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サウナ熱はどこまでいく? サウナ好きが集う祭典「日本サウナ祭り2018」に行ってきた。

サウナ熱はどこまでいく? サウナ好きが集う祭典「日本サウナ祭り2018」に行ってきた。

2018年3月3日、4日の週末2日間。長野県小淵沢町にあるフィンランドヴィレッジで行われた「第3回日本サウナ祭り」というものを知ってますか? 応募開始数分で定員200名に対して予想を遥かに上回る申込み数に到達。急遽受付を締め切ったほど、いまサウナがブームなんです。これまでにも「TentSaunaParty(TSP)」とテントサウナに入ったり、恵比寿の「ドシー」をレポートしたり。雑誌版『HOUYHNHNM Unplugged』ではサウナ大使のタナカカツキさんと横浜スカイスパのアウフグースを体験。サウナの魅力を伝えるべく様々な記事を発信してきたフイナム編集部も開始と同時に申し込み、無事にチケットをゲット。サウナ大好きだけど参加できなかった!という方はもちろん、サウナには興味がないけどアウトドアは好き。そんな方に向けて当日の模様をお伝えします。

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2015年3月7日(サウナの日)に、フィンランドサウナクラブ(FSC)メンバーとその関係者だけが参加する小規模イベントとしてスタートした「日本サウナ祭り」。2017年より一般参加も募り、広くサウナファンの知るところとなりました。そうして迎えたのが今年の「第3回日本サウナ祭り」です。




あらためてサウナの魅力は何かと問われれば、急激な温冷をカラダに加えることで得られる100%ナチュラルなトリップ感。「水風呂って何のためにあるの?」「サウナって熱い空間でガマンするだけでしょ」という固定観念を覆し、水風呂の魅力を啓蒙、多くのサウナ―を生み出すに至ったのがタナカカツキさんの著書『サ道』であり、作品のなかで頻出する「ととのった(命名・濡れずきんちゃん)」というワードが、サウナの魅力を端的に表しています。未読の方は、ぜひお目通しを。

会場マップとリストバンドのほか特製タオルとステッカーのおまけ付き。

事実、「サウナ、水風呂、ととのったー」(トリシティのCMで使われるコピー)と叫び続ける集団など、思い思い(?)に大自然とサウナによる“ととのい”を味わっていました。

日本初のピットサウナ(スモークサウナ)が誕生。

今回のイベント最大のトピックスといえば、ピットサウナ(スモークサウナ)です。薪や電気で暖めるサウナが主流の現在、サウナの元祖であり“キング・オブ・サウナ”とも呼ばれるサウナの誕生に立ち会えることは、全サウナーにとって最大の喜びと言えます。

タナカカツキさん(写真左)、池田晶紀さん(写真右)

「サウナトースター」や人力移動式サウナ「カメラ」の生みの親でもある写真家・池田晶紀さんの「ブワーッとけむりが来ますから、みんなよけてー」という注意に笑いが起きるなか、「日本で最初のピットサウナ。さらにスモークサウナに湖っていうのは、本場フィンランドのなかでもさらに本場のやり方。それを日本で体験できるのはここだけなので、ぜひぜひみなさん楽しんでください」というタナカカツキさんの宣言でピットサウナ開幕式がスタート。参加者も未体験のサウナに興味津々。

米田行孝さん(写真左)、リスト・エローマさん(写真右)

次いで、タナカカツキさんがサウナの神様と呼ぶ第5代国際サウナ協会会長のリスト・エローマさんが国際サウナ教会を代表し、日本サウナ・スパ協会専務理事 / 株式会社ウエルビー代表の米田行孝さん(個人的オススメは、名古屋のウエルビー栄店にある「森のサウナ」。ぜひお試しあれ)に記念メダルを贈呈。

サウナストーンとヴィヒタをあしらったメダルには、フィンランド語で「サウナは健康にいい」という一文が添えられているそう。ちなみに、このメダルを受け取ったのは、Mr.スモークサウナと言われる方以外では初めてとのこと。それくらい、ピットサウナ(スモークサウナ)をつくることは大変なことであり、これを完成させたFSCメンバーには感謝してもしきれないほど多大なる功績なのです。

こちらは、ピットサウナの入り口。フィンランドでは「サウナのなかは教会のように神聖な場所である」とも言われているそうで、丸太が積まれた小径の奥にある小さな扉からも神聖な空気を感じます。

室内は狭いため、少人数が5分間隔で順番に入ります。スモーキーな香りがただようサウナ室。入り口下の通気口から差し込む光以外に照明はなく、土に覆われた空間には外界の音も大きくは届かない。穏やかで静かな時間が流れています。

とここで、前年度と今回のサウナ・ラインナップを比較してみましょう。最初が去年で、次が今年の場内マップ。

開始早々に会場入りしても、時間が足りない! そう思えるほどの充実ぶり。目玉となるピットサウナ以外にも、「ドームサウナ」や「サウナワーゲン」、人力移動式サウナ「カメラ」など、気になるサウナが増えているのがわかります。もし毎年増えるのだとしたら、次はどんなサウナが出来るのか……。すでに次が気になってしまいます。

サウナトースターでは池田さん自らアウフグースを行なっていた……ようなのですが、常に満員で終ぞ入れず。タイミングがあれば絶対に入りたい。

1970年代のVW T-2(通称ワーゲンバス)をベースに「温泉道場」が手掛けたサウナワーゲン。前からみても、横からみても、まさかこれがサウナだとは到底思えない。後部座席をサウナ室に改造し、定員は7名。今回は大事をとってトラックで運んできたそうですが、現役の車としても走行可能! 電気ストーブ搭載でセルフロウリュも楽しめます。

