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FEATURE|Exclusive Vintage Meeting
古着サミット スピンオフ 50周年を迎えるリーバイス®のサードモデルを徹底フォーカス!

第二講 藤原 裕

バランスの良さはデニムジャケット史上断トツだと思う。

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藤原さんにとっての初サードタイプとその印象って?

藤原一番最初に手に入れたデニムジャケットがまさしく「70505 E」でした。高校1年の頃。お昼代を削ってちょっとずつお金を貯めて、地元(高知)の古着屋さんに1ヶ月くらい取り置きしてもらって。今はもうそのモデル自体は手放してしまっていますが、常に1着は手元に置いておきたい。やっぱりリーバイス®の長い歴史のおいても、ロングセラーとして長年継続的に生産された背景には、それなりの理由や人気の高さがあったと思いますし、バランスの良さは中でも断トツだと思いますね。

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557 XX(DEAD STOCK)

藤原僕のひとつめは「557 XX」のデッドストックです。これは自分的に特別過ぎて未だに袖を通せない(笑)。資料的な感覚が強いですね。

阿部まあ、デッドストックだと確かに躊躇しちゃうよね。

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藤原そうなんですよ。ワンウォッシュくらいのXXが出てきたら、それはそれで押さえておきたいと思ってはいるんですが。ただ、今日持ってきた3着はボタン裏の刻印を全部「D」で揃えていて。刻印には「D」以外に「A」と「O」があって、栗くんが持ってきている「557 E」は確か「O」なんですけど(こちらは次のぺージで紹介)、一番少ないのは「A」。この刻印が何を意味しているのかは、まだ調査段階なんですが、おそらくは生産工場を意味していると考えていて、セカンド時代には「17」という刻印があり、それがそのまま「D」に移行したと。

阿部へえ。他にも判別方法ってある?

藤原XX時代の多くはフラップポケットの裏側にライトオンスデニムを採用していて、「557 E」に変遷する頃には共布(ボディと同オンス素材)が使われるようになることが一般的。なんですが、この仕様にもまた異なるものがあり、ライトオンスデニムを使っていないからといって、一概にXXではないと言い切れないのが現状です。

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栗原それもボタン裏の刻印に関係しているってこと?

藤原統計的にはそう言っていいと思います。

今野例えば「O」の工場だったら、XXでも共布を使った個体があるってこと?

藤原そういうことですね。「D」が一般的で「O」と「A」から特殊な個体が出ることが多いと。

今野聞いた話によると、「507」(セカンドタイプ)でも袖にリベットがなく、タグにもXX表記のない個体があるんでしょ?

藤原ありますね。それは僕が知る限り、ある一定の工場で作られているようです。

阿部でも、なんで古い個体はポケット裏をライトオンスにしているんだろう?縫製技術が進歩して共布でも縫えるようになったからなの?

今野おそらく洗濯後の縮みを考慮して共布に改善したんだと思いますね。素材の厚みが違うと同寸で切り出しても、洗いをかけるとどうしても収縮率が違うので変形しちゃうんですよ。

栗原それに革パッチ同様、乾燥機の普及も大きく関係していると思いますね。

阿部なるほどね。

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558 XX

藤原2つめは「558 XX」の ギャラ入り。いわゆる「557 XX」のロングモデルです。今日持ってきた3着の中では、最も球数が少ないんですが、着丈が長く最近のスタイルにも合わせやすいため、人気は根強い。昔は10着に1着ぐらいの確率なんて言われていましたが、現状の体感では正直30着に1着レベルでしか出てこないですね。ただ、唯一残念なのは着丈が長い分、袖丈も長くなってしまうこと。

今野以前、知り合いのショップで教えてもらったんですが、「558」は古着の場合、袖を短くカスタムしているものが多いみたいですね。

栗原確かにファーストやセカンドで袖を直している個体ってあまり見かけないけど、サードは「70505」含め、袖を直している個体を結構見ますね。

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藤原いまはオーバーサイズで着る感覚が主流になっていますけど、やっぱり当時はジャストサイズが基本だったでしょうし、ボディがスリムな分、アームも合わせてシャープにしているってことなんでしょうね。

阿部価格的にもやっぱりロングの方が高いんだよね?

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藤原そうですね。今日持ってきた3着が全て同じ年代のフラッシャー付きデッドストックだったとしたら、「558」だけ30万円超え、続いて「557」が25万円超え、「559」が20万円弱ってのが、今の相場ですかね。

阿部やっぱりブランケット付きって人気ないんだね。

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559 XX

藤原では、この流れで3着目。ブランケットライニングが付いた「559 XX」です。確かにブランケットなしと比べると圧倒的に人気は劣りますし、色の濃いものはまだしも、薄くなってしまうと価格差も大きのが現状です。

栗原他ブランドのようにブランケットの有無で外面に違いがあるならまだしも、外面も「557」と全く一緒じゃないですか? それなら「557」の方がイイって思うのは仕方がない気もしますね。

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今野それにサイズ感的にもブランケット付きの方がやや小さく感じるというか。おそらく外寸というか「557」のボディにそのままブランケットを付けただけなんでしょうね。

栗原確かに今だったら絶対にそんな仕事はしないですよね。しっかり内寸で合わせてブランケットを付けるでしょうし。

今野でも、色落ちだけで考えるとじつはブランケット付きの方がイイ具合に落ちるでしょ。

藤原そうですね。特に肘周辺のハチノス(ハチの巣状に浮かび上がる色落ちの俗称)がきれいに出る傾向があると思います。

阿部個人的にハチノスは苦手なんだよなぁ(笑)

今野僕も阿部くんと同意見(笑)。ジーンズのヒゲはなんとなくわかるんだけど、ジャケットのハチノスはパンツほどは魅力的に映らないかな(笑)

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藤原いやあ、でも店に吊ったとき、やっぱりハチノスがあるだけで全然見栄えが違いますし、デニム好きにはやっぱり引きのあるディテールのひとつだとは思いますよ。

今野ジーンズだと色落ち以外にもヒゲだったり、ヒップポケットのアタリだったり、いろいろな見所があるけど、確かにジャケットだと色落ち以外にあまり見所がないのかもね。

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阿部ところで裕くんが今日着てきたジャケットは何もの? セルフカスタム?

藤原ああ、これはセルフカスタムです。基本的にはプロダクト自体に敬意を払ってカスタムとかしない質ではあるんですが、これに関しては手に入れたタイミングですでにお直しされていたので、どうせ直すならと襟なしにカスタムしたものです。

阿部ベースは「70505」?

今野工賃ってどれくらいかかったの?

藤原ベース自体、じつは3000円とかなり破格で手に入れたんですが、工賃が1万5000円かかって(笑)

一同(笑)

今野3000円までは良かったのにね(笑)

次のぺージでは、栗原道彦氏が所有するリーバイス®のサードモデルをご紹介します。
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