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FEATURE|花束を届けるように。Yogee New Waves角舘健悟が考える音楽のこと。

花束を届けるように。Yogee New Waves角舘健悟が考える音楽のこと。

花束を届けるように。Yogee New Waves角舘健悟が考える音楽のこと。

2017年は、ヨギーニューウェーブス躍進の一年でした。アルバム『WAVES』の発売を皮切りに、映画の主題歌やヘリーハンセンとのコラボレーション、そして田島貴男や曽我部恵一との共演。ビームスのビジュアルにも登場しました。音楽の大きな力を探し求め、そして音楽を誰よりも純粋に楽しむ角舘健悟は、今どんな景色を見ているのでしょう。3月14日にリリースされる『SPRING CAVE ep.』に込められた現在の思いを、石田真澄の写真とともに真空パックして、ここに記します。

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角舘健悟(カクダテケンゴ)

2013年に活動開始したバンド・Yogee New Wavesのギター・ヴォーカル。1991年東京生まれ。

のどごしがいいのに本質を捉えている音楽。そういうところにもっと近づけたらなって。

ーこの一年間、さまざまなことがあったと思います。いま率直に、どんなことを感じ、考えていますか?

角舘:自分の中に二つ心があるとして、一つはシンプルに「やってやるぞ」という気持ち。もう一つは、自分がこれまで作ってきた礎を壊すべきなのか、それとももう少し楽しむべきなのか揺れているということかな。ヨギーを4年やってきて、自分のクセがわかってきたけど、ニューウェーブスって名乗るくらいだから、世の中の「クセ」を壊していきたいという思いがあって…考えているところですね。

ー自分の「型」ができてきたということ?

角舘:そうかもしれないです。もっと四苦八苦したいし、効率性を排除して、ドロドロとした部分と向き合っていたいって思っているんです。俺はM気質なので、自分をいじめてしまう(笑)。

ー音楽としてはまっすぐだけど、聴き込んでいくと深みを見出せる。そういう部分にその性質が出ているのかもしれません。

角舘:そうですね。一般的に芸術作品って、すっとんきょうだったり、難解なものだって捉えられているけれど、世の中で広く愛されている音楽は作者のドロドロとした領域を通過してきて世の中に出てきているものが多いと思っていて。これまでは気付けなかったことですけど。

ー曽我部恵一さん、田島貴男さんをはじめ、さまざまなアーティストとの出会いも影響しているのでは。

角舘:3年前の自分は曽我部さん、田島さんと向き合って話はできなかったと思います。作品を作るのは人間だから、人間がどういう思考をして、どう成長しているかってところが全て反映されると思っていて。まだまだだけど、ちょっとずつ成長できていて、彼らと同じ感覚を共有して、共通言語を持つことができた。のどごしがいいのに、本質を捉えている音楽。そういうところにもっと近づけたらなって。

ー広く聴かれている音楽の作り手同士だからこそ共有できることがあるのかもしれません。

角舘:それも絶対にあると思います。けど、例えば、音楽と関わっていない人と話すことができないか、仲良くできないか?というとそんなことはなくて。 根本のところで通じ合えるかどうかが一番大事ですね。最低限、人を愛する気持ちがあれば、俺は友達になれると思っています。

ーその分け隔てのなさは、角舘さんの魅力の一つですね。

角舘:魂で会話ができればそれでOKという感覚なんです。俺の友達はそれぞれ別の言葉でそれを語っているんだろうけど。

ひとりでいるときと、みんなといるとき、どっちも好きだし、どっちの自分も大事にしたほうがいい。生きている限り続くことだから。

ードラムの粕谷さんは以前「健悟はいっつもふざけてるのに、なんでこんなロマンチックな歌詞が書けるんだ!意味がわからない!」って話していました。

角舘:あはは(笑)。

ー自分の中で、役割分担をしている感覚はありますか?

角舘:それは、最近わからなくなってきているかもしれないです。わからなくていいって思うし。この間一人でロンドンに行って、一人で知らない街をぶらぶらして、知らない人に親切にされることの喜びを感じたりして、自分と向き合う時間も必要だと思いました。一人でいるときと、みんなといるとき、どっちも好きだし、どっちの自分も大事にしたほうがいいよね。生きている限り続くことだから。乖離する人が多いけど、どっちも必要で、分けて考えなくてもいいのかも。

ー表現者として人の前に立つことと、普段通り生活すること、感覚がずいぶん違うのでは?

角舘:自分がどういう人間かしっかりと掴んでおけば、どんなに人に褒められようが、どんなに人にけなされようが、自分の軸はぶれないと思います。性格の体幹を鍛えましょう!みたいな。まだ自分自身グラグラだけど。

ーなるほど。

角舘:好きなものをちゃんと咀嚼するとか、嫌いなものがなぜ嫌いなのか考える作業が必要だなと。理屈なく嫌い!ってのもある意味で気持ちがいいことだけど、一回立ち返って、なぜ嫌いなのか、ああおれはこの味が嫌いなんだなーって知るほうがいい。

ー今年で27歳ですね。

角舘:そうです。大人になってきました。でも、実際の年齢より精神年齢のほうが重要。

ー自分が通り過ぎてきた過去の感情、景色、においを自分のなかにきちんとしまっておいて、適切に取り出すということが表現者には必要だという話を聞いたことがあります。

角舘:ああ、いいですね。俺は口ずさめる音楽が最高だと思ってて。ちゃんと思い出せるんですよね、そのときの現象を。記憶っていう曖昧なものを口ずさみながら思い出せるっていうのは音楽の特筆すべき点です。

