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良いバッグの条件と活用術。-- 今春注目の新作バッグを徹底解析 --

2012.02.22

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1. 浦野周平(イラストレーター)
2. 市之瀬雄介(ナノ・ユニバース バイヤー)
3. 山田陵太(スタイリスト)

山田陵太(スタイリスト)の場合。

―スタイリストさんって普段はどのようなものを持ち歩いているんでしょう。

山田陵太(以下、山田:敬称略):僕の場合は、その時やっている仕事の資料をクリアファイルにまとめたものや、資料の写真集、nikonのフィルムカメラ、ほかにはiPadだったり。さらに雑誌やら服やらなんやかやと増えてき行く時も。

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―バッグはどういったものを使ってます?

山田:荷物が多いので容量重視です。形でいうとトートバッグが多いです。アシスタントを始めた頃からずっと使っています。トートはとにかく物の出し入れがスムーズ。最近はまた、両手を自由に使えるリュックも欲しと思っています。販売員をやっていた頃には、〈コム デ ギャルソン〉や〈ケルティ〉のリュックを使っていましたが、近頃はご無沙汰です。

―スタイリストは移動も車が多いですからね。

山田:トートなんかは後部座席に置いたときに、開口部が広いし物の出し入れがしやすいですよね。

―バッグを選ぶ際に、これだけは欠かせないという要素はありますか?

山田:基本的に体に触れる部分に隙間や余裕が生まれるのが苦手なので、持ち手はパンパンになるくらい短めが好みです。華奢なものよりも、何もいれなくても自立するくらい、バッグ自体がドシっとしているというのも好みです。この〈クレドラン〉のリュックもストラップの綿の量が絶妙で肩馴染みが良いですね。生地もコーデュラナイロン特有のざっくりした質感が非常に頼もしいです。

―なるほど。

山田:あと細かい部分なのですが、ストラップがボディカラーと統一されてないリュックって多いですよね。ボディはカラバリを揃えているのにストラップはどれも黒だったり。もったいないと思いますね。そういった意味でもきちんとすべてカモ柄で統一されていて、丁寧にデザインされている感じが伝わってきます。逆に、こうやって素材もカラーも統一している物の方が珍しいかもしれないです。

―ちなみに素材感はいかがでしょう。

山田:高級感がありますよね。コーデュラナイロンの素材感と、ともすればミスマッチな感じもするヌメ革の組み合わせも新鮮。この雰囲気のデザインに合わせる生地となると、ストレートに考えれば光沢感のあるナイロンとか、眼の細かいキャンバス地だとか上品な素材だと思います。でも、そこをあえてコーデュラでカモ柄。そこがまた面白いです。

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―そうですね。

山田:例えば、ファスナーの裏側までパイピング処理してあったり、全面に裏地が貼ってあったり。細部までしっかりデザインしているな、という印象ですね。多くのナイロン製のリュックにありがちなのが、使用して行くうちに内部の防水コーティングが剥がれてきてしまう。特に古着屋で見かけるような年代物のバックパックなんかは、デザインが良くても裏が痛んでいて購入を見送ることも度々。長年使う事を考えても、そういう心配がないのは嬉しいです。

ー見た目だけではなく、機能的なデザインも優れてますよね。

山田:機能面を考えたつもりであちらこちらにジップやポケットといった付属を付ければ付ける程、結局どんどん重量が増して行きます。そうなると逆に機能性が削がれるわけで、バッグのデザインはそこのせめぎ合いが鍵だと思います。デザインと機能性のバランスがすごく良いですね。

―ちなみに春夏、このリュックを持つとすればどんなスタイルで?

山田:初見では、バスクシャツやレペットのバレエシューズだったり、いわゆるヨーロピアンカジュアル的なスタイリングをイメージしました。メンズでこのバッグが似合うのはオーセンティックでクリーンな、アメリカンというよりはヨーロピアンなスタイルでしょうか。女性なら、尖ったヒールを履いたコンサバなOLさんが背負っている姿もすごく可愛いような気もします。外しとしては、面白いのでは。

―軍モノ志向的なカモではなく、あくまで遊びのひとつとしてということでしょうか。

山田:ミリタリーな雰囲気はあまりないですよね。あくまでデザインとしてのカモ柄といった印象です。それと、ヌメ革が使い込むほどに深みを増した色になっていくので、経年変化も楽しめると思います。味の出たこのリュックを背負って〈バブアー〉や〈ベルスタッフ〉みたいなオイルドクロスのジャケットを着こんでバイクにまたがってるなんて絵も想像出来ます。経年変化も楽しめるのは、身につける道具として大きな魅力ですね。

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RUCKSAC ¥25,200
(CLEDRAN TOKYO:03-6438-1935/OSAKA:06-4704-2263/TENJIN IMS 092-791-6661(3月2日オープン))
http://www.cledran.com/mens/

cledranyamapro.jpg Ryota Yamada
山田陵太


2000年、文化服装学院スタイリスト科卒業。その後、ビームスにて販売職を約2年間経験。2004年からは、スタイリストの小沢宏氏に師事し、2007年に独立。現在、多くのファッション誌等で活躍する。
www.yamadaryota.com

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