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草彅洋平(東京ピストル)株式会社東京ピストル代表取締役1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。www.tokyopistol.com/

トークのイチロー就活日誌

草彅洋平(東京ピストル)
株式会社東京ピストル代表取締役
1976年東京生まれ。あらゆるネタに対応、きわめて高い打率で人の会話に出塁することからついたあだ名は「トークのイチロー」。インテリア会社である株式会社イデー退社後、2006年株式会社東京ピストルを設立。ブランディングからプロモーション、紙からWEB媒体まで幅広く手がけるクリエイティブカンパニーの代表として、広告から書籍まで幅広く企画立案等を手がける次世代型編集者として活躍中。
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DJ iPSはいかにして誕生したか?(1)

2012.12.20

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DJ iPS


今日、朝起きてPCを開くと「DJ iPS」のグーグルトレンドワードが9位になっていました。
従業員10名に満たない小さな会社のたんなる忘年会のゲストの余技がヤフーニュース入りし、世間を騒がせているのですから、なんとも奇妙な話です。

「DJ iPS」をtwitterで検索してみても大変な評判です。ロケットニュース(事前確認もなく一方的に掲載された上、こちらからわざわざ情報の修正依頼をしましたがレスポンスも修正もなかったため、相当クズなニュースサイトだとお伝えしておきます)をはじめ、その他のニュースサイトでもものすごい数がツイートされました。クローズドな身内の忘年会ゆえ取材拒否と事前に告知しているのにも関わらずの裏取りなし報道というのは日本のマスゴミここに極まりといった感があります。それも一部誤情報を含んでの野放しとはどういうことでしょうか? 相手が森口氏だから何をやってもいいという訳ではありません。よくテレビをマスゴミと批判しますが、ネットニュースも同じでゴミです。つまり報道できっちり取材するところは皆無。大体は愛などなく、ビュー数を稼げればそれで良いという印象で、非常にガッカリしました。

というわけで外野に語らせても何も良いことはないため、当事者で名付け親である私がなぜ今回「DJ iPS」を誕生させ、このような忘年会を開催したのかご説明したいと思います。

まず私が以前からビジネスの可能性があるのではないかと考えていたものに「忘年会」がありました。
どの会社も必ず12月に入ると忘年会を開催します。規模の小さいもので2-50人くらいのものから、100人を越える大きなものまで、忘年会は各所で開催されてきました。忘年会の歴史は調べてみると非常に興味深く、「としわすれ」という言葉を用いた最古の例としては、室町時代にまで遡るそうです。歴史もありながら日本人には当たり前すぎて放置されている可能性のあるコンテンツ、それが私にとっては商機に思えたのです。

そこで4年に渡って忘年会を名乗ったイベントを実験的に開催してきました。最も有名なのが居酒屋「和民」を借りきり、サウンドシステムを組み、飲み放題の一夜限りのクラブにするというコンセプトの「和民ナイト」でした。毎年年末に開催するこのイベントは大好評を頂き、和民史上1日の過去最高売上を叩き出したこともありました。とはいえ功績ゆえに店長が昇進し、それにともない協力が得られなくなり、開催を諦めることになったのは非常に皮肉な結果といえるでしょう。

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今年「2012年の忘年会はどうすべきか?」と考えたとき、いままでの手法を替え「その年を代表する人にDJをさせよう」と閃きました。モチーフは清水寺の「今年の漢字」や流行語大賞。ただそれがDJスタイルであるというだけ。年末にそんなバカ騒ぎがあってもいいのではと思ったのです。

しかしながら2012年をいくら思い返してみても、なかなか記憶がないのが不思議な事実です。2011年の地震のインパクトが大きすぎ、今年の印象が大変薄い。ふとiPS細胞を使った世界初の治療をしたと発表後、大半をうそと認めた森口尚史氏の顔が浮かびました。ノーベル賞を受賞したマジメな山中教授がかすむほど、テレビに出続けている森口氏。この人こそ、2012年を代表する人ではないか、と思った時に、アテンドする人が決まりました。

もちろん森口氏の起用には批判もあることは重々承知していました。しかしながら私にとって森口氏はマスコミが生んだ悲劇の人にも見えていました。

論文捏造を肯定するわけではありませんが、まず日本で論文を捏造しているクズ学者は非常に多く、つい最近では200編近い論文捏造をし、世界記録となった医師のニュースが上がっていましたが、彼のほうが森口氏よりも悪質に関わらず、国内ではほとんど報道されませんでした。
森口氏がここまでクローズアップされてしまったのは、根本的に各大学の登用チェックがそもそも杜撰だったこと。さらにノーベル賞のノミネートによってiPS細胞そのものに注目が集まったこと。そして読売新聞や共同通信などが誤報をしたことでしょう。特にメディアが「飛ば」さなければ、森口氏に注目する人ことはなかったはずです。だからといって森口氏の偽発表を許すわけでもないのですが、マスコミが火をつけなければ今回の騒動になってはいなかった。マスコミはそのミスを自ら認めたくないからこそ、下記の動画のような高圧的な目線で、森口氏を徹底的に糾弾しているのでしょう。


私は古いメディア側の人間として、世間がどう語ろうが、自分で会ってまず確認するという習性を身につけています。

そこでどういう人なのか確かめるべく、12月初旬、友人のツテをたどって森口氏とアポイントを取り付けたのです。

◎ オマケ
20121220_172936.jpg
忘年会で森口氏が「GET WILD」を歌ったことに対して、作詞家の小室みつ子が悲鳴! 
まさか作詞家にまで拒否されるとは...。さすがDJ iPS!! 

つづく→