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FEATURE|My Favorite Things. スティーブン・アランの好きなもの。

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My Favorite Things.

スティーブン・アランの好きなもの。

ミニマルでトラディショナルなクリーエションに、時代の空気感を上手にブレンドさせたコレクションを展開する〈スティーブン アラン(Steven Alan)〉。2015年9月の「スティーブン アラン フタコタマガワ」に続き、2016年3月には国内6店舗目となる「スティーブン アラン ヨコハマ」をオープン。ブランドのファウンダーであるスティーブン・アラン氏本人も新店舗の視察で来日しました。彼のファッションのルーツや現在のニューヨークのファッション事情に迫りつつ、自身が日頃愛用するアイテムを紹介していきます。

  • Photo_Kazunobu Yamada
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Ryo Komuta
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スティーブン・アラン

アメリカ、ニューヨーク生まれ。1994年に自らの名前を冠したショップ「スティーブン アラン」をオープンさせ、1998年にはセレクトショップ向けにオリジナル商品のデザインをスタートさせる。2008年、GQによる「BEST NEW MEN’S WEAR DESIGNER IN AMERICA」にノミネート。その動向には常に注目が集まっている。

ダウンタウンの着こなしに影響を受けた学生時代。

ースティーブンさんがファッションに興味を持ったきっかけを教えてください。

スティーブン・アラン:ファッションのことが好きなんだと実感したのは高校生のときでした。アートやデザインにはもともと興味があって、高校もそれに関する学校に通っていたんです。そこはマーク・ジェイコブスやカルバン・クラインなど、名立たるデザイナーたちが通っていたハイスクールとしても知られていて。私の専攻はフィルムでした。つまり、写真やビデオのことですね。授業でカメラ越しにたくさんの人と対峙するうちに、ふとあることに気付いたんです。それは、被写体となっていた人はもちろん、私の周りにいる人々みんながファッショナブルだったこと。そのときにようやく“洋服”というものに興味をもつようになったんです。

ーそれからどんどん洋服のことについて勉強していったんですか?

スティーブン・アラン:いえ、実はそうでもないんです。むしろその逆かもしれない。自分はドローイングはできないし、ファッションの世界に飛び込むことは難しいだろうな、という気持ちでいたんです。だから、職業としてファッションを捉えるのではなく、自分の好きな物として自然とファッションを享受するようになっていました。

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ーなるほど。つまり、深く掘り下げるというよりも、洋服を着たり、見たりしながら楽しんでいたと。

スティーブン・アラン:そうですね。両親がジュエリーショップを運営していて洋服も好きだったので、買物には付いていってました。〈ラルフローレン〉のショップやデパートへ行って、いろんな洋服を見ながら頭のなかをファッションというキーワードで埋めていったんです。

ー〈ラルフローレン〉といえばアメリカを代表するブランドの一つですが、彼らのスタイルに影響を受けたりはしたんですか? 〈スティーブン アラン〉のクリエーションにも、どこか通じるものを感じるのですが。

スティーブン・アラン:スティーブン・アラン:彼のカスタマーに対するアプローチ方法に関しては影響を受けることは多々あります。しかしながら、スタイルの部分では違うところから影響を受けてきました。

ー違うところというのは?

スティーブン・アラン:私が好きだったのはダウンタウンの着こなし。〈ラルフローレン〉のような洗練されたスタイルではなく、クラシックや王道と言われるスタイルにひねりを加えたコーディネートを愛していました。パーティーでもストリートでも通じるような、そんなスタイルです。

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ー〈スティーブン アラン〉のクリエーションが、上品なのにどこか肩の力が抜けた感覚があるのは、そういった部分がルーツになっているんですね。

スティーブン・アラン:そこにすべてが凝縮されているとは言えませんが、影響を受けたのは間違いのない事実です。私はニューヨークの出身ですが、大学はカリフォルニアの学校へ進みました。だから、東西のカルチャーが私のなかでひしめき合っていて、それを上手にミックスさせることをブランドのクリエーションでも心掛けています。

スティーブンが想う、ニューヨークのファションの現在。

ー普段、洋服を着こなす上で意識していることがあれば教えてください。

スティーブン・アラン:自分にあったサイズの洋服を着ること。これに尽きます。人それぞれ似合うサイズというのは異なるから、具体的なアドバイスはできないのですが…(笑)。

ーいつもどんな洋服を着ることが多いですか?

