履けばわかるさ、着てもわかるさ
南井正弘
Freewriter&Sneakerologist
1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。
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今日の1足
2013.09.06
アーサー アッシュは、それまで黒人プレーヤーには門戸が開かれていなかったテニスの世界における先駆者として活躍した伝説的な存在。4大トーナメントを初めて制したアフリカンアメリカンであり、彼の存在なくしてはテニスの歴史が大きく変わったと思われます。
スタン スミスやロッド レーバーといったプレーヤーと同じく、アーサー アッシュにもシグネチャーモデルが用意されました。ルコック スポルティフからリリースされたこのモデルは、ブルーチャー(外羽根)デザインのベーシックなデザイン。ここ数シーズンヨーロッパで復刻されていて人気を博していましたが、より当時のスペックに忠実かつスタイリッシュなプロダクトがBEAMSのディレクションにより完成しました。
通気性を高めるメッシュパネルのシュータン、履くほどに足に馴染む上質なアッパーレザーなど、BEAMSの中田さんと加藤さんのこだわりが結集された1足は最近のテニスシルエットのシューズでは最も完成度の高いプロダクトの一つに仕上がっていると思います。
プロダクトに関わる人間は担当した製品のことを「子供」のように思うものですが、今回のこのモデルはコーディネートやアドバイスをさせてもらっただけに、自分にとっては「甥っ子」みたいな存在です。
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