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FEATURE|15th ANNIVERSARY COLLABORATION ネクサスセブンの15周年。 珠玉のコラボアイテムの裏側に迫る、熱きトークセッション。CASE5_LOOPWHEELER

ー現在発売中のスターウォーズのアイテムに関しては、どうしてこのモチーフを使われたんですか?

今野:〈ループウィラー〉との共作ということを意識したときに、スターウォーズが頭に浮かんだんです。鈴木さんがスターウォーズ好きというのは有名なお話なので。“ミリタリー”という軸とも繋がりがありますし。

鈴木:ぼくはスターウォーズのリアルタイム世代なんですよ。映画館ではもちろん、ビデオ、DVD、ブルーレイ、すべてのフォーマットでこの作品を見ていますね。もう何回観たかわからないくらい(笑)。

今野:エピソード4の公開が77年で、ぼくの生まれ年とおなじなんです。そういった縁も感じて鈴木さんに相談したところ「なんでも今野君の好きなようにやっていいよ」というご返事をいただいたので、これに決めました。ただ、魅力的なキャラクターが多い作品なのでモチーフの選定が難しくて…。

ー結果、ダース・ベイダーとストームトルーパーになったのは、どんな経緯があるんですか?

今野:ダース・ベイダーに関しては、アナキン・スカイウォーカーという人物が暗黒面に落ちてダース・ベイダーになっていくストーリーがしっかりと描かれているところに魅力を感じたんです。ストームトルーパーは、デザイン的にアイコニックなところに惹かれたというのが大きいかもしれません。ストームトルーパーの白と黒を反転させただけのようなキャラクターもいて、それもキャラとして個性があるんですよ。そういったところにもおもしろさを感じました。

ー鈴木さんはスターウォーズ好きとして、キャラクターの選定になにかアドバイスをされたんですか?

鈴木:そこはすべて今野くんにお任せしました。でもこの2つが出てきて納得しましたね。他のキャラクターだとマニアックになりすぎちゃうから。ちなみにスターウォーズのアイテムをつくるのも〈ループウィラー〉ではこれがはじめてです。

ーこのふたつのキャラクターのグラフィックに関しては、なにかこだわりなどあるんでしょうか?

今野:〈ループウィラー〉のスエットが着ていくうちにヴィンテージライクな風合いになるという話を先程しましたが、その質感に合うプリントを考えたときにアメコミタッチのデザインがいいなと思ったんです。

ーなるほど。

今野:もともとスターウォーズものの古着のTシャツやスエットは劇中のシーンをそのまま転写したものが多いんです。なので、そういったアイテムとの差別化もできるんじゃないかと。ただ、あまり詳しい話はできないんですが、版元から資料をいただいて、そこからグラフィックを起こしたんですけど、その作業が難航してしまって…。本当に骨の折れる作業だったので、ある意味では思い出深いアイテムですね(笑)。

鈴木:ぼくが傍から見てても大変そうだった(笑)。

ーそうだったんですね…。おふたりが会うときは、スターウォーズやファッションの話をすることが多いんですか?

今野:あとは焼肉の話ですかね(笑)? 「炭火焼肉 ゆうじ」さんの。

鈴木:そうだね(笑)。

今野:ぼくはいま「ゆうじ」さんに足繁く通っているんですが、そのきっかけを与えてくれたのが鈴木さんなんです。「ゆうじ」さんのお肉は本当においしくて、焼肉屋としてのレベルをはるかに越えていますね。

鈴木:もう焼肉屋であって焼肉屋ではないような。。肉そのものに向き合い、「ゆうじ」さんのクリエイティビティでその美味しさを最大限に引き出した料理が提供される。肉の切り方ひとつとっても、とても勉強になりますし、僕たちの仕事と通じるものを強く感じているんです。

ーというと?

鈴木:「ゆうじ」さんはお肉を、うちはスエットを扱ってますよね。いつもおなじ素材を使いながらも、お客さんが飽きないように工夫を凝らしているんです。お店に行くたびにワクワクしながら料理を待つ自分がいて、案の定出てきた料理から気付くことも多い。おなじお肉でも、こういう風にアレンジすれば違ったものに見えるんだ、と。

今野:ぼくが先輩方にこういう話をするのはおこがましいのかもしれないんですが、おふたりとも素材と真摯に向き合っているんです。鈴木さんは生地の生産背景、「ゆうじ」さんはお肉の仕入れの背景があって、そこでどんなことが行なわれているのか? というのをしっかりと把握されているじゃないですか。そうした姿勢があるからこそ、お客さんを魅了するものがつくれるんだとぼくは思います。

ー物資が飽和している時代だからこそ、ものに対して真摯に向き合う姿勢が大事になりますよね。

今野:だからおふたりの背中を見ていると、本当に刺激になります。先程のフラットシーマーの職人さんの話に戻りますが、その方々も機械と真面目に向き合って、その積み重ねで技術を習得されたわけです。そういった方々に支えられてぼくたちはモノづくりができているので、いま若者の職人離れが囁かれていますけど、先人たちの姿勢を今度はぼくたちが新しい世代に伝えていかないといけませんね。

鈴木:職人離れに関する話題は、いろんなところで聞きますね。日本の財産はものをつくることなので、この先も職人離れが続くようだと30年後とかに国が弱体化している可能性もある。そうならないためにも、ものをつくるって楽しいということも伝えないとね。

今野:そうですね。ファストファッションが日本でブームになって以降、モノづくりのストーリーが省略されて軽視されているように感じるんです。ものってそんなに簡単にできないんです。でも、だからこそ楽しいんだ、ということを知ってもらいたいです。

鈴木:ぼく自身、吊り編み機をこの先も残していきたいという想いで〈ループウィラー〉をスタートさせたんですよ。背景にある工場の情報を公開しながら、いろんな人たちに見えるようにこれまで運営をおこなってきたんです。いまでは若い人たちが工場に入って、結果的に活性化に繋がりました。それは今野くんのお陰でもある。こうして一緒にアイテムをつくることで、自分たちの力だけではリーチできなかった人たちにも吊り編み機の存在を知ってもらえたからです。だから、ぼくはすごく感謝しているんです。

今野:それはぼくもおなじです。〈ループウィラー〉のお客さんはマニアックな方々が多いので、気を緩められないですね(笑)。これからもそういった方々を納得させるモノづくりを続けていくつもりです。その延長で、若い世代にも服やそれをつくる楽しさが少しでも伝えわれば良いかなと思っています。

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