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FEATURE|LEGEND OF SCULPTURE ARTISTS. ALL ABOUT JEFF DECKER. ジェフ・デッカーのすべて。

ALL ABOUT JEFF DECKER. ジェフ・デッカーのすべて。

LEGEND OF SCULPTURE ARTISTS.

ALL ABOUT JEFF DECKER. ジェフ・デッカーのすべて。

ユタ州スプリングビル。アメリカの広大な自然に囲まれたこの街を拠点に活動する、スカルプチャーアーティストのジェフ・デッカーを知っていますか? 昨年9月、彼の創作の場でもあるアトリエと工房を訪れたフイナム取材班。現地で感じとった、ある種神聖な空気感とともに人間国宝とも呼ぶべき彼の言葉からそのクリエイションの内実に迫ります。さらに今年創業40周年を迎えた〈ビームス(BEAMS)〉とのスペシャルなアイテムの紹介も。

  • Photo_Yuri Hasegawa
  • Edit&Text_Yuho Nomura
  • Special Thanks_ Shin Kubota
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JEFF DECKER ジェフ・デッカー

スプリングビルを拠点に活動するブロンズ専門のスカルプチャーアーティスト。レースカーを製作するビルダーの父の影響でバイクビルダーの道へと進み、その後スカルプチャーアーティストとして才能を開花。HARLEY DAVIDSON社が公認する芸術家で、エルヴィス・プレスリーのミュージアムへも作品を展示するなど絶大なる信頼を誇る。現在は、「ヒッポドロームスタジオ(HIPPODROME STUDIO)」というアトリエを主宰しており、歴史的にも価値のあるヴィンテージアイテムを多く貯蔵し、愛好家たちの聖地ともされている。

ジェフの創作の場であり、ミュージアムのようなアトリエ。

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JEFF :多様な人種や民族が多く暮らすアメリカ。その中でもモルモン教徒の聖地とされるユタ州はスプリングビルの閑静な街の一角に、ジェフのアトリエはある。かつては教会であったこの場所は、外観や内観の至るところに当時の雰囲気を残しているのがしっかりと感じられる。

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JEFF :また入り口の玄関前にはジェフ自身が愛情を注ぐ様々な多肉植物が置かれており、多彩な趣味を持つ彼の嗜好が垣間見える。

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JEFF :中へと進むと、まず1階部分にリビングや書斎などの部屋がいくつかあり、どの部屋も清潔感のある上品な印象だ。さらには各部屋に置かれた什器や家具などは、いずれも貴重なヴィンテージのモノなのだという。

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JEFF :アトリエの離れには、ジェフの父の趣味でもあったホットロッドやヴィンテージのバイクがコレクションされている専用のガレージが。

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JEFF :そして地下が実質アトリエとしての空間となっている。作業場や資料部屋ともなるギャラリールームが複数あり、さながら博物館のような雰囲気が漂っている。

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JEFF :並ぶ品々は、自身が手掛けたブロンズのスカルプチャーからヴィンテージの自転車や模型類、彼と所縁のあるアーティストによるアートピースまで幅広い。歴史的にも、カルチャー的にも価値のあるモノ達に囲まれながら、ジェフは日々創作しているのだ。

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JEFF :ジェフの友人が営むヒップなカフェ「SIDECAR CAFE」に併設されたモーターサイクルのミュージアムにも、ジェフの作品が多数飾られる。建物の入り口には、ハーレーダビッドソンに跨ってパフォーマンスする巨大なブロンズのオブジェが鎮座していた。


ファミリーでもあるワークマンたちの作業場へ。

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JEFF :アトリエから車で10分ほどの場所にある工房の「ベア ブロンズ ファイン アート ファンシー」。ここではファミリーと呼ばれるファクトリーの従業員らによって、ブロンズスカルプチャーの実製作の全てが行われている。ジェフ自身もアトリエと工房を頻繁に行き来し、実働することもあるのだそう。工房奥の作業場では、金塊ならぬ”銅塊”を次々と200℃を超える火炎で溶かし、オブジェを模った特殊な容器に垂れ流す土台作りが行われていた。

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JEFF :それから冷却したのちに解凍していくことで、スカルプチャーのベースができあがる。機械などに頼ることなく基本的には手作業で行うため、時間やリスクはかかるが、その分思い入れの篭った作品に仕上がっていくのだろう。工房内は想像以上に広く、塗装や溶接、シェイバーなど各工程に特化した作業スペースがいくつも設けられていて、専門のスタッフが常に作業を行なっていた。

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JEFF :働く人たちとは、常に笑顔で言葉を交わし合いながら家族のように接している姿がとても印象的だった。実際にこちらの工房を訪れた際には、〈ビームス〉との共作のスカルプチャーのサンプル製作も行われていた。その詳細に関しては後ほどご紹介します。


大切なのは、徹底的に作るものに対して情熱を注いでいくこと。

ーそもそもジェフ自身がスカルプチャーを始めようと思ったきっかけはなんだったのですか?

