HOUYHNHNM

FEATURE|人はなぜマラソンに夢中になるのか? ふたりの中年ランナーによる考察。

人はなぜマラソンに夢中になるのか? ふたりの中年ランナーによる考察。

What We Talk About When We Talk About Marathon

人はなぜマラソンに夢中になるのか? ふたりの中年ランナーによる考察。

42.195kmという長い距離を自らの足で走る「マラソン」というスポーツ。興味のない人にとっては「なんでわざわざ自分から率先してそんなツラいことするの?」と首を傾げたくなるばかり(ですよね?)。でも、世の中を見渡すと、その人気は加熱する一方で、ここ数年のあいだに全国各地で新しい大会が続々と誕生し、なかには数倍の倍率の狭き門や熾烈なクリック合戦を勝ち抜かなければ参加できない大会も少なくありません。なぜマラソンはこれほど多くの人を惹きつけてやまないのでしょうか? 2016年10月30日に開催された「第6回大阪マラソン」に参加したフイナム ランニング クラブ♡の主要メンバーふたりが、この大会の模様を振り返りながら、マラソンの楽しさや走ることの根源的な魅力について語り合います。

  • Photo_Akitaka Baba
  • Text_Issey Enomoto
  • Edit_Hiroshi Yamamoto
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

左:榎本一生
1976年生まれ。フイナム ランニング クラブ♡部長、フリーライター、SHOES MASTER編集長。ランニング歴約4年。月間走行距離200〜250km。

右:山本博史1978年生まれ。フイナム ランニング クラブ♡副部長。フイナム副編集長。ランニング歴約3年。月間走行距離100〜150km。

「大阪マラソン」は、大阪らしい“人情味”にあふれていた!

榎本:いやあ、楽しかったね、大阪マラソン。いままでいろんな大会に出たけど、楽しさで言えば今回がいちばんだったかも。

山本:いやほんと、めちゃくちゃ楽しかったです! 都市型マラソンに出るのは今回が初めてでしたが、沿道の応援は途切れないし、大阪城、御堂筋、通天閣といった名所も楽しめたし、最後までまったく飽きずに走り切ることができました。

榎本:都市型マラソンと言えば、俺が以前出たことある東京マラソンなんかも、皇居、浅草寺、東京タワー、スカイツリーといった東京の主要な名所を楽しめるし、沿道の応援が途切れないという点では同じだけど、雰囲気的にちょっとピリピリしたところがあるのは否めないかな。もちろん素晴らしい大会であるのは間違いないんだけど。

山本:その点、大阪マラソンは、ピリピリ感は微塵もなかったですね。スタートからフィニッシュまでずっと和やかな雰囲気でした。

榎本:沿道の応援はもちろん、走っているランナーやボランティアのスタッフも含めて、みんなあたたかくて人情味あふれる感じがしたよね。

山本:ほんとそうですね。大阪の人たちの気質なのかな。大阪の街を走りながら、この土地ならではの地域性みたいなものを強く感じることができました。

榎本:沿道から「しんどいのは気のせいや! 頑張りや〜!」という大阪弁が飛んできたり、「ゴールでビールが待っとるで〜!」というプラカードを持ってる人がいたり。

山本:途中、大阪らしい食いだおれ的なエイドもありましたよね。いやあ、ほんと楽しかったなあ、大阪マラソン。来年もまた出たい!

自己ベストを更新する秘訣は「気負わないこと」!?

榎本:で、タイムに関しては、今回の大阪マラソンでは俺も山本も、気負わず楽しみながら走った結果、自己ベストを大幅に更新しちゃったという。

山本:僕は3時間34分50秒、榎本さんは3時間18分16秒。自分たちもビックリの好タイムでしたね。

榎本:今日は自己ベスト狙うぜ! って気合いを入れすぎちゃうと、前半からついついハイペースで突っ込んで、後半失速しがちだったりするけど、今回の大阪マラソンは気負うことなくリラックスして走れて、それが結果的に好タイムにつながったのかも。

山本:僕なんてただ「気持ちいいペースで走ろう」って意識してただけですからね。その結果、あんなにいいタイムが出ちゃって。まわりからは「すごいね」って驚かれるんですけど、自分自身がいちばん驚いてます。

榎本:次はサブ3.5(3時間半切り)を狙うんでしょ?

山本:うーん……。まわりからもよくそう言われるんですけど、タイムは全然気にしてないし、サブ3.5とかどうでもいいですよ、正直なところ。僕にとってマラソンは楽しめればそれでよくて。

榎本:その点、俺はタイムを気にするほうだし、せっかくレースに出るからには1秒でも自己ベストを更新してやる、という思いで毎回真剣にやってるけど。

山本:とか言いながら、レース前日はいつも、僕といっしょに酩酊するまで飲んでるじゃないですか。

榎本:……それはそれってことで。

山本:まあ、マラソンの楽しみ方に正解なんてないから、それぞれがそれぞれの楽しみ方で参加すればいいんですよね。僕たちはプロのアスリートではなく、単なる市民ランナーにすぎないわけだから。

マラソンはなぜ応募者が殺到するほど人気なのか?

