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FEATUREA|Xアルマーニ エクスチェンジのTシャツがつなぐ日常とアート。

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A|Xアルマーニ エクスチェンジのTシャツがつなぐ日常とアート。

クローゼットは、都会でセンスよく過ごす若者たちのバックボーンと言うべき場所。〈A|Xアルマーニ エクスチェンジ〉は、いつだってそこにあった。その服は実用的で、洗練されていて、フレッシュだ。ほら、最近ショップに並んだTシャツを手に取れば一目瞭然じゃないか。そこにプリントされたのは世界各国の若き才能が手がけたアートワーク。洒落者たちの日常を心地よく刺激するこの試みについて、参加アーティストのひとり、アレ・ジョルジーニが教えてくれた。

  • Photo_Hiroyuki Takashima
  • Text_Rui Konno
  • Edit_Ryo Muramatsu

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きっと自分の選択が正しかったから、こうして東京に来れた。

日本の〈A|Xアルマーニ エクスチェンジ〉のファンにはまだあなたのことをよく知らない人もいると思うから、改めて自己紹介をお願いできるかな?

アレ・ジョルジーニ(以下アレ)はじめまして、アレです。本名は “アレッサンドロ” なんですけど、怒った母くらいしかそう呼ばなくて(笑)、普段はみんなから “アレ” と呼ばれてる。職業はイラストレーターです。

ありがとう。今の仕事は長いの?

アレいつからかと言えば、生まれたときからという感じなんだけど、本当に仕事として始めたのは15年前から。もともとは宣伝・広告に関わる仕事をしていて、グラフィックデザイナーと、その後アートディレクターをやりました。なぜイラストレーターを始めたかというと、中学三年生の時に美術の先生にすごく悪い成績をつけられて、親に見せる通知表に「絶対アートはやらせるな」と書かれたから(笑)。それでも絶対にアートをやりたい! と思って、現在に至ります。

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反骨精神からだったんだ? 今のアレの朗らかさからすると少し意外だね。

アレ本当に自分にはアートができないのか、それを証明したかったんです。

なるほど。そんな少年が大人になって、〈A|Xアルマーニ エクスチェンジ〉っていうグローバルなブランドからオファーを受けたワケだけど、その率直な感想は?

アレ一番最初にメールをもらった時は迷惑メールだと思いました(笑)。〈アルマーニ〉はとてもエレガントで、白や黒が基調のミニマルなイメージがあったから、どんなプロジェクトになるのか、最初は分からなかった。でもその後やりとりをして、企画の趣旨を聞いて、素直に嬉しかったです。イラストレーターとして仕事をしていると、例えば絵本や雑誌なんかに絵を描くことが多いんだけど、今回はTシャツ。人が実際に使うものにイラストを描けるということがとても嬉しかったです。

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今回アレが描き下ろしてくれたのはポップな顔のグラフィックだけど、これはどういう意図があったの?

アレこのTシャツ自体にタイトルはないんだけれど、自分の中で勝手に付けたタイトルが “スマイルスターター”。実際にTシャツを選ぶとき、それって自分を象徴するだけじゃなくて、見ている人にも何かしらのメッセージを与えていると思うんです。だから朝……例えば北イタリアだと、朝はすごく忙しくてみんなあまり笑顔にはなれない。だけど、このTシャツを着た人や、それを見た人が笑顔になってくれるんじゃないかな、っていう気持ちを込めて。

そういう作り手の想いが伝わったら素敵だよね。〈A|Xアルマーニ エクスチェンジ〉に限らず、アートとファッションの距離が近年縮まっている気がするんだけど、アレはどう思う?

アレ僕もそう感じてる。でも実際、元々アートとファッションは近づくべきもので、時間の問題だったんじゃないかな? 今はスマホやウェブを使えば色んなアーティストやモノを知ることができるからアートが身近になって、みんなが多くの知識を持つようになってきています。だから、Tシャツにただのロゴや従来のようなグラフィックを載せるだけじゃなくて、もっとコンセプチュアルなものを描けるようになったっていう意味ではとても良いことだと思っています。

だからこそ自分が選んでもらえて、本当に感動しました。人生に一度しかない素晴らしいチャンスだろうな、って。本当に光栄だし嬉しいよ。だけど、このコラボはゴールじゃなく出発点。こういうチャレンジはこれからも機会があればやっていきたいです。

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Tシャツの発売日には来日して新宿の旗艦店でライブドローイングもやってくれたけど、使う画材はアクリルが多いの?

