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初来日した〈1205〉のデザイナー パウラにインタビュー!

2011.10.25

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今後の1205について。

―話は戻りますが、〈キルガー〉には何年ほど在籍なさったのですか?

パウラ:5~6年です。

―辞めて、自らのブランドを立ち上げようと思ったきっかけは何だったのですか?

パウラ:〈キルガー〉がドバイの投資家によって買われ、いろいろと状況が変化し、自分の関わり方も変わってしまいました。私は服作りに関してはすべて見て、コントロールしたいタイプなので、それが出来ないとなると...。それに、そろそろ自分で、とも考えていたので、良いタイミングでした。

―先日、2012年春夏コレクションを見させていただいて、2011年秋冬以前のコレクションとは大分印象が異なるように感じました。この秋冬はクラシカルで男っぽい印象だったのですが、次の春夏はフェミニンなムードで、その変化には何か意味があるのですか?

パウラ:テーマが異なっただけです。そのときの気分が反映されています。2011年秋冬は、アーミッシュ村の人々(※キリスト教の再洗礼派。外界との接触を避け、現在でも17世紀のような生活を送っている人々)からインスピレーションを受けています。彼らのトラディショナル・モダニズムが反映されたコレクションになっています。一方、2012年春夏は 1920年に開催されたアントワープオリンピックで活躍したアメリカの選手がインスピレーションの源です。ですから、スポーツ・テイストの入ったアイテムに仕上がっています。

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―そういうことだったのですね。ちなみにアイテムはすべてロンドンで作られているのですか?

パウラ:はい。私は服作りにはリレーションシップが欠かせないと考えています。信頼できる人たちとファミリーのような関係で仕事ができることが第一です。ですから今も、サヴィル・ロウ時代に知り合った方々とより良い物作りを目指して服作りをしています。

―素晴らしいですね。今のファッションって、利益追求型でより安く生産してバラまくという方式に向かっている気がするのですが、完全に逆ですよね。

パウラ:私の夢は、〈1205〉にまつわる物すべてを一ヶ所に集約して、目が行き届くところで服を作ることなんです。一見オールドスクールに見えがちですが、もっともモダンなことだと思いますので。

―コストなども含めて、難しい課題が多そうですが。

パウラ:もちろん簡単ではありませんし、世界各国の工場から生産にまつわるオファーはあります。しかし、私は関わるスタッフとディスカッションして服を作りたい。職人も私もガンコなので、ぶつかり合うことも多いですが。でも、そういう行為がブランドをより良く育てることになると考えています。いまも自転車に乗って工場に赴き、お茶を飲みながら話をして、服作りに取り組んでいますし、そういうところから生み出されるパーソナリティを打ち出した服を今後もリリースしていきたいですね。

―今シーズンのコレクションを見せていただいたときから興味を持ってはいましたが、このお話をうかがって、一層ファンになりました。

パウラ:ありがとうございます。私も、今回の日本での経験をロンドンの現場に持って帰り、スタッフと共有することでモチベーションを上げて、より良い服作りを心掛けていきます。

―期待しています。これからも良い服を生み出してください。そして、また是非日本へ。

パウラ:もちろんです。

いかがでしたか? かなり職人気質なデザイナーで、オトコ心をくすぐられるブランドですよね。今後もきっと素晴らしいアイテムを展開してくれるはずですので、ぜひ注目です。

次のページでは、〈1205〉2011年秋冬アイテムの中から編集部注目の8点を紹介していきます。

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