JEFF :一番は父親の影響が強かったかな。僕が小さい頃から父はモーターサイクルカルチャーの造詣が深くて、ビルダーとして活躍していて、国内でも有数のコレクターでもあった。それからバイクやホットロッドに興味を持つようになり、自分でもカスタムしたりするようになったんだ。それから芸術系の大学へ進んだんだけど、そこで学んだアートという概念に幻滅してしまって、アートとはまた違った視点のモノづくりをしたいなと考えるようになったんだ。そしてその時に出会ったのがロストワックスの製法によるモノづくりで、自分自身の創作に対する欲望が燃えていくのがわかったんだ。それからは寝る間も惜しんで銅像やスカルプチャーのオブジェを作るようになっていったね。

ースカルプチャー作りは誰かに教わったりしたのですか?

JEFF :基本は独学だったよ。自分で調べれば始められないことなんてないからね。最初は自分の好きだったレースカーやヴィンテージのバイクをモチーフにしながら作り始めて、それから当時の人たちの暮らしや洋服なども知りたいと思うようになり、当時の歴史やカルチャーを沢山学んだよ。あくまでも想像をベースにするのではなくて、できる限り忠実に再現したかったんだ。そうした活動を今でも続けてきたからこそ、少しづつ周りからも認知されていったんだと思う。

ージェフ自身がモノづくりにおいて大切にしていることがあれば教えてください。

JEFF :当たり前のことだけど、妥協しないこと。そして徹底的に作るものに対して情熱を注いでいくこと。そのバイタリティーさえあれば、技術はあとからでもついてくるからね。

ー普段のジェフはどこを活動場所にしているのですか?

JEFF :基本的に平日の昼間にはアトリエにいるようにしているよ。ここではデザインのデッサンや設計などをしていることが多いかな。あとは資料も多いので、インスピレーションが欲しいときなどはこの空間で時間を潰すことが多いかな。工場にも用事があったり、必要な作業があれば行くようにしている。そうでなくてもあそこの従業員はみんなファミリーのようなものだから、定期的には顔を出すようにしているんだ。

ー生まれ故郷でもあった南カリフォルニアからこの地へと移動してきた理由は?

JEFF :十数年前から家族とボンネビルのあたりで暮らすようになったんだ。決して都会と呼べるような場所ではないけれど、広大な自然に囲まれて、空気も澄んでいてとても暮らしやすい土地だなと思ったんだ。田舎町だから近所の人たちともすぐに仲良くなれて、みんな家族みたいに接してくれるんだ。良い街だよ。

ー休日はどんな過ごし方をしていますか?

JEFF :結婚してから、子供が四人できて、あとは愛犬が一匹。いまは沢山の家族がいるから家族との時間も大切にしているんだ。昔ほどはストイックに働かなくなったかもしれないね。体は鍛えているけど歳もとったしね。家族や気の知れた友人たちと旅に出たいね。

ー日本についてはどんな印象を持っていますか?

JEFF :国民性で言えば、すごく勤勉だなって思うよ。僕もなにか物事に対して過去の背景などを知ることは好きだから、文献や資料などを見ることは多いけど、日本人の姿勢には感服するときがある。日本には友人も多いから話を聞くことも多いのだけれど、常に刺激をうけているよ。

ー日本で特に好きな場所などはありますか?

JEFF :光栄なことにモーターサイクルのイベントや〈ビームス〉を始め関わりのある色んなブランドやお店に呼んでもらって、過去に何度も日本へは遊びに行くことができたよ。最近は東京だけではなくて、地方の都市がお気に入りなんだ。景色も綺麗で、僕らのイメージする日本らしさが感じられる。特に京都は家族で行った時にも必ず訪れるんだ。

ー最後に今回の〈ビームス〉との取り組みに関してなにかメッセージがあればお願いします。

JEFF :今回ビジネスのパートナーとしても本当に心強い〈ビームス〉とまた一緒に仕事することができて嬉しいよ。しかも今回〈ビームス〉の40周年記念という節目でもあるから、製作物はどうしてもお互いが納得のいく素晴らしいモノにしたかった。普段はこうした外注テーマでの製作はしないんだけど、今回は特別だね。

Hippodrome Studio × BEAMS “THE GLOBE”

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JEFF :2012年よりスタートした〈ビームス〉とジェフ・デッカーの共作となるブロンズのスカルプチャープロダクト。今年〈ビームス〉が創業40周年を記念し、数量限定のスペシャルアイテムを別注。〈ビームス〉のロゴマークをヒントに地球儀を製作。地球儀を周遊するレトロなプロペラ機には、”男はいつまでも冒険心を忘れてはいけない”という男気溢れるジェフならではの思いが込められる。さらに〈ヒッポドローム スタジオ〉のエンブレムと、シリアルナンバーも刻印されるなどプレミアム感溢れる仕上がりに。限定50個のリミテッド販売となるので、気になる方はお早めにどうぞ!¥170,000+TAX

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