HOUYHNHNM WEB FLEA MARKET 第三回開催！ - page3 - FASHION FEATURE

「腰に巻いても良し。首に巻いても良し。グリーンの色が可愛かったので購入しました。ブランケットみたいに肩にさげたらかっこいいかもです」

「ビンテージデッドストックのロイヤルネイビー（英国海軍）のダッフルコートです。多少の虫食いはありますが、未使用、デッドストックです。数年前にブランケットライクな極めて重厚感のある生地を研究したく購入しました。直線的なパターンや必要最低限のディテールなど、迫力満点です。

「あれはたしか五年ほど前でしょうか、僕が〈フィルメランジェ〉をディレクションしていた頃、とあるお店から「エコとかリサイクルをテーマに」と、別注の依頼を頂きました。〈フィルメランジェ〉では、リサイクルペーパーの箱や下げ札、下げ札と製品とを繋ぐ糸には、工場で余ってしまって棄てるしかない残糸を束ねた物を使用するなど、「もったいない」の気持ちを大切にしています。そこで、このTシャツにもその精神を反映させようと、〈フィルメランジェ〉の生産過程で出た断ち落としの生地などを集めた再生原料で作りました。もっとも、このTシャツはパッチワーク部分の縫製がとても手間がかかり、工場さんも沢山作れないとの事で、十数枚しか作る事ができませんでしたが。千里の道の第一歩というわけです。未着用品です」

「セレクトショップ「ペーパーチェスト」のバイイングを始めたおよそ２年前、ニューヨークの街で出会って一目惚れしたブランドが〈ガント・ラガー〉でした。名も知れぬ極東のセレクトショップですが、どうしてもこのシーズンからバイイングをしたいと、お店で買ったこのセーターを着て〈ガント・ラガー〉の門を叩いたのでした。今では「ペーパーチェスト」でも屈指の人気ブランドとなり、僕自身も沢山のアイテムを愛用しています。そういえば、意外ですが、このブランドはアメリカ人以外が中心となって企画をしているそうです。言われてみればこのブランドには、日本人の僕らが抱くアメリカへの憧憬に似た物が在る様に思えます。それを聞いて、このブランドに引っかかった理由が解った気がしました。」

「僕と〈アンリー・クイール〉というブランドは繋がるイメージが無いと、編集の方に言われました。確かに、方々でニホンだ、紐育だ、とか言っていますので、そう思われるかもしれませんね。しかし、僕はかつて欧州かぶれのお店で働いていて、海外といえばヨーロッパにしか行った事が無かったのです。このベルトはそんな欧州かぶれの約10年前、ミラノのお店で買った物です。当時はフランスのワークウェアが好きで、ボロボロのワークパンツにこのベルトなんてのがステキでした。しかし、生来の飽きっぽい性分、フレンチワークパンツとともに長年使われる事無く、美U（美ユーズド）の状態でこのたび発見されました。シンプルで良い素材の物は古びないですね」