・the mohawks/the champ
こういう絵に描いたような有名ネタ、というのを探しているわけで。
 
・中島みゆき/悪女
初めはジョークのように掛けていたが、
新宿OTOでプレイしたところ、サウンドの見事さに感動した曲。
いわゆるスペクター・サウンドは決してクラブ向きではないが、
なぜか新宿OTOの装置では心地よく鳴る。
クボタタケシさんも同意していた。
 
・おニャン子クラブ/セーラー服を脱がさないで
特にコメントせず。
 
・大杉久美子/フランダースの犬
コレは「真夜中の昭和ダンスパーティー」で
大好俊治くんが掛けていたのを翌週から真似した。
こんなに打っているとは。
 
・OST(charles fox)/barbarella
国内盤7インチ。
某個人ディーラーから入手して以来、ほぼ毎回プレイ。
LPで掛けたいと思ったことは一度もなかった。
 
・OST(riz ortolani)/go swim!
コレも昨年、平林伸一さんが
「真夜中の昭和ダンスパーティー」でプレイしたとき、
その場にいたレコード好きがほぼ全員チェックしに来た。
運良く、すぐに入手出来た。
映画『地中海の休日』の国内盤サントラ7インチ。
 
・小沢健二/buddy
イントロが素晴らしい。
この人の曲を掛けるといつも、
いかにファンが多いかをただ確認する時間になってしまう。
 
・earl palmer/new orleans medley
どんどんテンポが変化する、
B2Bのときは相手を困らせるばかりの曲。
 
・duffy power/I saw her standing there
これも鰻谷sunsuiでプレイ。
渋いトラックなので、あまり他ではプレイ出来ず。
 
・pretty purdie/soul drums
某ディーラーに頼んで入手した一枚。
どうしても7インチで掛けたかった。強烈な音圧のUS盤。
 
・procol harum/the whiter shade of pale
これもR&B/ヒップホップだった、と気付いた。
 
・queen/bohemian rhapsody
ダンスフロアの雰囲気を一瞬にして変えてしまう曲。
他の曲と繋ごうとは思わないが。
 
・queen/we will rock you
「ボヘミアン・ラプソディ」から、
普通のDJの流れに戻すために使っている曲。
 
・lou reed/walk on the wild side
ヒップホップ。
いつか国内盤の7インチを入手したい。
 
・the righteous brothers/justine
「ジャスティン」そして「ココ・ジョー」、
どちらもドン&デューイのクラシック。
ライチャス・ブラザーズはどちらの曲もカヴァーしている。
カヴァーもオリジナルも、全てが最高。
 
・the rolling stones/sympathy for the devil
ある時、どうしても7インチが欲しくなって、
どうせ買うなら国内盤で、と探したら、海外のサイトで発見する。
冒頭のパーカッションは音がひどく小さいのだが構わない。
この曲に反応する人はオヤジです。
 
・ronron clou/she goes to finos
ごぞんじトイ・ドールズのカヴァー。
初めてオルガン・バーで掛けたとき、
松田岳二さんが強く反応してくれた。
トイ・ドールズは12インチで所有しているが、
まだクラブで使ったことはない。
 
・the routers/let's go
神保町のレコードショップで安く見つけて以来、使っている。
 
・todd rundgren/I saw the light
これは一昨年、札幌で奮発して買った国内盤7インチ。
毎回使い倒して、最近ようやく掛けなくなってきたところ。
 
・run dmc/mary mary
札幌で国内プロモ盤7インチを購入。
途中から使う。
 
・スクールメイツ/若いってすばらしい
みんな大好きな曲。
このヴァージョンが最高、というわけではない。
ただ耳新しいので使用中。
関西の某ディーラーより購入。
 
・neil sedaka/a laughter in the rain
去年、国内盤7インチを入手したので、
クラブで掛けたところ、
あまりに反響が大きかった。
みんな自分のよく知っている名曲を
他人と一緒に聴きたい、ということ。
 
・brian setzer orchestra/getting in the mood
これも7インチを発見したので復活。
 
・the sheep/hide and seek
これも3年目。モンスター・チューン。
 
・the specials/a message to you rudie
片面の「nite klub」もよく使った。
 
・the stereos/freeze mambo
大阪ナイトビートで購入。
あの店の「titty shakers」、というジャンルで発見。
おっぱいぶるんぶるん。
要するにストリップティーズ系音楽。
 
・the swinging medallions/double shot
これも昔はあまり好きでなかった曲。
US盤7インチで聴くと無駄に強烈な音圧に感動する。
 
・スリー・ファンキーズ/抱きしめたい
やはりビートルズの日本語カヴァー。
このグループの7インチはどれも素晴らしい。
 
・チューリップ/心の旅
これも2011年を代表する一曲。
常盤響さんが東京を去る直前のパーティーで初めて掛けた。
こんなに完璧な楽曲を、どうして昔は嫌いだったのか。
 
・stevie wonder/my cherie amour
ようやく7インチを国内盤で入手。
当時はB面だったのか。
 
・link wray/raw-hide
2011年のナンバー・ワン・キラー・チューン。
だが、まだあまりプレイしていない。
これから。
 

 
このリストを見て、誰かが選曲の真似をするとは、とても考えられない。むしろ、このオッサン、DJとしては終わってるな、と思われるのがオチだろう。
 
そもそも、このブログに真面目な音楽の話を書いても、あまり反応はない。だからこそ、書いた、というのもある。自分自身のメモとして。
 
そういえば昔、1997年にだったはずだが、ヨーロッパのDJツアーから帰ってきてすぐ、 三宿のWEB、というクラブでひと晩、たった一人でDJをしたことがあった。あのときのセットを自分で思い出したい、と、ときどき考えるのだが、今ではほんの数枚のレコードしか想い出すことが出来ない。shantell、なんて掛けたことは憶えているのだが。
 
「軽い読み物」にしては、長いものになってしまった。無内容なので、軽いのは変わらないのだが。