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FEATURE| リーダーバイククルーが語る、ピストカルチャーの最前線。

リーダーバイククルーが語る、ピストカルチャーの最前線。

リーダーバイククルーが語る、ピストカルチャーの最前線。

ピストバイクの本場アメリカでは「クリットレース」と呼ばれるレースカルチャーがカルト的な人気を誇り、多くの選手がしのぎを削っている。その世界で圧倒的な人気と実力を誇る〈リーダーバイク(LEADER BIKES)〉のメンバー数名に、原宿のピストショップ「ブローチャーズ(BROTURES)」の協力を得て個別インタビューを実施。それぞれの立場からアメリカの最先端ピストバイクカルチャー及び日本の現状について語ってもらいました。

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アロンソ・タル Alonso Tal
1988年生まれ・28歳。ロサンゼルス出身。
後に登場するエミ・ブラウンとマサン・フラッカーが、ピストブームの第1世代だとするなら、アロンソ・タルは、2010年代の
第2世代の顔。〈リーダーバイク〉のチームキャプテンを務めるなど、その人望と実力で群を抜いた人気を誇る。
ライダーとしての活動の他にも、デザイナー、カメラマン、シューズブランド〈クレー(CLAE)〉のマーケティング、さらに自身のブランド〈モアトラックバイク(MORE TRACK BIKE)〉を展開。現在は、LAを拠点に各方面に活躍するストリートウェアブランド〈チャビーブーブ(CBNC)〉にも所属。ロサンゼルスのピストショップ「LA ブリークレス(LA Brakeless)」が主催したアーリーキャットレースでは優勝を勝ち得た。

チームが勝つために、個人が自分の結果を犠牲にすることもある。

ーまず、出身について教えてください。

アロンソ:ロサンゼルスのカリフォルニア出身だよ。生まれも育ちもLAだから、都会暮らしが身に染み付いている。

—日本ははじめてですか。

アロンソ:今回が初めて。すごくいい。クールだと思う。ピストに乗るのも楽しいしね。昨日は六本木・青山・原宿・新宿までピストで走ってみたよ。

—リーダーバイクのレーシングチームについて教えてください。

アロンソ:メンバーは全部で6人。日頃はレースに積極的に出場している。僕はチームマネージメントもするし、戦略も考える。チームが勝つためにどうやってレースに望むか。全員が均一に勝利を目指すのではなく、チームが勝つために、個人が自分の結果を犠牲にすることもある。

—個人が犠牲になる戦略とは、どのようなものでしょうか?

アロンソ:クリットレースの参加者はおおよそ300人くらいで、決勝に進めるのは90人ほど。1周1.24kmのコースを26周〜38周のラップで競うんだけど、ストリートをコースにするから、当然のように混雑が起きる。そこで、はじめから勝たせる人を決めて、そのメンバーが勝てるようにチーム全体でサポートをしてゆくんだ。コース取りや、ラインをつくるといったことだね。前回のレースでいえば、〈リーダーバイク〉のチームからは、5人が決勝に残っている。

—戦略的なスポーツなんですね。

アロンソ:そのとおり。チームワークが大事で、個人の技量だけでは勝てない。奥が深いんだよ。

僕にはファンはいないんだ。でも友達ならたくさんいる。

—〈リーダーバイク〉の魅力について教えてください。

アロンソ:まず、ワイド・フレームが美しい。デザイン性は抜群に高いね。この機能と品質から考えたらリーズナブルだとも言える。

—アメリカでの人気は?

アロンソ:ナンバーワンだね。いろんなブランドがあるけど、やっぱりリーダーが品質の面でも、人気の面でも一番だよ。

—日本のピストシーンに関してはどう考えていますか?

アロンソ:アメリカには、ピストバイクだけの自転車屋ってあまりないんだけど、日本のショップはライダーのためにきちんとやっているという印象。小さい店ばかりだけど、どこも実に魅力的だね。小さくて、顔の見える専門店は良いと思う。

一逆に、日本のここはイケてない、というところは?

