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草彅洋平(東京ピストル)株式会社東京ピストル代表取締役1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。www.tokyopistol.com/

トークのイチロー就活日誌

草彅洋平(東京ピストル)
株式会社東京ピストル代表取締役
1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。
www.tokyopistol.com/

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ももクロ夏のバカ騒ぎSummer Dive 2012 Tour 公式ツアーパンフレット

2012.06.21

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こんにちは、みなさん。
みなさんは元気ですか?
僕は意外としぶとく元気ですよ。

さて、この度、以前から大ファンだったももいろクローバーZ さんと、
初めてお仕事をご一緒しました。

今回はももクロ初となる公式ツアーパンフの編集長とADを僕が担当。
東京ピストルで制作をやらせて頂きました。
とても嬉しいお仕事でした。
が、メチャクチャハードスケジュールでしたよ...、ふええ (;´Д`)l

IMG_7468.JPG


パンフは6月17日から始まった「ももクロ夏のバカ騒ぎSummer Dive 2012 Tour」で発売。
パンフレットは会場でしか販売しなかったのですが、おかげさまで大好評。
ツイッター上ではパンフレットの話題がたくさん出ています。
さまざまな方にお褒め頂き、熱烈なももクロファンの方々にご支持を受けて、僕も一安心しています。

IMG_7455.JPG


今回はそんなパンフの見所を本フイナムブログ限定で僕なりに解説したいと思います(キリッ!)。


1.ツアーパンフなのに120Pある!?


かつてツアーパンフで120Pあるパンフがあったでしょうか?
(芸能関係のパンフレットに詳しい方教えてください!)

このパンフは当初から112Pほどのボリュームたっぷりの本をイメージしていましたが、
それよりも8P膨らんでの完成、これはなかなか圧巻のボリュームではないでしょうか。
さらに一般的なツアーパンフという概念(インタビューのみ収録された薄いペラペラのパンフ)を変えて、
「ツアパン恐るべし!」という内容を随所に盛り込みました。



2.写真が素晴らしい!



実は当初より構成を下記のように5つに分けて考えていたのですが、

ビジュアル(写真集的な要素)

②ドキュメント(2-5月までの軌跡を写真含め追うフォトドキュメンタリー)

③インタビュー・コラム(あの人の意見、読み物など)

④ネタ&データ(「こんな姿が見たい!」「情報が知りたい!」など)

⑤付録(こちらはマストではないがオマケ的なもの)


届いたドキュメントの写真が素晴らしかったので、ドキュメンタリーを大幅に増やしています。
ドキュメントは公式だからできる密着撮影。
2月からの公演にリハーサルから密着してるため、撮影現場では数千を越えるシャッターが押されています。
その数千枚から選りすぐりの写真を選んでいるわけですから、
これで良い本が作れないわけでないありません。
写真を選ぶのにものすごい時間がかかりましたが、
非常に贅沢な編集でした。

また今回ビジュアルを「ゆかい」の池田晶紀さんにお願いしました。
池田晶紀さんとは以前もお仕事をご一緒したことがあったのですが、
スタジオ撮影で夏のバカ騒ぎを表現するにあたって、
池田さんが以前撮られていたいくつかの写真がヒントとなって、ビジュアル撮影をお願いする運びとなりました。
それにしても最近僕が気になっていた水景に、池田さんがバンバン絡んでいたとは...
水景+ももクロは夏に涼しくもあり、非常に面白い写真となりました。



3.インタビューが濃い!



多忙なももクロさんが個別でインタビューに応えてくれるのは、現在ほとんどなく、これも公式の魅力です。
また関係者へのインタビューもかなり貴重な内容になりました。
特に個人的に興味深かったのが、ももクロのすべての振付を担当されている石川ゆみ先生のインタビューです。
ゆみ先生に関してはインタビュー前の調査でも不明な点が多く、どのような方か皆目分からなかったのですが、まさかアニメ文脈で活躍されていた方だったとは驚きでした(『らき☆すた』や『涼宮ハルヒの憂鬱』などのライブの振り付けを担当していたというお話が掲載されています)。ゆみ先生とアニメの接点について書かれたのは、僕が知る限りでは初めてのケースではないでしょうか?
アニメがジャズやヒップホップといったすでに存在しているカルチャーを許容する必要もなく、ゆみ先生の得意とする「創作ダンス」というジャンルがマッチしたというのは肯けますが、ももクロという存在がアニメ文脈に絡んでいたことを証言する内容として、ゼロ年代以降のアニメの重要性を語る上でも僕には大切なことのように思えました。今後のアイドル文化を考察する上でも非常に重要な発言ではないでしょうか?



4.裏テーマはプロレス!?



川上アキラ氏と佐々木敦規氏が常に伏線に置いているプロレスは、公式のツアーパンフレットも密かな裏テーマにありました。
用語集のプロレスに関する記述はフイナムで同連載を手がける熱狂的なプロレス&れにちゃんファンのカルロス氏にお願いをいたしました。
また元「週間プロレス」編集部に在籍し、現在はアイドル評論も手がける小島和宏さんにブレーンになって頂きました(リンクは小島さんの名著!)。
今回小島さんにはももクロ本人のインタビューをお願いしたいのですが、例えばこういう一文は普通にパンフレットを読む読者は流してしまうところだと思います。


(プロ意識が目覚めたと語る高城れにの単独インタビュー内容文の一節)
-ある意味、高校を卒業して、ももクロに就職したようなものですからね、高城さんは。


これは読む人が読めば分かりますが(分かるのか!?)、ジャンボ鶴田が全日本プロレスへの入団表明をした際、「僕のようなでっかい体の人間が就職するのには、全日本プロレスが一番適した会社かなぁと思って。尊敬する馬場さんの会社を選びました」と発言。これが「プロレスに就職します」と報道され、一躍プロレスファンの間で名言として有名になりますが、小島さんはジャンボ鶴田のこの発言にならって記事を書いているわけです。
こうした細かい配慮が小島さんのスゴイところです!
ツアーパンフレットは一見するとももクロですが、噛めば噛むほど味が出るスルメのごとく、プロレスのアングルが随所に持ち込まれています。
これはアイドルパンフとしてはももクロだからできる非常に新しい編集だと思われるのですが、正に熱意の賜物。
果たして今後きちんと出版各界から評価されるのでしょうか?
僕は手前味噌ながら本パンフはかなりのレベルに位置していると確信しています。
みなさんの発見とご感想を楽しみしています。



5.さらに裏裏テーマが...



そして最大の裏テーマは「ももクロ本人たちに感動してもらうこと」。
水面下で内容も知らせず、撮影時に初めて内容を見てもらいました。
そのときの嬉しそうな表情といったら!
下記はその翌日に書かれたブログです(れにちゃんはラジオで話してくれました)。


感動していただけたようで、編集者冥利につきます。

というわけでこのパンフレットは非常にオトクです。
そして何より内容が圧倒的に濃いかと。
ももクロファンでなくても是非とも読んで欲しい一冊となっているので、
もう何冊でも買いまくってくださいね☆

ちなみに17日はパンフを初めて手に取り、ももクロのNHKホールライブでバカになり、
帰りはONSENでももクロを聞いて大盛り上がりでした。

今後はONSENでももクロオフ会を毎回開催しそうです。
ももクロファンは遊びに来て欲しいですねえ。

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