榎本:それにしても、今回の大阪マラソンの応募倍率が約4倍で、2017年の東京マラソンの応募倍率が過去最高の約12倍でしょ。そしてエントリーが先着順の湘南国際マラソンも毎年瞬く間に定員に達してしまうとか。なんでいま、マラソンってそんなに人気なんだろうね?

山本:なんでだろう……。完走後のビールとタバコがうまいから、ですかね?

榎本:ビールはともかく、タバコは違うでしょ。たしかにフルマラソン後の一服は最高にうまいけど。

山本:マラソンの魅力のひとつとして、個人的には、ランニング仲間とのマラソン談義が楽しい、というのがありますね。同じレースに出た人なら、共有した体験をもとにそのレースの模様を振り返れるし、同じレースじゃなくても、フルマラソンを完走したことがある人同士なら、それが共通言語になって話が盛り上がったりするじゃないですか。

榎本:たしかにマラソン完走の体験は共通言語になるよね。初対面の人ともマラソンの話で盛り上がって、それで意気投合したりする。

山本:僕なんかは走ることが純粋に楽しいから出てますけど、榎本さんみたいにストイックにタイムを狙っている人もいっぱいいますよね。

榎本:むしろタイム狙いの人のほうが割合としては多いんじゃないかな?

山本:たしかに自己ベストを更新したときの達成感はハンパじゃないのはわかります。完走後のビールもより一層おいしく感じるし。

榎本:結局そこか(笑)。

そもそもの話、なんでみんなそんなに走ってるの?

山本:ここ数年、自分たちを含め、ランニングをやってる人ってほんと増えましたよね。しかも、一過性のブームではなく、カルチャーとして根付いた感があります。

榎本:そうだね。走る人はたくさんいるけど、走る動機は人それぞれ。痩せたい、モテたいという人もいれば、マラソンのタイムを縮めたいという人もいるし、走ったあとのビールをおいしく飲みたいから走る人もいる。そんな多様性も含めて、ランニングはカルチャーとして成熟しつつあると思う。

山本:僕の場合、走った後にうまいビールを飲みたいというのもありますけど、やっぱり先ほど言ったように、純粋に「走ることが楽しい」というのがランニングを続けている大きな理由かな。走るという行為自体が、ただただ楽しい。それ以上でもそれ以下でもない。でも、僕は寒いのがほんと嫌いで、寒いと走ってても楽しくないから、これからの季節は走る距離がグッと減ってしまいます。

榎本:その点も俺とちょっと違うかな。俺の場合、寒い日に「寒い寒い」言いながら、徐々に身体がぽかぽか暖まっていく感じがたまらなく好き。

山本:それは理解できないなあ。僕は暑い時期に汗だくになりながら走るほうが圧倒的に楽しいです。

榎本:そもそも俺は山本と違って、走ること自体が楽しい、というわけじゃないんだよね。走るという行為は、楽しいどころか、むしろ苦しくてツラい。俺はほぼ毎日走ってるけど、家でランニングウェアに着替えるとき、いまから走るのかぁ、めんどくさいなぁ、っていつも思う。

山本:ジョニオさん(アンダーカバーの高橋盾さん)も『フイナム・アンプラグド』(vol.3)のインタビューで答えてましたね。「走っている最中に何を考えているか?」という問いに対して、「早く終わらないかな……そればかり考えてる(笑)」って。そして、「走ること自体は、正直つらい。でも、それを乗り越えたときに他では代えがたい爽快感が得られるし、毎回走り終わるたびに“今日も走ってよかった”って思う」とも言ってました。

榎本:まったく同感。普段のジョギングもそうだし、フルマラソンでも、走っている最中は「早くゴールしてビール飲みたいな」ってずっと考えてる。あまりにもキツいときは「なんでこの大会にエントリーしちゃったんだろ、俺?」みたいに後悔さえすることもある。でも、いざ走り終わっちゃうと、そんなこともケロッと忘れて、楽しかった思い出しか残らないんだよね。

山本:たしかに。キツかった思い出も、時間が経つにつれて美化されてしまう。つくづく不思議なスポーツですよね、ランニングって。

自己ベスト大幅更新を足元から支えたシューズとは?

今回の大阪マラソンは榎本、山本ともに、シューズは〈ミズノ〉の「ウエーブエアロ 15」を着用して臨みました。

「ウエーブエアロ 15」は、〈ミズノ〉を代表するテクノロジー「MIZUNO WAVE」を搭載しながら大幅な軽量化を図ったレーシング仕様のシューズ。厚すぎず薄すぎず、ほどよくクッションの効いたソールが42.195kmの道のりを快適に支えてくれました。

また、ぼくらが自己ベストを更新した要因の1つと言えそうなのが、東京・神保町の「エスポートミズノ」ほか一部店舗限定で展開しているランニングフォーム診断サービス「F.O.R.M.」。

専用マーカーを装着してトレッドミルを10分ほど走り、モーションキャプチャーで動きを計測。その解析結果をもとに、自分に最適なシューズの選び方を専任のスタッフがアドバイスしてくれます。

自分のランニングフォームをプロに見てもらってアドバイスを受けられるというのは、なかなか貴重な機会。シューズ選びに悩んでいる方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Page Top