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FEATURE|SUNNY C SIDER × VANS ”OFF THE WALL”の名の下に。デザイナーNAOKIに聞いたVANSへの思いと、コラボレーションのこと。

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SUNNY C SIDER × VANS

”OFF THE WALL”の名の下に。
デザイナーNAOKIに聞いたVANSへの思いと、コラボレーションのこと。

新世代ストリートの旗手として2012年のブランド設立以来、着々とファンを増やし続ける〈サニー シー サイダー(SUNNY C SIDER)〉。等身大のリアルな目線と、ストリートブランドとしての確かなバックボーンが魅力だが、そのスタイルに多大なる影響を及ぼしたのが他でもない〈ヴァンズ(VANS)〉だった。この両雄の第2弾となるコラボレーションの発表に伴い、〈サニー シー サイダー〉のデザイナー・NAOKI氏に早速インタビューを敢行し、〈ヴァンズ〉に対する熱い思いを存分に語ってもらった。わずか1時間弱のインタビューだったが、〈ヴァンズ〉に対する真っ直ぐな思いをこれでもかと聞き出すことができた。「ヴァンズへの思いは誰にも負けない」__OFF THE WALLの下に集いし2つのブランドのコラボレーション。互いが共鳴したことで生まれたコレクションは必然だったと言えよう。

  • Photo_Takeshi Kimura
  • Text&Edit_Yosuke Ishii

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NAOKI
1980年埼玉県生まれ、東京育ち。ストリートブランドのストアマネージャー、ディレクターを経た後に、カリフォルニア・サンディエゴへ渡米。そこで得た経験や刺激を元に、自身のブランド〈サニー シー サイダー〉を2012年に設立する。日本とアメリカの垣根を超えた独自のブランディングと、国内外問わず様々なクリエーター達とのコラボーレーションで注目を集める。アメリカンカルチャーを背景にしたリアルなスタイルが支持を得ている、ストリートのスタイルアイコン

俺の見ているカルチャーには、いつもヴァンズがあった。

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ーまずはNAOKIさんとVANSの出会いを教えてください。

NAOKI:小学校5年生くらいの時かな、5歳上の兄の私物を勝手に履いていたのが初めだね。モデルは確か「スリッポン」や「オーセンティック」だったと思うよ。〈ヴァンズ〉の他には〈コンバース〉や〈エアウォーク〉もよく履いていたかな。当時はあまりブランドは気にせず自然な流れで〈ヴァンズ〉を手にしていたよ。完全に〈ヴァンズ〉っていうのを意識して履き始めたのは、それから1年後の小6くらいだったと思う。自分で最初に買ったのはスリッポン。70’sを意識して、〈リーバイス〉の「517」や「646」のブーツカットをよく合わせてたね。古着屋を回って安いのを探して買ってたよ。

ースケートからではないんですね?

NAOKI:初めはサーファーの兄のファッションを見よう見まねで〈ヴァンズ〉を履いていたんだけど、そこから〈ヴァンズ〉に興味を持って、その周辺を取り巻く色々なカルチャーを自分なりに紐解く中でスケートと出会った感じだね。そこから一気にオールドスクールにのめり込んで。小6の時に地元の古着屋でキャバレロのスエットを買ったんだよね。確か9800円だった。この時あたりから、〈パウエル〉、〈サンタクルーズ〉、そして〈ヴァンズ〉は俺にとって特別なものになったんだ。それからかな、ハイソックスを履いて〈ヴァンズ〉のスニーカーでスケートをはじめたのは。コンクリートのランプに入ってエアーきめて、そのまま頭からよく落ちてたよ(笑) 今思い返すと、俺の攻める精神は間違いなくスケートで養われたものだと思う。

