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FEATURE| 内と外が語るブランクというキャラクター。 Vol.2 バイヤー 柴田力嘉

内と外が語るブランクというキャラクター。 Vol.2 バイヤー 柴田力嘉

内と外が語るブランクというキャラクター。 Vol.2 バイヤー 柴田力嘉

2017年・春にデビューを飾ったばかりの東京発のニューカマー〈ブランク(BLANCK)〉。バッグブランドでありながら、アパレルアイテムも同時に提案するという従来にはない新たなスタンスを打ち出し、早くもブレイクが期待される注目株だ。ディレクターへの取材を通して “ 内 ” からその実態を解き明かした前回に続き、Vol.2ではファーストシーズンより〈ブランク〉をイチ押しする阪急メンズバイヤーにインタビュー。 “ 外側 ” が受け取るその魅力とは?

  • Photo_Shunsuke Shiga
  • Text_Naoyuki Ikura
  • Edit_Shinri Kobayashi
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柴田力嘉 / 阪急メンズ東京「サードスタイル」バイヤー

1990年生まれ。2013年(株)阪急阪神百貨店に入社。阪急メンズ大阪での販売員を経て、阪急メンズ東京のアシスタントバイヤーに。'17年春より〈ブランク〉をはじめとする国内外の人気ブランドを取り扱うセレクトフロア「サードスタイル」のバイヤーに就任。

阪急メンズ独自の価値観に沿う本当によいモノ。

ーまずは〈ブランク〉を取り扱っている「サードスタイル」とは、どういった売り場になるのでしょうか?

柴田:昔ながらの、と言いますか、いわゆる一般的な百貨店の形態は、ブランドに出店していただき、それぞれの売り場を区切って販売するメーカー直営のフロアというのが基本です。なので、店頭に立つ販売員もブランド側のスタッフになります。一方、阪急メンズ東京内にある「サードスタイル」はセレクトショップに近い。根底に編集的な考え方があり、私たち百貨店のバイヤーがアイテムを買い付け、多種多様なブランドをひとつのスペースに集約して取り扱っているのが特徴です。主なブランドとしてはイタリアのクラシック、またコンテンポラリーテイストが中心になっています。

ー複数のブランドがスペースを共有する、いわゆる“平場”と呼ばれるフロアとは、また違うのですか?

柴田:平場は、先ほど挙げた直営スタイルのフロアをさらに細かく区切り、コーナーごとに展開している売り場になります。そこにはブランド側のスタッフが一人立っていて、商品も百貨店が買い取るケースは少なく、ほとんどは委託です。なので、基本的に我々が在庫を抱えるリスクはありません。対して「サードスタイル」は、バイヤーがブランドの展示会をチェックし、自分たちのコンセプトや商品構成にマッチするアイテムをピックアップし、買い取って販売しています。

ー在庫を持つリスクを取ってでも、セレクトフロアを展開する狙いは?

柴田:ほかの百貨店との差別化を図り、独自性を打ち出したいというのが第一です。やはりメーカー直営のフロアばかりでは、どこの百貨店も同質化します。そこから抜け出すには、自ら在庫を持つというリスクを負ってでも、阪急メンズならではの品揃え、接客も含めて個性を生み出し、提案していく必要がある。それが理由のひとつです。

また最近のお客様はインターネットや雑誌などから多くの情報を得て、知識もあり、目が肥えています。そこに応えるには、より知識豊富なバイヤーが確たる価値観のもとに商品一つひとつに対して愛情をもって選び、その想いを冷まさぬよう販売員がお届けすることが大切になる。メディアでPRしたり、SNSで発信して存在感を示すことも当然ですが、ファッションを取り扱う上ではアイテムへの情熱や現場である売り場こそが基本であり、最も重要だと考えています。

スタイル、世代、シーンを横断する姿勢に共鳴。

ー「サードスタイル」には国内外の人気ブランドが並んでいます。ターゲットや価格帯も含め、この売り場にフィットするブランドはいろいろあると思いますが、なかでもデビューシーズンから〈ブランク〉を取り扱った経緯を教えてください。

柴田:〈ブランク〉の特徴のひとつは、バッグをメインに、アパレルも同時に提案しているところ。ただ、ディレクターの大谷さんはアパレルデザイナーとしてキャリアを積んできた方です。「サードスタイル」はバッグ売り場ではないので、そうした洋服作りをバックボーンとするデザインに新鮮味と魅力を感じました。なので、我々はバッグブランドというより、ファッションブランドとして捉えています。また洋服を目的とする来店者が手に取るバッグとして、価格帯がこなれているのもポイントになりました。それでいてクオリティが高く、しっかりと背景もあり、納得してご購入いただけると確信しましたね。

さらにブランドが掲げている“ストリート、モード、ビジネススタイルを行き来する”というコンセプトも決め手に。「サードスタイル」もその名のとおり、“オンでもオフでもない第3のスタイル”、裏を返せばオンでもありオフでもあり、いろいろなシーンを行き来するというコンセプトを持っています。そう、双方の理念が見事なまでに合致しているんです。

実際のラインナップも、デニムなのに色落ちしにくい染色を使って品良く作り込まれていたり、カジュアルなのに大人っぽくキチンと見えるといった具合に、しっかりとコンセプトが具現化されている。これを売り場で提案したら面白いと考え、またバイヤーとしてはもちろん、私個人としてもそそられました。

ー去る8月には、阪急メンズ大阪&東京でポップアップツアーが開催されました。デビューから間もないブランドをフィーチャーしたの理由は、なぜですか?

柴田:現状の「サードスタイル」は、イタリアのクラシックアイテムが中心なのですが、これからは次世代型のコンテンポラリーなモノもプッシュしていきたい。それを象徴するブランドを打ち出したいと考え、〈ブランク〉のポップアップを企画しました。

ーポップアップを開催して、お客様のリアクションはいかがでしたか?

柴田:先ほども挙げたような、デニムなのに凛とした印象だとか、ラフすぎず堅すぎずのちょうどいいバランスだとか、こちらが説明せずとも商品を手に自ら感じ取られているお客様が多かったですね。そういった反応を受け、ブランド側の考えや我々がバイイングした意思が、モノから着実に伝わっているのだと実感できました。

スタートして2シーズンの若いブランドなので、正直、認知度はまだまだ。それでも関心を示してくれる方が多く、なかには一度さらっとチェックだけして別のフロアに移動されたのに、わざわざ戻って来られて購入された方も。そうした現場を目の当たりにし、強い手応えを感じました。これからグングン伸びていく存在になりそうです。

ーとくに評判のよかったアイテムはありますか?

柴田:やはり看板商品であるデニム素材のバッグは好評でした。また今季の新作となるコーデュロイのセットアップも試着される方が多かったですね。実際に袖を通すとストレッチが効いていたり、腕の可動域が確保されていたりと、着心地のよさに感動されていました。また30代を中心に、20代から60代まで幅広い購買層も特徴でしたね。着用シーンだけでなく、世代も限定しない懐の深さを実感しました。

ー「サードスタイル」のイチ押しアイテムを教えてください。

柴田:〈ブランク〉のキーマテリアルであるデニム素材のコレクションは言うまでもなく、コーデュロイのコレクションも負けず劣らず素晴らしい仕上がりなので、この2シリーズが両巨頭です。また個人的に気に入っているのは、今日も着ているコーデュロイのワークジャケット。仕立てのよさや良好な着心地を実感できるので、ぜひ店頭で試着していただきたいですね。

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