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ビームスバイヤーに訊く 〈ジプシー&サンズ〉の魅力。

2012.04.17

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いまビームスで爆発的に売れているブランドがあります。その名は〈ジプシー&サンズ〉、アメリカンカジュアルのヴィンテージに見られるこだわり、それらが時を経て描く表情や風合いを再現し、そこにヨーロッパ的な都会的なエッセンスを織り交ぜ、新たなプロダクトを生み出すことに長けたブランドです。そんな〈ジプシー&サンズ〉の魅力をビームスバイヤー久保田氏に語っていただくとともに、スタッフの方々に着こなし提案をしていただきました。

Photo_Yuya Wada
Edit_Ryutaro Yanaka

「これ、売れるでしょ」と。

-ビームスが〈ジプシー&サンズ〉をバイイングし始めて、何シーズン目になるのですか?

ビームスバイヤー久保田雅也氏(以下久保田/敬称略):4シーズン目ですかね。

-ブランドとの出逢いは?

久保田: 結構、特殊なケースで。当時バイヤーの和田が、原宿のギャラリーでやっていた展示会にたまたまか、通りがかりでお邪魔することになって。それで拝見してみたら、価格も手頃ですし、テクニック的な背景もしっかりしていて、「これ、売れるでしょ」と。

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-ということは、招待されての出逢いではないんですね。それでいきなり全国の店舗で展開をスタートするんですよね?

久保田: 最近、ピックアップしているブランドというのは5~6店舗でトライアル的にスタートしてから拡げていくっていうのが正攻法なんですが、〈ジプシー&サンズ〉に関しては全国展開でドーンと。

-おぉ。そこまで売れる自信があったと。

久保田: はい。それで案の定、売れまして。タイミング的にも、全国展開できる大きなブランドを探している時期で、ビームスの根底にあるアメカジをベースにしながら広い層にウケるブランドという枠にピッタリでした。

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-では、〈ジプシー&サンズ〉的には驚きのオーダー数だったんですか?

久保田: 相当オーダーしたので、ぶっちゃけ「そんなオーダー、いきなり作れるかな?」的な不安はあったようです(笑)。ただ、やっぱりモノが良くて価格も手頃というのが凄くて。

-それで、店舗での反応も早かったわけですか?

久保田: 良かったですね。スタッフウケも良くて、スタッフに評判が良いとお客様にも伝わるので、買った僕らもビックリするくらい売れていますね。こんなに売れるブランドって久々で、結構仕入れているのに、ほぼセール前に消化しています。

-価格的な魅力と、時代感に合っているということなんですかね?

久保田: そうですね。クオリティに対する抑えられた価格は大きいと思います。安価な服にありがちな平面的な作りではなくて、服に立体感があるのに価格は抑えられているので、売れるだろうなって。

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[左] インディゴシャツ ¥15,540、シャンブレーアンクルパンツ ¥19,740、
タンクトップ ¥8,190、レーヨンコットンストール ¥9,240
[中] パナマハット ¥24,150、インディゴベスト ¥19,740、リネンインディゴシャツ ¥16,590、
リブステッチタンクトップ ¥4,410、クロップドスウェットパンツ ¥15,540
[右] インディゴセミキャスケットキャップ ¥12,600、ヘリンボーンファームベスト ¥18,690、
7分袖ヘンリーネックT ¥8,190、ヘリンボーンリペアファームパンツ ¥26,040

-印象深かったアイテムはありますか?

久保田: 去年、僕も購入したんですが、カットソー地なのに見た目ネルシャツっていうアイテムがありまして。遠目で見ると完全にネルシャツなんですが、じつは裏毛のカットソー地になっていて伸びるんです。生地としては、そこまで珍しくはないんですが、それをネルシャツに落とし込むというのは初めて見て。こういう感覚があるから響くんだな、とは思いました。

あと、デザイナー加藤さんの服作りに関する知識だったり、引き出しの多さには感心させられます。

-ビームス別注といったお話はあるんですか?

久保田: いままでTシャツのプリントを微妙にアレンジしてもらったことはあるんですが、大々的にはまだ。ただ、次の秋冬にはちょっと仕込んでいます。先日、1stサンプルが上がってきたんですが、イイ感じでしたね。

-それは楽しみですね。

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久保田:やっぱり地場の工場を使われていて、直で工場とやりとりしていらっしゃるから、技術もあって。職人さんも抱えていらっしゃるし、技術に関しても日々成長なさっている印象ですし。

-会社も愛知県にあるとのことで、自分達も撮影用にサンプルのリースをお願いしたら「ビームスにあるので」と返答されまして。そのくらいビームスが買い付けているということなんですよね。

久保田: はい。こういった対応をさせていただいてるのはありがたいですし、自分たち的にも打ち出しやすく、世にも広めていきやすいので。

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-シーズンカタログにも掲載されていますよね。ちなみに今シーズンの推し的には?

久保田: インディゴのシリーズですかね。東京のストリートにおけるトレンド感はそこまでありませんが、物作りをしていらっしゃる方は気にしていると思っていまして。デニムを展開していないデザイナーさんも多いですけど、アメカジをベースにしてるブランドはインディゴを気にされていますよね。それと僕もたまたま同じタイミングで、アフリカのインディゴ染めの古布や、久留米絣(くるめがすり)のインディゴが気になっていて、すごくイイじゃんと。

-9割近く売り切ってしまうとなると全般的に売れているとは思いますが、とくに動きの良いアイテムはありますか?

久保田: ジャカードのシリーズは足早に売れていきますし、カットソー地のジャケットも追加オーダーさせていただいたりしますね。

-エリア的に売れ行きが良い店舗とかはあるのですか?

久保田: ビームスの場合、日本ほとんどにショップがあって、いわゆる売れるブランドって全国まんべんなく売れるんですよ。地方によってタイミングが遅かったりというのもあったりするんですが、〈ジプシー&サンズ〉の場合そういった時差もなく同時多角的に売れているから凄い。

-スタッフウケが良いというのが、結果お客さんに伝わるんですかね?

久保田: 間違いなく、そうだと思います。出張行ったりすると、着用しているスタッフを必ず見かけますし。ビームスというショップにも上手くフィットしてるんだと思いますね。

-今後ますます盛り上がっていきそうですね。今日はありがとうございました。

次のページでは、バイヤー久保田氏が気になるアイテムをセルフスタイリングして、その魅力を伝えます。
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