ー色々あるスニーカーの中で、なぜ〈ヴァンズ〉に惹かれたのでしょうか。

NAOKI:やっぱり「スカルパイレーツ」かな。とにかく印象的だったのをよく覚えているよ。それと黒ベースの花柄の「スリッポン」。この2つの柄物がとにかく格好良くてね、一気にファンになったよ。この頃の〈ヴァンズ〉の色使いやカラーコンビネーションが俺を作ったと言ってもいいくらい。〈サニー シー サイダー〉のクリエーションにもかなり反映されているよ。あとは人と違うものを履きたかったっていうのが根底にあったんだと思う。まさに”OFF THE WALL”だよね。それこそ兄が〈コンバース〉をよく履いていたから、それに対する反骨精神?みたいなものもあっただろうし。まぁあとは俺の見ているカルチャーにはいつも〈ヴァンズ〉があったしね。スケート、音楽、アート、自分の好きなカルチャー全て当てはまるのが〈ヴァンズ〉だった。とにかく〈ヴァンズ〉は俺のルーツだよ。

ーいつ会ってもNAOKIさんは〈ヴァンズ〉を履いてますよね。なぜそこまでこだわるのでしょうか。

NAOKI:俺らはやっぱりキックス世代だから。この世代が表現できる最大の格好良さってやっぱりスニーカーなんだよね。自分はずっと〈ヴァンズ〉を履き続けているから、そこはこだわって表現したいと思うんだよね。ヘンな話、もしかしたらルール違反かもしれないけど冠婚葬祭でも、スーツを着るときでも俺の足元は〈ヴァンズ〉だよ。ジムに行くときだって馬鹿かもしれないけどクッションが入っているようなスニーカーは履かないし。どんな時でも「オーセンティック」か「スリッポン」。なんかあったときに、いつもと一番近い感覚でいられるからね。テクニカルなスニーカーよりも、こっちの方が俺にとっては実用的なんだ。もちろんスケボーに乗るときも、今も変わらず〈ヴァンズ〉の「オールドスクール」だし。これじゃないと足首をくじいちゃうんだよね。足がヴァンズの形に慣れているから、他のスニーカーじゃダメなんだ。お陰様で巻き爪だけど(笑)ただ、それくらい俺にとって〈ヴァンズ〉は身体の一部だし、ファッションの観点から見てもこれがないと纏まらないし成立しない。

ヴァンズとのコラボレーションは、支えてくれた皆んなの気持ちにも応えている気がする

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ーNAOKIさんにとって〈ヴァンズ〉が特別なブランドであることは十分伝わりました。では、〈ヴァンズ〉とのコラボレーションのキッカケをお教えください。

NAOKI:〈ヴァンズ〉とのコミュニケーションは、3.11の東日本大震災の復興をキッカケに始まったんだ。あの時、俺たちは俺たちなりのチァリティー活動をやっていて、当時ディストリビューションをしていた〈グレイミースケートボード〉のコンプリートデッキを150本、友人を介して気仙沼の子供達に渡してもらったんだよね。その後、子供達が体育館でスケボーを楽しんでいるっていう話を聞いてすごい嬉しかったし、もっと国の役に立ちたいと思ったんだ。それで思いついたのが、自分も好きな〈ヴァンズ〉との3.11復興Tシャツ企画。こういう時だからこそ一緒に盛り上げていこうって、俺は金はいらないからって、〈ヴァンズ〉側に提案して思いを伝えたんだ。結局その企画は叶わなかったけど、その時の俺の熱意が伝わって、後々のコラボレーションへと繋がっていったんだ。

ー〈ヴァンズ〉への熱い思いが伝わったと。喜びもひとしおですね。

NAOKI:〈ヴァンズ〉への思いは誰にも負けないからね。お金のためじゃないから、夢のためにやってたから。ちょっとでもみんなの役に立ちたいって思いが、結果としてこういう形で繋がったんだと思う。ガキの頃から抱いている熱い想い、俺の一つの夢が叶った瞬間だよね。ハミ出し者の俺のブランドをクローズアップしてくれた〈ヴァンズ〉にはすごく感謝してるし、嬉しかったよ。それと、俺でも頑張って1つのことを追いかければ、夢は叶うんだよって。少なからずフッターの人達に夢を与えられたと思っている。