スティーブン・アラン:あまりスーツを着ることはなくて、だいたいTシャツの上にシャツを羽織って、気分によってパンツのシルエットを選ぶような感じですね。たぶんみなさんご存知のように、私はシャツが好きなので、クローゼットにはたくさんのシャツがあります。たくさん重ね着するよりも、イージーでミニマルな組み合わせが好きですね。

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ーニューヨークにいるときは、どんなところでショッピングをしているんですか?

スティーブン・アラン:ほぼ自分のお店で買っています(笑)。ときどきブルックリンのウィリアムズバーグにある「ステラ・ダラス」というお店でヴィンテージを購入しますね。ここは日本人がオーナーを務めるお店で、豊富な品揃えが魅力のヴィンテージ・ショップです。

ー現在のニューヨークはどんなスタイルやブランド、アイテムがフォーカスされているんですか?

スティーブン・アラン:人それぞれ好きなスタイルで好きな服を着る、というのがいまのニューヨークに感じるムーブメントです。みんなハイブランドやファストブランドのアイテムをミックスさせてファッションを楽しんでいる。非常にいい流れだと私は感じています。ちょっと前まではブランド側にイニシアティブがありました。人気のブランドを着ていれば間違いない、といった風潮のことです。でも、現在はそういったブランドの力がなくなってきたように感じます。

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ーそれはどうしてだと思われますか?

スティーブン・アラン:ブランドに人気があった所以は、自分たちの手の届く範囲でオリジナリティ溢れるクリエーションを行っていたから。それに流通も限定されていました。しかし、そういったブランドの一部がいまではデパートで買えるようになっていて、大衆に合わせてクリエーションを行うようになってしまった。誰でも好きなときにファッション楽しめるのはメリットも大きいですが、場合によっては面白味が欠けてしまうこともあります。限られた手数のなかでいかに自分らしさを追求しコーディネートを楽しむか、というのもファッションのおもしろいところだからです。大切なのはビジネスとクリエーションのバランス。それを上手に表現することが、ブランドを運営していく上で重要なことであると私は考えます。

映画人・ウディ・アレンに学んだお店作りの極意。

ー〈スティーブン アラン〉はアメリカでたくさんのお店を展開している上に、ここ日本でも国内6店舗目となる「スティーブン アラン ヨコハマ」をオープンさせました。あなたは長年ファッションというフィールドを走り続け、クリエーションを拡大し、フォロワーを飽きさせないでいる。その秘訣はどこにあるのでしょうか?

スティーブン・アラン:ショップで展開するアイテムは、自分がクリエーションに共感するものを置いています。デザイナー自身のルーツや考えていること、アイテムひとつ一つのストーリーを大切にしたい。それをお客さまに伝えることが大事なんです。

ーなるほど。

スティーブン・アラン:あと、お店づくりに関して言えば、その土地に合ったショップをつくることが大事だと考えています。私たちのショップは、カリフォルニア、サンフランシスコ、ニューヨークなど、それぞれ違った特色を持っています。もちろん、日本のショップもおなじです。どうしてそれぞれ異なるかというと、お店はその地域に集う人々のネイバー(隣人)であるべきだからです。ローカルたちに愛されるお店に悪いお店はありませんから。これはウディ・アレンの映画から学びました。

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3月にオープンした「スティーブン アラン ヨコハマ」。横浜らしく海を臨める立地にお店を構えている。

ー彼のつくった『おいしい生活』は、ドーナッツ店が舞台の映画ですね。

スティーブン・アラン:そうですね。彼はニューヨークの世界観を上手にスクリーンへ映し出していて、とにかく描写が見事。お店の演出に関して、たくさんの学ぶべきことがあるんです。

ーウディ・アレンといえばファッション的にもアイコニックな人物ですが、ファッションの部分で影響を受けたりも?

スティーブン・アラン:アイコニックであるという意見には賛成ですが、影響は受けていません。彼はどちらかというと〈ラルフローレン〉的なので…。でも、彼のつくる映画は大好きです。

ー彼の手掛けた作品のなかでいちばんのお気に入りはなんですか?

