SPECIAL

「フイナム」が様々なブランドやヒトと
コラボレーションしたスペシャルサイトです。

CLOSE

HOUYHNHNM

FEATURE|override meets 4 designers. overrideに新たな息吹をもたらす4人のデザイナーたち。Vol.2

override × 77circa

1004_override_data_or_0345_2_1

森山直樹 / 77circa
2014年に始動した〈77サーカ〉は、古着のリメイクを中心としたラインナップが特徴のブランド。ブランド名にある“サーカ”は「約、およそ」という意味がある。デザイナーである森山直樹氏自身が1977年生まれで、ブランドに関わる人々にその前後に生まれた人が多いことから、このブランド名がつけられた。

古着がもつ“個体差”を楽しんで買い物に高揚感を。

1004_override_data_or_0225_2_2

〈77サーカ〉のアイテムは古着のリメイクが中心になっていますよね?

森山そうですね。でも、古着のリメイクをやりたかったというよりも、アイテムひとつ一つに個体差を出したかったんです。例えば、表地は製品として均一につくることがあるんですが、裏地に古着のスカーフを使ったアイテムがあって。一見するとすべてのアイテムは同じに見えるんですけど、よく見てみると裏地に個性があって、ひとつ一つ違う味わいがあるようにしているんです。

どうして“個体差”にこだわるんですか?

森山お客様に、選んで買えるという、そういった高揚感を持って頂ければと思っています。お店に行って、同じアイテムのなかでも選択肢があると、買い物が楽しくなるかなと。そして、それはお客様だけではなく、商品を売る販売員の方も同様にテンションの上がることであれば良いなと思います。

1004_override_data_or_0010_2_3

森山さんのルーツのひとつには“古着”というキーワードは欠かせないものなんですか?

森山もともと古着は好きですね。逆に言えば、ぼくは服の加工があまり好きじゃないんです。古着であれば、すでに経年変化しているので加工する必要がない。もともと持っている味わい深さがあるし、いくら技術が向上しようとも、そういった“味”は加工で再現できるものではないので。そんな古着の存在感がぼくは好きなんです。

〈77サーカ〉はウィメンズのブランドですが、女性もののデザインをする難しさのようなものを感じることはありますか?

森山美しさというベクトルであれば、ウィメンズのアイテムは女性がデザインしたほうが精度が上がると思うんですが、そもそも〈77サーカ〉のアプローチはそこに向いていません。一応ウィメンズのブランドではあるんですが、デザインのスタートに性別は関係なく、「こうしたらおもしろいんじゃないか」というアイデアがベースになっているんです。

なるほど。

森山サンプルをつくってそのアイデアを具現化させてから、スリットを入れたりシルエットを女性的にしたりしてウィメンズの要素を付け加えて行くというようなつくり方なんです。だから、あまり難しさのようなものは感じていないですね。

1004_override_data_or_0266_2_4

「こうしたらおもしろいんじゃないか」というアイデアはどんなときに湧くんですか?

森山古着を眺めているときが多いです。事務所にリメイクの材料となる古着がたくさんあるので、それを眺めながら「これとこれを組み合わせたらどうなるんだろう?」というような発想ですね。あとは試しにつくってみて、イメージ通りのときもあれば、そうじゃないときもあって。想像とは全然ちがう仕上りになったけど、それはそれでおもしろいものができるときもありますし。ですので、あくまで材料ありき。はじめから設計図を用意するというよりは、ステップを踏みながら考えるという感じでしょうか。

1004_override_data_or_0236_2_5

今回〈オーバーライド〉と一緒につくったアイテムは、どんなものをイメージされたんですか?

森山やはり“個体差”というキーワードを活かしたかったので、面積が広くなるようなアイテムをイメージしました。そこで思いついたのがミリタリーのモッズコートに付属されている取り外しできるフードなんです。とはいえ、販売時期が冬に近いということで、素材にフェイクファーと毛皮を使用して季節感を演出しました。

1004_override_data_or_0314_2_6
1004_override_data_or_0317_2_7

首に当たる部分はフェクファーで、表地はすべて毛皮なんですね。

森山表側は60年代から70年代にかけての婦人用のショールに使われていた毛皮です。ヴィンテージの生地が直接肌に触れるのを避けたいという人もいると思ったので、首まわりはフェイクファーにしました。アイテム一つひとつ表情が異なるのが一番の魅力だと思います。

他にこだわった部分はありますか?

森山ネック部分です。前を留めたときに上品になるようなパターンを引きました。留める位置も配慮して、息苦しくなかったり、留めたときのボリュームが魅力的に見えるように計算しています。実はココ、なかなか理想の形にならず何度か修正をお願いしているので、形になったときはすごくうれしかったですね。あとは留め具もこだわって、アイテムの雰囲気を損なわないようなパーツを選びました。

1004_override_data_or_0325_2_8

帽子という使い方はもちろんですが、マフラーのようにアクセントとして使うのもよさそうですね。

森山正直な話をすると…、企画の段階から被る想定はしていませんでした(笑)。 ですので、アクセントとしてのほうが使い勝手がいいと思います。コートの襟元からスエットパーカのフードを出すように、首の後ろにボリュームを出すようなイメージで使ってもらえればなと。素材的にもいいアクセントになると思うし、保温性もあるのでおすすめですね。

Style of 77circa.

高級感のある毛皮のフードだが、「こう使ってほしいという希望はとくにないです。自由な発想で楽しんでもらえれば、それが本望です」とは森山さん。そんな言葉にあるように、トラッドやハンティング、スポーツなど、さまざまな要素を散りばめたスタイリングを森山さんが組んでくれました。モデルには〈77サーカ〉と交友があるというイラストレーターのとんだ林蘭さんが出演。ジャンルにとらわれない〈77サーカ〉のミックススタイルを見事に着こなしてくれました。

data_or_0049
hynm_77circa_10
data_or_0134
data_or_0217
data_or_0168

森山トレンチコート、ハンティングベスト、ジャージのパンツなど、あえて異なるルーツのアイテムをミックスしたコーディネートです。それだけ色んな要素のアイテムにマッチするアイテムだということが伝わればな、と。ファーの光沢感を活かすように、全体的にマットなアイテムを選んでいるところもポイントでしょうか。

ミリタリーに女性的解釈を加えた逸品。

data_or_0362

override × 77circa FUR HOOD MUFFLER ¥26,000+TAX

60年代~70年代にかけて生産されたファーのショールを解体してつくられたフード。もともとはミリタリーのモッズコートに付属される、取り外し可能なフードをイメージ。保温性の高いファーで仕立てることで、女性的なアイテムへと進化させている。フードとして使用するのはもちろんだが、首まわりのアクセントとしてマフラーのような使い方をするのがおすすめ。

クリハラ プレスルーム
電話:03−3499−3047
overridehat.com
override-online.com

    • このエントリーをはてなブックマークに追加

Page Top