〈PS バイ ポール・スミス 〉ブルゾン ¥35,000、カットソー ¥12,000、パンツ ¥18,000、スニーカー ¥18,000、〈ポール・スミス〉ソックス ¥2,000、〈ポール・スミス スペクタクルズ〉眼鏡 ¥32,000(すべてポール・スミス リミテッド)
ー今回〈PS バイ ポール・スミス〉のコレクションを着た感想を教えてください。
村上 :ラフに着こなせるアイテムがたくさん揃っていると思いました。〈ポール・スミス〉ってもっと大人なイメージがあったのですが、〈PS バイ ポール・スミス〉はいい意味でラフさやカジュアルな要素が加わっているような、そんな感じです。色使いがぼくは好きです。
ー普段も色モノのアイテムは着ますか。
村上 :好きですね。子供の頃から蛍光色が入った服を両親に着せられていたんです(笑)。いまはさすがに蛍光色の服は着ないけど、当時はそれが嫌ではなかったし、色モノに抵抗はないです。むしろ、白や黒を着ない! と決めていた時期もあるくらい(笑)。
〈PS バイ ポール・スミス 〉ブルゾン ¥32,000、カットソー ¥12,000、 ジーンズ ¥18,000、スニーカー ¥16,000、ベルト ¥14,000(すべてポール・スミス リミテッド)
ーそれはどうして?
村上 :白と黒ってベーシックなカラーじゃないですか。それを身にまとうことで無難な自分になるのが嫌だったんです。だから、色のある服ばかり着ていたときもありました。でも、そんなときもあったからこそ白や黒の便利さがわかって、いまではすんなり取り入れられるようになりました。
ー春夏と秋冬なら、どちらが好きですか。
村上 :んー…、どっちだろ? 色使いは春夏の明るい感じが好きですね。服は、秋くらいのちょっとレイヤードしたシルエットが好き。そういう目線で〈PS バイ ポール・スミス〉の服を眺めると、自分にはすごく合っているような気がします。色使いとかぼくの好みにピタリとはまるから。メンズは色モノが少ないから、ぼくは古着屋でピンときたものを買うことが多いんです。だから〈PS バイ ポール・スミス〉のようなブランドが立ち上がって、単純にいいなと思います。
ーちなみに、虹郎さんの好きな色は?
村上 :えんじ色です。真っ赤ではなく、ちょっとオレンジがかった独特の色合いが好きですね。持っているアイテムでも、この色がいちばん多いんです。
ー今日着ていたスーツもえんじ色に近いカラーでした。
村上 :じつはラックにかかっているのを見たときに、あのスーツがいちばん最初に目に入ったんです。ビビっときたというか(笑)。
ー普段、スーツを着ることはありますか?
村上 :仕事で着ることはありますね。ぼくもそろそろ成人になるので、スーツを格好よく着こなせる大人になりたいと思っています。このスーツはやっぱり色がいいですよね。一般的に黒やグレーのスーツが多いなかで、こういった微妙な色のスーツって映えると思うんです。あと、肩パッドが入っていないのも個人的にはグッときました。肩でストンと着れて、身体の自然なシルエットになります。
ー先程、〈ポール・スミス〉に対して「大人のイメージ」って話していましたが、他にもブランドに対して抱いているイメージがあれば教えてください。
村上 :品があるのに、色使いがユニークだったり、大人なんだけれど、どこかユーモアを感じるというか。ただ単に紳士的なだけじゃなくて、ちゃんとユーモアの心を持っている印象。茶目っ気のある大人、というイメージですかね。
ー〈ポール・スミス〉のアイテムは、なにか持っていますか?
村上 :プレゼントでもらった財布を使っていました。でも、使い古してボロボロになってしまったのでいまはもう使っていません。すぐにモノを使い古しちゃうんです。
〈PS バイ ポール・スミス 〉ブルゾン38,000円、シャツ18,000円、パンツ16,000円、スニーカー16,000円(すべてポール・スミス リミテッド)
ーひとつのモノを使い続けることが多いんですね。
村上 :そうなんです。靴とかも履き潰すまで履いてしまう。他にもいろんなものを持っているんですけど、結局使うのってひとつだけで…(笑)。
ーこれから春になるにつれて、挑戦したいスタイルはありますか?
村上 :やっぱりスーツ。セットアップで。この前、映画の授賞式で知り合いにオーダーメイドのスーツを作ってもらったんですけど、話し合いながらデザインや寸法を決める作業がすごく楽しかっので、またやりたいですね。
ー最近ハマっていることや、熱心になっていることはありますか?
村上 :写真はコンスタントに撮っています。あとは音楽を聴いたり、本を読んだり、満遍なくいろんなことに興味を持つようにしています。最近は、勉強をしたいなっていう気持ちが強くなってきました。
ー勉強?