ーそうですね。作者の意図を超えて人に影響を与えることもあります。

角舘:ひとつの芸術作品を見ても感覚は十人十色じゃないですか。それと同じように、俺は常に一人の観客として自分たちの音楽を楽しんでいる感覚があります。この曲に内包されている感情はこれだ!って自分の考えがあるんだけど、違う人がそれを聴いたら全く違うものがそこに入り込む。観客も俺も、同じ目線で音楽を楽しめたらいいと思います。人類皆兄妹的な気持ちかな。

人の体験や記憶に寄り添えるのが音楽の素晴らしいところで、ポップ・ミュージックと呼ばれるものの本質だということ。

ー人がみんな楽しそうに踊っている様子ってハッピーですよね。

角舘:そう。もう最高。人と人が、お互いによくなっていくだけ。

ーヨギーに関してはその規模がどんどん大きくなってきていると思いますが、どう感じますか?

角舘:自分は、もっといろんな人に聴いてもらって、もうちょっと人の心に入っていかなくちゃな、と思っています。そこに関しては意識改革がありました。

ー詳しく教えてください。

角舘:まっすぐ伝えたいのは、人の体験や記憶に寄り添えるのが音楽の素晴らしいところで、ポップ・ミュージックと呼ばれるものの本質だということ。噂みたいに口ずさんだり、友達と遊んでいる時にiPhoneで流したり、そうやって日常の中でどんどん広がっていく音楽がいいと思っていて。音楽の喜びが溢れたら素晴らしい世界になると信じているし、今回作った曲は、それを歌っています。

ーああ、なるほど。

角舘:人を愛して、人から愛されること。求めて、求められること。そういうことを忘れちゃいけない。決して多くはないけれど、そういう瞬間を今まで経験してきて、感動しては曲を書いてってのを繰り返してきて。人が良くなっていくこととか、人が幸せになるっていうことの素晴らしさはそこに存在していると思いました。

ー音楽を通してアーティストと受け手は、会話したり触れ合ったりするよりも深く関わり合えることがありますね。

角舘:そう、最高ですよね。最近、やっとEDMもいいなと思えるようになって。みんなが楽しそうに踊っている空間って、本当にいいなって。

ー以前のインタビューでは、クラブ行って踊るってよくわかんないって話していた気がするけど、変化があったんですね。

角舘:言いましたね。KEITA SANOっていう岡山のトラックメーカーがいて、すごくセクシーなトラックを流すんですよね。それをみんなじっと見守ってて、全員ニコニコしてて。音楽の真骨頂ですよね。報われない人が報われる瞬間、気持ちが内向きだった人が外に向いていく瞬間、人が新しい思いを手にしている瞬間って、俺は本当に美しいなって思います。

ーBluemin’ daysの「花束をあげよう」というフレーズとリンクしますね。

角舘:「花束をあげよう」っていう歌詞、この一説が全てだと思ってます。そういう気持ちが生まれる瞬間の美しさは春の陽気に似てるというか。

ーアルバムに込めた思いをもう少し教えてください。

角舘:『Bluemin’ days』がいい曲になったのが本当に嬉しくて。テーマがいかに素晴らしくても、楽曲として良くないとしかたない。あとはもう、聴いてくれた人の傍に寄り添ってくれるだけでいいと思ってます。いっておいで。さあ旅立ちなさいって。

ー母のように。

角舘:そう、母のように。

ー今年はいろいろなところでこの曲が聴けると思うのですが、決まっているライブやツアーはありますか?

角舘:『Bluemin’ days』のツアーをやります。新木場コーストでのワンマンも。規模としては今までで一番大きいかな。

ーさらなる飛躍の年になりそうですね。

角舘:メジャーに入ったことで俺たちに大きな変化はないけれど、やっぱりたくさんの人に届けられるのは嬉しいです。あと、ビクターに松田がいたってのは本当に大きい。

ー松田さんてもしかして…。

角舘:最初のアルバム『PARAISO』のときのギターです。元メンバーですよ。

ーそうなんですね!それは驚きました!

松田:ビクターでヨギーの担当としてディレクターをやらせてもらってるんですよ。なんていうか…人生って楽しいですね。

角舘:そうなんだよ。人生って本当に楽しいよね。

Yogee New Waves 3rd e.p. 「SPRING CAVE e.p.」
発売日:3月14日(水)
初回限定盤:CD+DVD(2DISCS) ¥2,300+TAX 品番 VIZL-1315
通常盤:CD ¥1,500+TAX 品番 VICL-64929
CD
1. intro
2. Bluemin’ Days
3. Boyish
4. PRISM HEART
5. Summer of Love(Sinking time ver. )
6. Ride on Wave [Sweet William Remix]
DVD
Documentary「YOG of Bros.」
World is Mine (Music Video)
SAYONARAMATA(Music Video)
HOW DO YOU FEEL? (Music Video)
Bluemin’ Days TOUR 2018
3月21日(水) 台北
3月22日(木) 高雄
3月23日(金) 香港
3月25日(日) バンコク
3月30日(金) 札幌 ペニーレイン 24
4月01日(日) 仙台Darwin
4月07日(金) 福岡 BEAT STATION
4月08日(土) 岡山 YEBISU YA PRO
4月12日(木) 大阪 BIG CAT
4月14日(土) 名古屋 ダイアモンドホール
4月20日(金) 東京 新木場 COAST
4月30日(月) 沖縄 output
Information
yogeenewwaves.tokyo
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