スティーブン・アラン:うーん…。ひとつに絞るのは非常に難しいのですが、強いて挙げるならば『マンハッタン』ですね。この作品のなかにウディ・アレンと女優のマリエル・ヘミングウェイが川辺に座って語り合うシーンがあるのをご存知ですか? そこで使われたロケーションは、私が住んでいるところの近くで、それがすごく印象に残っているんです。

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ーでは、最後の私物紹介へ移る前に、ブランドの今後の展望についてどんなことを考えているか教えて下さい。

スティーブン・アラン:常にイノベーティブな考えを持って時代を生き抜いていきたいですね。それは大きな変化ではなく、順応していくということ。ローカルたちに密着しながらも、そのときの気分に合わせてお店も進化させていけたらいいなと思っています。

Steven Alan (CASHMERE BEANIE)

「これは〈スティーブン アラン〉のビーニーです。私のワードローブにキャップは欠かせない存在で、このビーニーはとくにお気に入りのひとつ。カシミアなので肌触りもいいし、ずっと被っていられるところが気に入っています。折り返し部分を手前にひっくり返せばアイマスクになるんですよ(笑)。仕事中に目を閉じてちょっと休憩したいときとか、飛行機のなかでも使えるので重宝しますよ」

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Paul Smith (EYEWARE)

「スケルトンのフレームなんですが、ちょっと黄味がかったカラーリングが好きで購入しました。あと、アイウェアを購入するときに大切にしているのは、眉毛が程よく隠れるフレームであること。これはその条件をしっかりクリアにしている上、形もキレイなので気に入っています」

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STEVEN ALAN OPTICAL (MIRROR LENS SUNGLASS)

「日差しが強いときは〈スティーブン アラン〉のオリジナルのサングラスをかけています。これは今シーズンのアイテム。私は昔からビンテージのアイウェアが好きで、それらのアイテムにインスパイアされたものをオリジナルでつくっているんです。丸みを帯びたクラシックなフレームに、現代的なミラーレンズを組み合わせた、ハイブリッドなデザインが特長です」¥19,440(TAX in)

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NIKE GORE-TEX® (BLOUSON)

「これはゴアテックス®の生地が使われている防水仕様のブルゾン。コンフォータブルなシルエットと、ポケットを多用した機能的なディテールがいいですよね。ニューヨークではスポーツが一種のムーブメントになっていて、みんなジムへ行ったり街のなかをランニングしているんです。それがファッションにも影響を与えている。やはり、自分のなかでもこういったスポーティでテクニカルなアイテムは気になるもののひとつになっていますね」

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Steven Alan (NYLON OXFORD BAGGY PANTS)

「これは渋谷の『スティーブン アラン トーキョー』で見つけたときに買ったもの。普段はあまり太いパンツは穿かないんですが、試着したときにシルエットがキレイだったので購入してみました。これを機に、今後はワイドなボトムにもチャレンジしていこうと思っています(笑)」¥17,280(TAX in)

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THE NORTH FACE (BACK PACK)

「なんの装飾もないシンプルなバックパックですが、これはすごく機能的に設計されているんです。止水ジップを用いていたり、なかにはラップトップ用のクッション性のあるポケットがついていたりと、ユーザー目線でモノづくりが行なわれているところにデザイナーとして共感します。ブランドロゴも控えめの主張でソリッド。男が使うバッグはこれくらいが丁度いいと私は思いますね」

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NO BRAND (COIN CASE)、GANZO for Steven Alan (CARD CASE)

「カーブラインを描いたコインケースはイタリアのフィレンツェで購入したものです。ちょっとブランド名は忘れてしまったんですけど、私のイニシャルである『SA』と刻印してもらったオンリーワンなアイテムです。〈ガンゾ〉に別注したカードケースはコードバンを使用しています。レザーを丸いフォルムに整える技術がとにかくすごいし、プロダクトとしての完成度が非常に高い一品です」

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SAUCONY for Steven Alan (G9 CONTROL)

「ランニングシューズでは、ホワイトやグレーといった配色をよくみかけますが、このグリーンを基調にしたカラーリングは珍しいですよね。実はグリーンというカラーは私の好きな色のひとつ。デニムやミリタリーパンツなんかに合わせて履きたいと思っています」¥15,120(TAX in)

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