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ポーランド出身のデザイナーによる、プーマの新解釈。

PUMA × UEG

ポーランド出身のデザイナーによる、プーマの新解釈。

近年、様々なブランドと積極的にコラボレーションを行い、ファッションシーンでのプレゼンスをますます高めつつある〈プーマ〉。今シーズンはポーランド・ワルシャワ発のブランド〈UEG〉との初のコラボレーションコレクションを発表しました。ただ、〈UEG〉というブランド自体、初めて聞いたという人も少なくないはず。そこで、同ブランドのデザイナーのミハウ・ウォイェフスキに、今回のコラボレーションの概要や自身のバックボーンについて聞いてみました。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Issey Enomoto
  • Edit_Jun Nakada
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ミハウ・ウォイェフスキ(Michal Lojewski)

1974年生まれ。幼少期を東京で過ごした後、母国のポーランドに帰国。ワルシャワ芸術大学グラフィックアート学部を卒業後、2004年に〈UEG〉をスタート。

UEG(ユーイージー)
2004年、ミハウ・ウォイェフスキのアートプロジェクトとしてスタート。2012年、アートとストリートをミックスしたファッションブランドとして再スタート。ブランド名の〈UEG〉はイタリア語の「USE E GETTA(使用して破棄する)」の頭文字に由来し、現代の消費社会をシニカルに表現している。

哲学的なアプローチで、コンセプトを深く突き詰める。

—今回のコラボレーションがスタートしたきっかけを教えてください。

僕の友人のカヤが、〈プーマ セレクト(※プーマのコラボレーションライン)〉のディレクターであるヤシーンと香港で偶然知り合ったのがもともとのきっかけですね。それでヤシーンが〈UEG〉に興味を持ってくれて、僕に電話をくれたんです。その一週間後、(プーマの本社がある)ドイツのヘルツォーゲンアウラッハから、私が住むポーランドのワルシャワまで飛んできてくれて。お互いのことをいろいろと話しているなかで、ぜひ何か一緒にやろうということになり、今回のコラボレーションに至りました。2015年1月のことです。

—コレクションのテーマとして掲げている「GRAVITY RESISTANCE(重力への抵抗)」について詳しく教えてもらえますか?

最初のミーティングで〈プーマ〉のヤシーンから提示されたキーワードは、“バスケットボール”というシンプルなものでした。そこから離れることなく、自分らしさを加味しながら、コレクションのコンセプトをどうやって突き詰めていくか? コンセプトを深いところまで突き詰めるというのは〈UEG〉でも常に行っていることで、今回のコラボレーションに関しても同様でした。

今回は、バスケットボールというスポーツに秘められているものを深く突き詰めていく過程において、より哲学的なアプローチを試みました。バスケットボールというのは、人が宙に浮いて行うスポーツですよね。人々は限界に挑戦し、高さを追求しながら、重力に抗って戦う。そこで、“限界を超える”というキーワードが浮かんできて、そこから“宇宙服”や“宇宙船”といったキーワードにつながり、今回のコンセプトである「GRAVITY RESISTANCE」に行き着きました。

ソールは“自分にとってパーフェクトな厚さ”を追求。

—今回のコレクションにおいてキーになるアイテムはどれですか? また、それについて詳しく教えてください。

特に重要な意味を持つのはフットウェアです。ソールは今回のコレクションのために特別につくったもので、厚さに徹底的にこだわっています。〈プーマ〉の一般的なシューズに比べてすこし厚めになっているのですが、自分にとってはこれがパーフェクトな厚さなんです。

フットウェアのなかで個人的に気に入っているのは「スカイハイ」をベースにしたブーツタイプです。4、5年ほど前に日本に来たときに買った「スカイハイ」がすごく気に入っていたので、それをモチーフにしながら、ベルクロを用いたり、随所にリフレクター素材やシンセティックレザーを使ったりしながら、〈UEG〉らしいアレンジを加えました。

タイポグラフィーに込められた意味とは?

—フットウェアにもアパレルにも、ところどころにタイポグラフィーがあしらわれていますよね。

私はもともとグラフィックデザイナーで、タイポグラフィーは〈UEG〉でもよく使っている手法です。すべてのタイポグラフィーには意味があります。宇宙空間では音が聞こえないため、文字が重要な伝達手段になります。今回のコレクションでは、コラボレーションに関する注意書きや、骨、筋肉、血といった人間の“原材料”、そして人間の身体的パフォーマンスの限界値などをタイポグラフィーで表現しています。

—フットウェアのフォームストライプが熱圧着処理されていたり、ウェアには止水ジップが用いられていたりと、ディテールにもこだわりが垣間見えます。

そうですね。デザインだけでなく、都市生活を快適に過ごすための機能性にもこだわってデザインしました。

“色を使わないという自由”もある。

—コレクションはすべて白と黒のモノトーンの世界ですが、そのようにしたのはなぜでしょうか?

私は、ファッションとはアイデアをコミュニケートする媒体であると捉えています。誰かにアイデアを伝えるために、色は絶対に必要でしょうか? 私は必ずしも必要でないと考えています。色の組み合わせは自由です。選択肢は無限にあります。しかし、“色を使わないという自由”もあるのです。

話はすこし逸れますが、私は企業のブランディングの仕事もしています。ブランディングにおいて、色は非常に強いメッセージ性があります。ゆえに、もし使う場合は慎重にならなければなりません。

—〈プーマ〉はスポーツブランドであり、スニーカーブランドであり、ファッションブランドでもあり……そんな多面性を持ったブランドですが、ミハウさんにとって〈プーマ〉はどのようなイメージのブランドですか?

おっしゃるように、もともとプーマはスポーツブランドですが、ストリートに根差している部分も少なからずあると思います。特に近年はファッションのほうへ向かっている印象が強いです。

—今回初めて〈プーマ〉とコラボレーションを行ってみて、手応えはいかがですか?

特に制限もなく自由にデザインさせてもらえて、非常に満足しています。また、〈プーマ〉のようなスポーツブランドとコラボレーションしてよかったのは、スポーツの世界で培われた最新のテクノロジーの素材を使えたこと。それは自分のブランドではできないことですから。特にフットウェアの履き心地は素晴らしいと思うので、ぜひ日本のファンのみなさんにも楽しんでもらいたいですね。

Court Play Slip On × UEG ¥18,000+tax

Court Play Boot x UEG ¥27,000+tax

2016AW COLLECTION LOOK VISUAL

プーマ お客様サービス
電話:0120-125-150
www.puma.com
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