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FENDI
2014.01.17
砂漠のような荒れた大地。見渡す限りの黄砂。目もくらむほどの陽光がすべてを焼きつくし、ひび割れ、色あせていき、そして物質そのものが消滅していくのです。
クリエイティブディレクター シルヴィア・フェンディによる2014年春夏メンズコレクションは、「ヒートウェーブ(=熱波、酷暑)」をテーマに発表されました。
またしても新たな境地へと足を踏み込んだフェンディ メンズコレクション。それは現代の生き方を表現しています。
山から山へ移りゆくとき、その間に存在するのは無。合理的ではなく、行動で示し、いかなる状況下でも対応できる、そんな人物こそフェンディが掲げる男性像なのです。
ヒートウエーブに抗い、生きながらえるには、それに耐えるための機能が求められます。それは、精緻なフォルムやカラー、軽さ、コンパクトな作りが感じられること。元素さえ燃え尽きるほどの状況では、軽薄さなど干上がってしまい、あとに残るのは意味あるものだけでしょう。そうでないものは消え去る運命なのです。
正確、清潔、迅速、そしてコンパクトなライン、これを表現した実用的なジャケット、機能的なブルゾン、多目的なパーカー、しっかりとした厚みのあるキャンバス素材のパンツがシャープなワークウェアとして再び登場します。
特筆すべきアイテムは、リバーシブルのブレザー。砂漠での最小限かつ迅速な動作を可能にします。熱波がもたらす情景を想起させるものとして、マッキントッシュとジャケットのポケットのテープ留め、コーティングされたレザーパーカにはわざとひび割れを施し、レースアップシューズには色あせたような加工を施しました。
そして、砂漠での蜃気楼を表すかのようなきちんとしたスーツはわずかにサイケデリックなジャカードを用いています。地中海文化の名残さえも砂にかき消されたかのように見えますが、実際はしっかりと面影が残されているのです。
ミラノコレクションでは、前回のコレクションと同じイギリス出身のエレクトロニック・コンポーザー マシュー・ハーバートの音楽が会場を盛り立てました。
熱波の砂漠に立ち向かう探検家の彼は、産業発展した砂丘へと歩んでいきます。
フェンディ(FENDI)
www.fendi.com/jp/ja