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FEATURE|プーマがキックスシーンにもたらすもの。

プーマがキックスシーンにもたらすもの。

RUN THE STREETS

プーマがキックスシーンにもたらすもの。

ことストリートにおいて、アイテムが持つバックグラウンドというのは特に重要な意味を持つ。それがキーアイテムのスニーカーともなれば尚のこと。アトモスが長きに渡って支持されてきたのは、そうしたキックスの奥行きとカルチャーを伝えてきたことと無関係ではないはずだ。デザイン、機能に話題性、それ以上の魅力を備えたスニーカーの提案。同店のそんな審美眼に〈プーマ〉の新作はなぜ適い、その食指を動かしたのか。

  • Photo_Toshio Ohno
  • Text_Rui Konno
  • Edit_Jun Nakada
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ストーリーを楽しむことのクールネス。

スポーツシーンでの輝かしい功績を支えたものやファッションの一時代を象徴するアイコンになったもの、世界各地のストリートシーンで特別な存在となったもの。現在名作と呼ばれているスニーカーの多くは、そうしたエピソードを持っている。かつてのスニーカーブームの折には、そんな知識を備えたキーパーソンたちが巷にあふれ、スニーカーヘッズもそこにロマンと楽しさを見出していた。技術の発展によってパフォーマンス系モデルなどが台頭し、機能やルックスが即ヒットにつながることが増えた今でも、そんな価値観は強く根付いている。明確な背景を持ったスニーカーと言うと、歴史が深い復刻品やロングセラーモデルが必然的に多くなるが、ニューモデルにもまた、時としてそうした一足が登場する。〈プーマ〉で言えば「B.O.G.リミットレス」がその好例だ。スウェードやクライドなど、多くの逸話を持つクラシックを展開するこのブランドで、なぜこのモデルは新作ながらそんな奥行きを備えていたのか。アトモスで〈プーマ〉のバイイングを担当する、徳永立樹さんに話を訊いた。

徳永:クライドやスウェードといったバックグラウンドの強いモデルに比べると、プーマのハイテクモデルの印象は正直薄かったんです。だけど、スニーカー好きの間でも話題になったブレイズオブグローリーが、ロニー・フィーグだったりスタンプドだったりとか、いろんな有力ショップとのコラボレーションを行っているのは知っていたし、いつからか自然と目で追うようになっていましたね。このB.O.G.リミットレスも実はブレイズオブグローリーの流れを汲んでいて、履き口の素材が変わっているんですけど、これも過去のそういったコラボレーションを通して生まれた仕様なんだそうです。そういうエピソードがこの一足に詰まっていると思うとすごくおもしろいですし、そのストーリー性をぼくらも伝えていかなきゃいけないなと思ったのが、セレクトした一番の理由です。

背景やエピソード、スニーカーに見栄え以上の意味を求める感覚はキックスフリークなら共感できるはず。このB.O.G.リミットレスもまた、そんな奥行きを持った一足だ。そしてもちろん、それは優れたデザインと機能性の先にある。

徳永:ボリュームがあるのにすっきりとしたシルエットとか、シンプルで都会的なカラーリングとか、サイドラインこそ入っていないですけど、プーマらしさをすごく感じるデザインだと思います。ヒールカウンターがしっかりホールドしてくれるから足運びも快適だし、ソールも緩衝性の高いイグナイトフォームをユニット使いすることでクッショニングが良くてすごく軽量になっているんです。かなり履きやすいですよ。

そんな魅力が知れるにつれて、店頭での人気も高まっている。ハイテクモデルの着用率が高い若いスニーカー好きだけではなく、長年クラシックモデルを履いてきた世代にもファンが多いというのがおもしろい。

徳永:逆に当時のスニーカーブームを知らない世代には、クラシックモデルが新鮮に見えているんだと思います。そうやって若い世代にはB.O.G.リミットレスを入り口にして、ブレイズオブグローリーやプーマの過去の名品を知ってもらえたら嬉しいですね。

日々登場するフレッシュなグッドデザインと普遍的な価値を持つクラシック。“RUN THE STREET”をコンセプトに、今一度スニーカーと街と人との蜜月を図る〈プーマ〉が生んだ「B.O.G.リミットレス」は、そうしたスニーカーにまつわる今昔のストーリーを繋ぐ、そんな可能性を秘めている。

人気の一因はボトムスを選ばない抜群の汎用性。
B.O.G.リミットレスに見るスタイルサンプル。

左:〈プーマ〉B.O.G.リミットレス ¥18,000+TAX(プーマ お客様サービス)、〈アトモス ラボ〉パーカ ¥11,000+TAX(アトモス 原宿店)、他私物
右:〈プーマ〉B.O.G.リミットレス ¥18,000+TAX(プーマ お客様サービス)、〈エベッツ フィールド フランネルズ×アトモス ラボ〉ジャケット ¥25,000+TAX、〈アトモス ラボ〉スウェット ¥10,000+TAX、パンツ ¥17,000+TAX、キャップ ¥6,500+TAX(すべてアトモス 原宿店)、他私物

再び注目を集めるバギーシルエットのパンツも、ノーズがシャープなB.O.G.リミットレスなら自然に馴染む。色落ちの強めなデニムを選んで、程よいレトロさを添えているのも今っぽい(左)。

全体をブラック基調でまとめたシックな色使い。その分素材感とシルエットが際立っていて、ボリューム感の緩急にはさりげない遊び心が漂う。カジュアルながら、ルーズさは皆無だ(右)。

徳永立樹(とくながりき)/アトモス バイヤー

福岡県出身。アトモス吉祥寺店のショップマネージャーを経て、昨年よりバイヤーに就任。プライベートでは原宿でバスケカルチャーの普及活動「BALLISTIC PICKUP GAME」を主宰、スポーツシーンとの縁も深い。

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