ー話を聞いていると、〈サニー シー サイダー〉と〈ヴァンズ〉のコラボーレーションは必然だったように思えます。

NAOKI:そうだね、俺にとって〈ヴァンズ〉が特別なブランドだってことは、家族も仲間もみんな知っていることだし、「〈ヴァンズ〉はNAOKIの夢」って、大袈裟だけどきっと皆が思っていたと思う。だからこうして、〈ヴァンズ〉とコラボレーションすることは、自分の夢を叶えると同時に、みんなの気持ちにも応えている気がするんだよね。逆に言うと、皆んながいたこらこそ、この〈ヴァンズ〉とのコラボレーションは成立した気がするんだ。やっぱりブランド始めたからには〈ヴァンズ〉とは絶対にやりたかったし、それが俺のプライドだったしさ。

俺の魂は〈ヴァンズ〉にあるよってね。このコラボレーションを見てもらえばわかるから。

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ー今回のコラボレーション全体のイメージやコンセプトはありますか?

NAOKI:特別なコンセプトはないかな。あえて言うならスタイルをキープすること、俺のやりたいことをやった感じ。〈サニー シー サイダー〉らしさ、そして〈ヴァンズ〉らしさっていうのをとにかく意識して、カラーリングにはこだわったかな。それとグラフィックで勝負したいというのはあった。ロゴを押すだけじゃなく、グラフィックが前に出ることを意識したよね。例えばチェッカー柄をうまく使いながらレーシングのアプローチをしてみたり、80年代風のフォントを意識してみたり。グラフィックが生きたものをとにかく提案したかった。なんて言うんだろう、連想させられるもの、カルチャーが見えるものっていうのかな?

ー結果としてNAOKIさんらしい、〈サニー シー サイダー〉らしいコレクションになりましたね。

NAOKI:普通にシンプルに落とし込むことは簡単だし、〈ヴァンズ〉のロゴを全面に出すのも簡単。でも、色んなものを見たからこそ、この作品ができるんだよっていうのを表現したかった。俺がどれだけ〈ヴァンズ〉を知っているのかっていうのは、このコレクションを見れば解ると思う。だから皆には目で見て肌で感じてもらいたい。このカラーリングだったり、グラフィックだったりは、きっと俺以外には出来ないと思うから。とにかく俺がやるんだったら、売れなくてもいいから自分が格好良いものを作って、世に出したいからね。それだけ俺の魂は〈ヴァンズ〉にあるよってね。このコラボレーションを見てもらえばわかるから。

ーNAOKIさんの〈ヴァンズ〉に対する思いが詰まってますね。

NAOKI:そうだね、自分のアイデンティティーっていうのをしっかりデザインに落とし込めたと思うよ。でなきゃ〈サニー シー サイダー〉がやる意味ないしね。5年後、10年後、20年後、それくらい時間が経っても着れるものが作れたと思う。経年変化してクタクタになってもいいじゃん、破れてもいいじゃん。〈ヴァンズ〉なんだからさ、〈ヴァンズ〉はフォーエバーだから。

ー気が早いかもしれませんが、今後の〈ヴァンズ〉との取り組みは?

NAOKI:〈サニー シー サイダー〉にとって〈ヴァンズ〉とやったことが自信にも繋がったし、やっぱり〈ヴァンズ〉は必要なんだなって、改めて認識したんだよね。だからストリートでやっていく以上、これからも〈ヴァンズ〉とは継続してやっていく。俺が〈ヴァンズ〉を裏切らない限り、〈ヴァンズ〉は俺を裏切らないと思うしね。まだスニーカーを一緒に作ってないから、次はスニーカーにチャレンジしたいかな。まだ言えないけど色々案はあるから。楽しみにしていてほしいね。そうだな、あとはもう自分の信じた道を行くだけだね、ビリーブ イン マイ セルフ!だね。

次のページでは、そのコレクションの全貌をご紹介。
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