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『AUSTRALIA』

2009.12.10

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jedi_australia.jpg『オーストラリア』Australia
監督:バズ・ラーマン 主演:ニコール・キッドマンヒュー・ジャックマン
"オーストラリアのオーストラリアによるオーストラリアのための映画"なんて揶揄もありましたが、映像美にこだわるバズ・ラーマン(『ムーラン・ルージュ』、『ロミオ+ジュリエット』)による美しいオーストラリアの姿と大戦前夜(1940年前後)の開拓者たちと運命的なロマンス、現地のアボリジニ人との交流を描く叙事詩。

ポスターアートからして『風と共に去りぬ』@オーストラリア。しかし大画面に広がるオーストラリアの美しい景色には息をのみ、現地のアボリジニ人の描き方などは21世紀の誠実さも感じます。

第2次世界大戦勃発前、イングランド貴族のサラ・アシュレイ夫人(ニコール・キッドマン)は一年も帰ってこない夫を追って最後の所有地であるオーストラリアにある「ファラウェイ・ダウンズ」という牧場に向かう。夫が迎えによこしたのはドローヴァー(牛追い)(ヒュー・ジャックマン)。しかし、彼女をファラウェイ・ダウンズで待っていたのは夫の亡骸と荒れ果てた牧場だった。そこの管理人はファラウェイ・ダウンズ以外のほとんどの土地を牛耳る大牧場主キング・カーニーに雇われ牛を盗んでいったのだった。彼女の選択肢はキング・カーニーの言い値で牧場を明け渡すか残った1500頭の牛を遠く離れたダーウィンの港へ持って行き、軍との食料用牛肉の契約をとること...。

「壮大なだけで単純なラブ・ストーリー」かと今まで手を伸ばしませんでしたが、現地のネイティブ・アボリジニ達の迫害は辛辣に、混血児ナラとの交流は美しく悲しく、文明の前に人間の尊厳を失ったかのような周囲の白人との対比も面白かったです。大戦に運命を翻弄される人々、人種差別が当たり前だった当時の世の中など要素も盛りだくさん。アボリジニの描き方は『ダンス・ウィズ・ウルヴス』を思わせる尊敬と後悔が入り混じったトーンで好感が持てました。

それにしても監督、キャストにスタッフまでオージーで固めたというその布陣はなにかしら意地のようなものを感じます。こまごまとしたエピソードのひとつひとつは心にしみますが、欲を言えばニコールとヒュー2人の愛の行方(...惹かれあい、別れがあり運命の再会はわかるのです)が一番薄っぺらく感じてしまった。・゚・(ノД`)・゚・。 結論としては興味深いよく描けた周囲のエピソードを付け合わせに観る「壮大なだけで単純なラブ・ストーリー」( ^ω^)

母をなくし白人社会のもとで成長しながらネイティブとして成人するために儀式WalkOverに旅立つ混血少年ナラの冒険物語として見る方が正しいのでしょう。モノローグも彼のものだし...。

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