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FEATURE|15th ANNIVERSARY COLLABORATION ネクサスセブンの15周年。珠玉のコラボアイテムの裏側に迫る、熱きトークセッション。

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NEXUSVII. 15th ANNIVERSARY COLLABORATION

ネクサスセブンの15周年。 珠玉のコラボアイテムの裏側に迫る、熱きトークセッション。CASE5_LOOPWHEELER

2016年でブランド創立15周年を迎えた〈ネクサスセブン〉が、今季様々なアニバーサリーアイテムを作っているのはフイナムでの既報の通り。本企画では、アイテムひとつひとつに関して、〈ネクサスセブン(NEXUSVII.)〉のデザイナー今野智弘氏と、それぞれのクリエイターたちに制作背景を明かしてもらった。今回は、吊り編み機でつくられるスエットやTシャツでおなじみの〈ループウィラー(LOOPWHEELER)〉との共作について深堀りします。

  • Photo_Erina Fujiwara,Yuji Yamazaki(Item)
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Ryo Komuta

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ーおふたりの出会いはいつ頃なんですか?

鈴木諭(以下鈴木)何年前だろう? たしか今野くんが〈オリジナルフェイク(OriginalFake〉のディレクターをやっていて、その展示会にお邪魔したときだったと思うんですが。

今野:そうですね。

鈴木:「ワンダーウォール」の片山(正通)さんと、「グルービジョンズ」の伊藤(弘)さんと一緒に行ったのは鮮明に覚えているんです。たぶん9年か10年前くらいのような気がしますね。

ー鈴木さんが〈オリジナルフェイク〉の展示会に行かれたのは、どんなきっかけだったんですか?

鈴木:片山さんが〈オリジナルフェイク〉のお店の内装を手掛けていたので、展示会の時期に「一緒に行きませんか?」と誘われてお邪魔したんです。そこで今野くんを紹介していただいて、はじめて話をしました。そのとき今野くん〈YKK〉のファスナーに別注をしていて「これ、よくつくったね」なんて会話をした記憶があります。

ーなるほど、そうだったんですね。

鈴木:今野くんが古着に対する造詣が深いというのは当時から有名な話でしたから、噂に違わずこだわったアイテムをつくるなぁ、と。これはモノづくりをする人にしか分からないと思うんですけど、ファスナーひとつを別注するにしても、対価に見合わない相当な労力を払わないとできないんですよ。日本人が得意とする細かなディテールに対する情熱がしっかりと伝わってきたのをいまでも覚えています。

ー今野さんは鈴木さんのことをご存知だったんですよね?

今野:はい、雑誌などで鈴木さんのことを拝見していたので、実際にお会いする前から存じ上げていました。ちょうどその頃“吊り編み”というワードが気になっていた時期で、〈オリジナルフェイク〉でも日本のモノづくりをベースにしたクリエーションをやろうとしていたタイミングだったんです。

ーでは、その展示会の縁が〈ループウィラー〉との別注アイテムにつながったんですね。

今野:そうですね。でも、すぐにというわけではなく、〈ループウィラー〉へ辿り着くまでにもう少し時間がかかりました。正直に話すと、ほかのブランドからもスエットの別注をやりませんか? というオファーを頂いていたんですが、なんとなくどこか決め手に欠けていて…。そんなときに、たまたまうちに営業にこられた元生地屋の方から「吊り編み機にも優劣がある」という話を聞いたんです。そういった背景はぼくには見えないものだったので、じゃあどうしたらいいですか? と尋ねたところ「〈ループウィラー〉がしっかりとした生産背景を持っている」という返事が戻ってきて。

ーそこでようやく点と点が線でつながったんですね。

今野:そうですね。それで鈴木さんにご連絡をしたところ、ご快諾いただいたんです。次のシーズンから〈オリジナルフェイク〉に加えて〈ネクサスセブン〉でも別注の取り組みをスタートさせました。それから現在に至るまで、ずっとご一緒させていただいています。

鈴木:もう正直、どのくらいの型数をやったか覚えてないよね(笑)。〈オリジナルフェイク〉と〈ネクサスセブン〉含めて100型以上はやっていると思う。

今野:〈ループウィラー〉のスエットは本当にヴィンテージの風合いに近いんですよ。洗濯を繰り返すたびに味わい深くなっていくんです。

鈴木:劣化しにくいんだよね。

今野:そうですね。吊り編み機はヴィンテージライクなスエットをつくるのに最適な編み機なんだというのがすぐにわかりました。あと、日本でしかできないという部分にも魅力を感じて。

ー海外に吊り編み機はないんですか?