アレ今回は自由なパフォーマンスだったから、スケッチも特にせず、アクリルでそのまま描いたけど、2年くらい前までは相手が何を描いてほしいか聞いてから鉛筆でスケッチを描いて、その後デジタル化してました。今はiPad Proでスケッチを描いて、そのままデジタルで作ってる。だから今は自分の机に鉛筆が一本もない状態(笑)。海外にもよく行くから、その方が便利なんです。

すごく多彩な絵を描くけど、自分の創作のインスピレーション源として一番大きいものは?

アレ僕にインスピレーションっていうものは存在しないんじゃないかな。なぜかというと、僕は20年間イラストレーターとして、プロフェッショナルとして仕事をしているけど、その間常に何かしらの刺激があって、描くアイデアを持っているようにするのが普通だと思うんです。何かを依頼されてからインスピレーションを待つんじゃなくて、常にアイデアを出せるように、すぐに描けるような状態であるのがプロだと思う。

ただ、刺激っていうものは確かにあって、自分にとってそれが何かというと小さい頃、8歳くらいまでに見たものすべて。今だに自分の一番の刺激になってるような気がします。漫画もそのひとつで、イタリアの漫画家で『ザ・フリントストーンズ』っていう作品を描いていたハンナ・ベルベーラっていう人なんかもそうです。僕は小さな村に生まれたんだけど、家の下に小さな図書館があったから、小さなときから図書館に行っては絵本やいろんなイラストを見ていて、それが今でも自分の財産になっています。小さい頃に観た、特に60年代から70年代のイラストが。

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そこがアレのルーツだったんだね。今のアレの活動は今回みたいに華々しいものも多いけど、アーティストとして生きてきて、つらいことはあった?

アレたくさんありますよ(笑)。まず、イタリアではイラストレーターという仕事自体があんまり認識されていなくて。〈アルマーニ〉や〈ヴァレンティノ〉とか、有名なデザイナーは生まれてるけど。職を尋ねられて「イラストレーターだよ」と答えても、「それは土日にやってるんだよね?」って言われちゃう。ちゃんと仕事としてやってるっていうのを説明しないとわかってくれない。僕がいただく仕事の多くが海外のものなのも、それが理由のひとつなんです。

日本から見るとイタリアは芸術全般に理解が深い国だから、それはちょっと意外だね。

アレそれ以外にもしんどい状況は色々あったんだけど、1番最初はやっぱり中学三年生のときの先生からの「向いていない」という言葉かな。でも、今こうしてアーティストとして東京に来れてるっていうことは、自分の選択が正しかったっていうことだと思います。あ、でも僕の母は今80歳なんだけど、まだ僕がどんな仕事をしているかわかってないんですよね(笑)。

“アーティストとして東京に呼ばれた” ってお母さんに伝えてね(笑)。アレは今回が初来日だそうだけど、来る前の東京のイメージと来てからの感想は?

アレ日本へ来る前に心配していたのはやっぱりコミュニケーションのこと。でも実際来てみて、昨日もひとりで外を歩いてみたけれど何も問題なかったのでよかったよ。さっきパートナーと電話をしてたんだけど、「日本に恋しちゃうんじゃない?」とかって言われるくらい(笑)。実際、建築だったり展示会だったり、自分が好きそうなものがたくさんあるのでとても嬉しいんだけど、それ以上に好きなのは人。日本のみんなのおもてなしの仕方とか、心穏やかな感じが素晴らしくて、とても気に入ってます。あと、台風が来るって聞いてて、僕は初めての経験だからちょっとワクワクしてるかな(笑)。

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Ale Giorgini
イタリア生まれ、現在はヴィチェンツァを拠点に活動を続けるイラストレーター。ポップな色使いや幾何学的な構図を多用したイラストレーションが衆目を集め、現在は世界中の本や雑誌、広告などでその作品を目にすることができる。そのクライアントは〈ジープ〉や〈プーマ〉、〈ディズニーエンターテインメント〉や〈ソニー ピクチャーズ〉など、日本でも親しみ深いものが多数を連ねている。
www.alegiorgini.com

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ジョルジオ・アルマーニ自身が選定した気鋭作家たちによるグラフィックTシャツのコレクション「#st_ART」。参加しているのはアレをはじめ、世界中から集った7組のアーティスト。〈A|Xアルマーニ エクスチェンジ〉のブランドコンセプトに沿って制作したアートワークはどれも強い個性を放っていて、Tシャツを通してそれがデイリーに楽しめる。国内では、4つの直営店のみでの展開。各¥7,000+TAX

ジョルジオ アルマーニ ジャパン
電話:03-6274-7070
www.armaniexchange.jp

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