星空を眺めながらサウナに入れる透明なドームサウナは、夜のほうがたのしそう。いつものキャンプにこれがあったなら……。テントサウナとはまた違ったアウトドア体験になるはず。

多くの参加者が、怯むことなく湖にダイブ。水温は0度〜2度。寒い、というよりも痛い(笑)。近くの湖ではワカサギ釣りに興じる人たちの姿を見かけるくらい、当日はまだまだ冬でした。

湖の水を汲み上げて濾過したプールも充分に冷たい。広さも水質も申し分ナシ。

そして、最高の外気浴。

天候にも恵まれ、日中は半袖でも(サウナ後であれば)気持ちのいい気温。温浴施設のサウナと外気浴もいいのですが、大自然のなかで行う外気浴にはやはり特別感があります。

サウナだけかと思いきや、然にあらず。

ご覧ください。13時のピットサウナ開幕式を終えたと思ったら、14時からはTSP紅一点・ほりゆりこさんよるサウナハットづくりのワークショップ。夜には、サウナイトも控えています。それ以外もイベント多数。体力を温存しつつ、まだまだサウナを巡っていきます――。

サウナコタ横のスペースで行われたワークショップにはタナカカツキさんの姿も。販売用につくってきたTSP特製のサウナハット50個は早々に完売。会場では、TSPのサウナハットを被る人たちで溢れていました。

個人的にベストコンディションだったのが、本館のフィンランド式サウナ。天井は低く、ストーブより上に足がくるなど完璧なつくり。セルフロウリュし放題で1セット目でととのいました。

本館2階で営業していた「スナックぬれずきん」。トッププロサウナーの濡れ頭巾ちゃんと酒を飲み交わせるとあって、多くの参加者が来店。サウナ後のお酒はほんとうにおいしいんです。(サウナ内で飲むビールも最高ですが、自己責任でおたのしみください)

タナカカツキさんの映像作品などでも音楽を手がける作曲家・とくさしけんごさんは、「あくまで趣味です」と謙遜しながらも美味なるコーヒーを提供。豆の種類を選べるなど、「これが無料でいいの?」というクオリティに大満足。とくさしさんがプラハで行ったというモルダウ川に飛び込む名前のないサウナの話を聞いたり、「とくさし喫サ店」がある別館奥にもサウナがありますと、サウナに誘われたり……。喫茶店でコーヒーを飲むつもりが、サウナに誘われる。そんな不思議の国みたいなことが起こりうるのもサウナ祭りならでは。

充実のグッズ販売コーナー

イベント以外にも、本館1階ではサウナグッズを販売するコーナーが展開。サウナ祭りを主催する「フィンランドサウナクラブ(FSC)」による第3回日本サウナ祭り公式グッズのほか、書籍やサウナハットなどが並びます。

『サ道』とは趣を変え、まるで絵本のようにサウナの魅力を解いた『はじめてのサウナ』(リトルモア)。文をタナカカツキさん、絵はTSPのほりゆりこさんが手掛けたあらたなサウナ入門書です。同じく本館1階では原画の展示も。

イラストレーターのやまねりょうこさんがデザインを担当したTシャツやサウナストーンをモチーフにしたサウナバックなど、サウナファンに特化したグッズたち。

こちらが飛ぶように売れたTSPオリジナルのサウナハット。どれもかわいい!

そして、サウナの日は暮れて

日も沈み、18時からは「サウナイト Session.004」がスタート。去年の8月から回を重ねてきたサウナ好きの業界人がトークを展開。毎回ソールドアウトとなる大人気のイベントに、まさかここで参加できるとは。

もふくちゃんと山岸直人さんによるMCのもと、タナカカツキさん、とくさしけんごさん、濡れ頭巾ちゃんによる「好きなサウナ」をテーマにトークがスタート。

タナカカツキさんの「フィンランドのなかでのラップランドのサウナは全然違う。フィンランドでサウナ体験したっていうけど、ヘルシンキと上の方は雲泥の差」だという発言に驚きの声が上がります。

濡れ頭巾ちゃん

とくさしけんごさん

今回、全くサウナに入っていないという濡れ頭巾ちゃん。「ちょっと(サウナに)入りすぎて、イップスみたいになっているんですよ」というアスリートのようなコメントが飛び出します。とくさしさんは、「好きなサウナはなんでもいいんです。ただ、空いていてほしい」と、サウナ好きの誰もが考える大いなる矛盾に言及。「いまこの場所もそうですが、混んでますよね。好きなところに行って混む。この連続でございます。どうすればいいのか、みなさんで一緒に考えていきたいと思います」と言って会場を沸かせた。

そして、トークの途中で地球 マグ万平さんと池田さんが寸劇(?)を繰り広げながら登場。参加者のためにアウフグースし続けた池田さんとマグ万平さん、さすがに1日中とあって「いまでも手が震え続けている」との衝撃告白。本当に、本当にお疲れ様でした。

ラストは、協賛サウナ施設による歴代最大の豪華なプレゼント抽選会……のはずが、意外にも当選者不在が続いたため、その場にいる人に向けて文字通りプレゼントが飛び交うことに。大いに盛りあがったサウナ祭り1日目は、そうして無事に閉幕となったのでした。

さて、明けて2日目も好天。まだまだゆっくりしたかったのですが、『HOUYHNHNM Unplugged vo.7』校了前ということもあり、ぼくらは泣く泣く帰路に着きました。ですが、この記事以外にもTwitterやブログなど、参加者によるレポートがたくさん上がっていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。読めばきっと次回のサウナ祭りに参加したくなるはずですから。

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