アロンソ:レースがないことかな。クリットレースがあればもっと良いと思う。海外から選手が来る理由もできるし、集まって楽しむことができる。

—アメリカでのクリットレースにはどのくらいの人が集まるのでしょう。

アロンソ:トータルで、およそ5000人の観客と、300人のレーサーが集まる。世界40カ国以上の選手がニューヨークに集うよ。

—日本のファンについてはどう考えている?

アロンソ:僕にはファンはいないんだ。でも友達ならたくさんいる。今日これからイベントがあって、初めて会う友達がたくさん。ファンという考え方は好きじゃないんだ。

—きっと、たくさんの友達が集まるでしょうね。

アロンソ:そうだね。すごく楽しみにしているよ。

—ピストの今までとこれからについては、どう考えていますか?

アロンソ:過去とは違う轍を歩むと思うけど、これからもっと伸びて行くと思う。僕らは第二世代と呼ばれているけれど、今後も新たな世代が生まれて、もっと広がっていくんじゃないかな。

—日本でピストは競技としてではなく、日常的に乗るものとして受け入れられています。

アロンソ:ライフスタイルとして自転車に乗る人が増えるのはすばらしいこと。ピストバイク・ユーザーの大半はそういう日常的に乗る人たちで、そうやってピストに親しんでいる人が見に来て応援してくれるからレースができるし、すごく嬉しいことだよ。ライフスタイルの中に根付くと、きちんと支援してくれる人が生まれて、その市場自体が成長してゆく。たとえば携帯電話のように、もっと技術を研ぎ澄まして、いいものを作り上げていくために、たくさんの人と関係性をつくりたい。それが商品開発にもつながっていって、新技術が生まれる。支援してくれる人がいるから、市場自体が盛り上がっていくんだよ。

マサン・フラッカー Massan Fluker
1980生まれ・36歳。サンフランシスコ出身・ニューヨーク在住。
「マッシュ(MASH)」のオリジナルメンバーの一人。ピストカルチャーの先駆者として活躍した人物であり、〈リーダーバイク〉をエミ・ブラウンとともに盛り上げ業界を支えてきた。フォトグラファーとしての一面も持つ。

すべての物事には必ず危険が伴う。自分の責任でどう選択するか。どうやって進めていくかだよ。

—はじめまして。よろしくお願いします。

マサン:ヨロシクオネガイシマス!(日本語で)

—日本の滞在はいかがですか?

マサン:前回の「ビームスT(BEAMS T)」のイベント以来だから、かなり久しぶりに来たんだけど、今回もペッパーランチは最高だね。

—ペッパーランチですか!(笑)。

マサン:かなり好きだね。俺にとっては日本といえばペッパーランチ。

—日本に来るたびに通っているのでしょうか?

マサン:もちろん。エブリデイ。

—ここ最近のアメリカのピストシーンについて、どうお考えでしょうか。

マサン:おかえり、というかんじだね。一度下火になっていたけれど、もう一度人気を取り戻している。

—マサンのピストスタイルに変化はありましたか?

マサン:おれは坂を下って、ボムすることが一番だね。いろんなスタイルがあって、場所によって変わるけれど。

—日本のピストカルチャーについてはどう考えていますか?

マサン:俺は日本が好きだよ。スムースだし、草も生えていないし、走りやすい。日本のカルチャーはいいよ。みんな最高だ。ペッパーランチもあるしね(笑)。日本のキーマンはメッセンジャーの「シノ」と、「カーニバル(CARNIVAL)」に在籍していた「ハル」だね。日本のピストシーンをつくり出した二人だ。

—逆に、ここは変だな、と思うところはありますか?