鈴木:フランスやドイツにも残っていると思います。ただ、この風合いは日本でしか出すことができません。

今野:吊り編み機を使っている日本の工場は木造建築なんです。

鈴木:吊り編み機は基本的に天井から吊るされているのですが、鉄の梁などと異なり、機械の微妙な振動を吸収しながら吊り編み機が稼働するのには、木の梁がいちばん適しているんですね。またそういった環境はもちろん、この機械を扱うことができる熟練の職人がいる日本だからこそ、このクオリティーの吊り裏毛をつくることができるのです。

今野:生地がいいというのはもちろんなんですが、縫製もすごくきれいで。この生地と生地のつなぎ目を見ればわかるんですが、丁寧に仕上げられていますよね。フラットシーマーというミシンを使っていて、取り扱いが難しくて熟練された職人さんしか上手に使いこなすことができないんです。

鈴木:単純にミシンのなかに入っている針の量が多いから、その分パワーも必要だし、それを扱う技術も必要なんです。だからベテランじゃないとなかなか縫えないんですよ。

今野:〈ループウィラー〉にはそういった背景があるので、生産面に関して本当に信頼し切っているんです。なので、あとは自分がどんなアレンジをすればいいか、ということを考えて今回の取り組みに臨みました。

Tシャツ ¥10,000+TAX


ー今回、すでに発売中のスターウォーズのスエットシリーズと、2017年の初売りから発売するミッキーマウスのスエットとTシャツをつくったと聞きました。

今野:〈ネクサスセブン〉の軸のひとつに“ミリタリー”というワードがあって、最初に思い浮かんだのがミッキーマウスでした。ベトナム戦争中はアメリカ兵のことをミッキーマウスと呼んでいたんです。『フルメタルジャケット』という映画では、ラストシーンでアメリカ兵がミッキーマウス・マーチを唄いながら戦場を闊歩するシーンもあって。

歴史上、そういった俗語として使われていた事実があったので、ミッキーマウスをモチーフにしたTシャツとスエットをお願いしたいという思いが湧いたんです。

ーおなじみのミッキーの立ちポーズですが、着ている洋服の色が我々が知っているものとは違いますね。

スエット ¥19,000+TAX、パーカ ¥28,000+TAX


今野:カーキとネイビーにしています。陸軍と海軍ですね。で、パーカのフード部分には「PROPERTY OF NEXUSⅦ.」という文言をいれました。古着のミリタリーアイテムでも「PROPERTY OF(~の財産)」というフレーズが刺繍やペイントでよく表現されていて、個人的にもインパクトを感じていたので今回のアイテムにも入れることにしたんです。

鈴木:古着のミッキーマウスのプリントもので高値がついているアイテムってあまりないんですよ。それに、生地にアクリルかポリエステルが混ざっているものが多い。70年代以降は吊り編み機がどんどん少なくなって、変わりに高速で生地を編む機械が増えていったんです。で、その当時からコットンに化学繊維を混ぜるようになって。いま古着屋で見かけるミッキーマウスのアイテムは、その頃に量産されたものがほとんどだと思います。

今野:そうですね。古着の市場でも高額なミッキーものは見かけないです。

鈴木:キャラクターものの古着で価値があるものといえばスヌーピーなんですよ。だから、うちでもスヌーピーのプリントアイテムは何回かやったことあるんですけど、ミッキーマウスはこれがはじめて。ミッキーというキャラクターはマス向けで、アメリカでもお土産のように安価な商品が多かったんじゃないかと思います。

今野:ハワイで「ABC STORE」と書かれたスエットやTシャツを買ってくるのとおなじですよね。

鈴木:そうそう。だから、もしかしたらですけど、何十年かした後にぼくたちがつくったこのミッキーマウスのアイテムが古着屋に並ぶ日がくるかもしれない。そう考えるとなんだかうれしい気持ちになりますね。30年後とかに誰かがこれを古着屋で見つけて、ワクワクした気持ちで着てくれたら本望です。

今野:そうですね。コットン100パーセントでヘザーグレーでミッキーというのは聞いたことがないので、そういった観点からも今回は珍しいアイテムができあがったと思います。

ーミッキーマウスのシリーズは2017年の初売りから販売をスタートするそうですが、そこには意図などあるんでしょうか?

今野:スターウォーズとの差別化を図りたかったのと、今回どうしてもTシャツをつくりたかったので、秋冬と春夏のちょうど境目にあたる初売りで販売すれば季節的にも合うんじゃないかという理由ですね。あと、新年の買い物ってワクワクするじゃないですか、その気持ちに応えるためというのもあります。

続いて、現在発売中のスターウォーズのコレクションについて両人に話を伺います。

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