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The best Harry Bosch story yet

2010.05.25

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jedi_michael_connelly_echo_park.jpgエコーパーク』講談社文庫
著:マイケル・コナリー
訳:古沢嘉通

ひさしぶりに堪能しました。といってもあまりの面白さにあっというまに読んでしまいましたが。
日本では2年半ぶりのハリー・ボッシュ・シリーズ12作目。数えるともう18年の付き合いになります。衝撃の第一作『ナイトホークス-Black Echo』で惚れこんで以来、毎回出版のたびに買っていますが、その読みやすさと裏切らない面白さ、夢中になってしまうページターナーぶりはどんどん腕を磨いていると思います。わたしが前情報なしに無条件にその作品を買うのはこのコナリーとトム・クランシー、そしてあまりの多作ぶりに買わないけど読みたいっていうキングくらい。

一度はロス市警を辞したボッシュ。退職者復職プログラムで未解決事件班に元パートナー・キズをともなって配属された(彼のキャリア上では)安定した前作(『終結者たち』)。今回は一変して自身が過去に解決できなかった殺人事件が、別件で逮捕された連続殺人犯の手によるものと判明、協力を仰がれるところから物語はスタート。しかも当時の自分自身の捜査ミスの可能性まで突きつけられ...

事件を解決するというよりとり憑かれ、周囲の軋轢の中、事件を追うハリーの魅力は健在。ミステリ評論家、自身老舗ミステリアス・ブック・ショップのオーナーでもあるオットー・ペンズラーが2006年のベストミステリに推して評した「今までで最高のハリー」という書評も大げさではないかもしれません。物語自体の構成はいたってシンプルですが、その読ませるおもしろさ(というかテクニック)がすごい。シンプルなプロットなのに下巻に入ったらもったいなくてペースダウンしないと...という気にさせるほど。(それでもけっきょく2日かけずに読んでしまいましたが)。

シリーズ作なので1作目からのハリーの人生を知っていればなお面白いのですがそれぞれの作品で事件は区切りがつくので、興味のある方とおもしろい刑事ものを読んでみようかなと思った方はどこからでも。ぜひ手に取ってみてください。

...こうやってお勧めするのも、amazonで現時点206件のレヴュー、4つ星半という異例の高評価。そんな売れっ子作者だけに版権獲得が高額、さらに昨今の不況と本離れからベストセラー作家とはいえなかなか版が伸びないとの事...。わたし自身がコナリーの最新作を読みたいので、一冊でも売れたらいいなーなんて(^^ゞ

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