マサン:車線の違いは変だよね(笑)。というのはジョークで、ピストに関して言えば、本来ブレーキは必要ないと思うんだ。ブレーキで制御しなければならないということは、本来的なピストの醍醐味を味わえていないということ。

—中には、ピストは危険だという意見もあります。

マサン:すべての物事には必ず危険が伴う。自分の責任でどう選択するか。どうやって進めていくかだよ。

—ピストの今までとこれからについて教えてください。

マサン:何事にもサイクルがある。2000年から乗り始めて、勢いを失ったときもあったけれど、それでもピストのカルチャーを知って乗り始める人は必ずいる。これからもそうだよ。自分は変わらずに乗り続けるだけ。

エミ・ブラウン Emi Brown
「マッシュ」のオリジナルメンバーであり、〈リーダーバイク〉の看板ライダー。2004年にリーダーバイクの創始者サルバドール・ロンブロッソとの縁があって、それ以来〈リーダーバイク〉に乗っている。2007年頃から爆発的人気となったピストバイクカルチャーの中心人物として活躍し、ブランドを大きく成長させるなど、その貢献は計り知れない。

いいことも悪いこともあるけれど、みんなで自転車に乗れるということが一番大事だと思う。

—ご自身のスタイルを教えてください。

エミ:シンプルであること。僕は独自の技術を持っていて、距離感を測るのが得意なんだ。すり抜けるときは、ほぼ当たってるくらいのところまで近づける。

—どういう感覚で乗っていますか?

エミ:とにかく幸せだよ。

—日本はどうですか?

エミ:いいね。すごく楽しいよ。日本ではいろんなカルチャーがひとつになっている。アメリカはどうしても分断されているから、ファッションとピストがきちんとつながっている日本はいいな、と感じるね。

—ファッションにもこだわりはありますか?

エミ:〈リーバイス®(Levi's®)〉と〈バンズ(VANS)〉がやっぱり好きだよ。シンプルだし、僕はカリフォルニア出身だからね。

—シューズ選びにこだわりは?

エミ:レースの時はサイクリングシューズを履くけど、普段履くのはバンズだね。履きやすくて、身近で、まさしくライフスタイルだよ。

—過去から現在にかけてのピストにまつわる変化を教えてください。

エミ:かつてはサブカルチャー要素が強かったけれど、今はクリットレースといったメジャーなほうに人が集まってきているね。規模は大きくなっているよ。いいことも悪いこともあるけれど、みんなで自転車に乗れるということが一番大事だと思う。

—〈リーダーバイク〉には、何年前から乗っていますか?

エミ:1999年に〈リーダーバイク〉ができて、その頃からかな。「マッシュ」にいたころ、自転車を壊しちゃったんだけど、ちょうどそこに〈リーダーバイク〉の社長が助け舟をだしてくれたんだ。

マカフラマ MACAFRAMA
コリン・アーレン、コービー・エリック、ジェイソン・ロゼッタによって構成される映像クリエイターチーム。
※今回は「ジェイソン・ロゼッタ」のみが来日。

ダークであることは、表現の根幹になり得ると思っているんだ。

—マカフラマは、どのような構成なのでしょうか?

ジェイソン:3人だね。コリン・アーレン、コービー・エリック、ジェイソン・ロゼッタ。全員がフィルマーで、撮影から編集までそれぞれがこなしているよ。

—ピストカルチャーシーンにおいてフィルマーという役割は、非常に重要だと思います。

ジェイソン:そう言ってもらえると嬉しいな。「マッシュ」はレースをコンセプトにしたプロ向けの映像。「マカフラマ」は、もっとジェネラルで、誰もが直感的にいいと思える表現をさぐっているよ。

—今回のティーザーもクールだなと思いました。どういうコンセプトですか?

ジェイソン:みんなで映画を見ていて、ホッケー選手のマスクからインスピレーションを得たよ。マスクを被って顔が見えなくなっている人の、何とも言えないムードがいいと思って。

—ドローンでも撮影されてますね。

ジェイソン:ああ、そうなんだよ。ひとつ壊しちゃったね。クラッシュして。最悪だったなあれは。橋を撮っていたら電線にひっかかって。30万もしたのに。

—それは…残念でしたね。映像からホラーのニュアンスを感じましたが、どういう意図で?

ジェイソン:ダークであることは、表現の根幹になりえると思っているんだ。暗い道、誰もいない場所を探して撮ったよ。サウンドエフェクトもクリーピーに作ってきた。今回は音にも相当こだわっている。是非一度見てほしい。それで気に入ったら、僕らがドローンを買い直せるように応援してほしいな。





Special Thanks_Bro

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