村上 :そう、勉強。もっといろんなことを知りたいんです。これはぼくの持論なんですけど、自分の好きなモノを知るよりも、嫌いなものを知ったほうが自分のことをよく把握できると思うんです。だからここ最近は嫌いなモノを知る作業をずっと続けていたんですけど、視野を広げる意味でも、いろんなことを知りたいな、と。
写真左 〈PS バイ ポール・スミス 〉シャツ ¥16,000(ポール・スミス リミテッド) 写真右 〈PS バイ ポール・スミス 〉ジャケット ¥45,000、カットソー ¥10,000、パンツ ¥20,000、〈ポール・スミス〉ソックス 各¥2,000(すべてポール・スミス リミテッド)
ーなるほど。
村上 :ぼくの好きな人のひとりに、ラーメンズの小林賢太郎さんがいて。小林さんのインタビューやレコメンドしている作品をチェックして勉強しています。それが芝居に繋がることもあると思いますし。
ー俳優としてデビューしてから3年が経過しますが、デビュー当時と現在を比べて心境に変化はありますか?
村上 :気持ちに変化はないですね。外から見て変わっているということはあるかもしれないですが、ぼく自身はデビュー時と変わらず新鮮な気持ちのままでいます。でも、いま振り返ると当時はまだ幼さがあったかもしれないですね…。いまはすくなからず大人になっていると思います(笑)。
ー芝居に対する想いに変化は?
村上 :少しずつ好きになってきました。実は、はじめは好きじゃなかったんですよ(笑)。苦しいことのほうが多かったし、楽しくないじゃん! って…。与えられた役(登場人物)の人生を背負うのが役者の仕事だと思うんですけど、その人物のことが理解できないと、ただただ苦しいだけなんです。もちろんすんなり理解できて心地いいときもあるんですけど、はじめはやっぱり役との距離感が上手に掴めないことが多かった…。
〈PS バイ ポール・スミス 〉スウェットパーカー ¥18,000、パンツ ¥14,000、スニーカー ¥26,000(すべてポール・スミス リミテッド)
ーでも、いまはそうじゃなくなったんですね。
村上 :そうですね。いまはその苦しさが軽減されてきました。さっき嫌いなものを知る作業を続けたと話しましたが、不思議と芝居は思わなかったんです。そういう意味では芝居のこと嫌いじゃないんだなって気付いて。芝居が楽しいってだんだん分かってきたんです。
ー最近は、舞台でも活躍されていますね。今年の4月には鵜山仁さん演出の舞台『エレクトラ』への出演が決まっているそうですね。
村上 :そうなんです。舞台への出演は3回目になります。
ーカメラの前で演じるのと、お客さんの目の前で演じることのあいだには、大きな距離があると思うんですが、実際に演技をしてみてどうですか?
村上 :カメラの前だと、構図やライティングなど、決まった演技をすることが求められるのに対して、舞台は比較的自由に演技できるから好きです。それにお客さんの目の前で演技するのは、ライブ感があって楽しい。演出家の方も演技に対して厳しく指導してくれるから、やりがいを感じます。『エレクトラ』はギリシャ神話の話なんですが、ぼくに与えられたオレステスという役柄はぶっ飛んだ人物なので、とにかく気合いを入れてかっ飛ばそうかと思っています(笑)。
〈PS バイ ポール・スミス 〉ブルゾン ¥55,000、シャツ ¥18,000、パンツ ¥18,000、スニーカー ¥24,000、〈ポール・スミス〉ソックス ¥2,000(すべてポール・スミス リミテッド)
ーあとは、6月と秋にそれぞれ映画の公開が控えていると聞きました。
村上 :6月公開の『武曲 MUKOKU』では、ラップ好きの高校生の役で、剣道に出会ってだんだんのめり込んで行くんです。すごく真っすぐでブレない心を持ったキャラクターだから、楽しく演じられました。決闘シーンも多くて、男が好きな要素が詰まった映画なんです。
ー秋に公開される主演映画はどんな映画なんですか。
村上 :『二度めの夏、二度と会えない君』という作品です。これは青春映画なんですけど、絵作りに関して構図や色使いが独特なんです。もしかしたらいままでもそういう作品があったかもしれないんですけど、ぼくはあまり見たことのないテイスト。だから、ぼくの役にはもちろん、そういった “絵作り” にも注目してほしいですね。
ー最後に今後の目標を教えてください。
村上 :いますごく仕事が楽しいんです。芝居をする楽しさもありますが、そこから一歩退いてやっぱり仕事として楽しいんです。だから、“仕事” ということをいまは突き詰めたいし、仕事に対してまっすぐ向き合いたい。そうするためにも、さっき話したようにいろんな知識を蓄えていきたいと思っています。