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今野直隆とキラが語る、東京のシーンの現状と「エア マックス」。

Change The Game with Nike Air Max

今野直隆とキラが語る、東京のシーンの現状と「エア マックス」。

〈マジック・スティック(MAGIC STICK)〉のディレクターであり、今や日本国内に留まらずワールドワイドな活躍をみせている今野直隆氏。先日のニュースでも紹介済みですが、3月26日の「ナイキ エア マックス」生誕30周年を目前にして、〈ナイキ〉の本社であるポートランドにて行われたエア マックスに関する極秘プロジェクトにも参加した今野氏が、今東京のユースカルチャーのなかで、最も注目を集めるHIP HOPのクルーである、「キラ(kiLLa)」のメンバーと緊急対談。ジャンルや世代は違えど、東京を拠点に広い視野で歩を進める両者が、エア マックスを媒介として現在のシーンを取り巻く状況について語り合った。

  • Photo_Yuichi Akagi
  • Edit_Maruro Yamashita
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今の東京って大御所ばっかりのカルチャーになっちゃってる。

ー先ず、今回は今野さんの方から、対談相手としてキラの面々をリクエストした訳ですが、そもそもどういった理由だったんですか?

今野:単純に、今東京で目立ってて良いなって思っている人たちなんですよね。今の東京を盛り上げている人たちだと思っていますし、新しい世代として東京を引っ張ってもらいたいっていう期待の気持ちもあります。俺は今、あるエア マックスのプロジェクトに参加させてもらっているんだけど、”Change The Game”っていうのをスローガンにしていて。というのも、今の東京って大御所ばっかりのカルチャーになっちゃってるから、超つまんなくて。変えていきたいなって思っているんですけど、皆も同じ気持ちなのかな? って思って、ピックアップさせてもらったんです。本当に超つまんないんですよ(笑)。どこいってもおっさんしかいない(笑)。

ーそれはファッションだったりクラブカルチャーだったりがということですか?

今野:そうですね。もちろん、若い世代は一杯いるけど、同じようなことしかやってないなって思って。つまんないなと。

ー今の発言を受けてキラの皆さんはどうですか? 同じように感じることはありますか?

Ydizzy:ありますね。やっぱり東京のシーン自体がおじさんなんで。やるしかない状況にいるんで。自分たちしかいないっていうのも分かってるから。

今野:本当にそうだよね。俺もそう思う。

kiLLa
都内を中心に日本全国、そしてアジア諸国においても活躍するHIP HOPクルー。ラッパーやトラックメイカーなどからなるクルーで、楽曲はもちろん、Music Videoや彼らのInstagramなど、ファッションスタイル、ビジュアルや世界観においても高い注目を浴びている。この日は集まったのは(左から)No Flower、Arjuna、Ydizzyの3名。
彼らの作品はiTunes Storeなどでも購入可能。Youtubeにアップされた彼らのMusic Videoと併せてチェックして頂くのがオススメです。
www.instagram.com/killatokyo
twitter.com/killatokyo

Arjuna:どこに行っても同じような奴しかいないし。俺らの世代とか、少し上の世代でも、派手なことをやってる奴がいない。考え方自体が違うっていうか。なんていうんだろ、生活習慣じゃないけど(笑)、ライフスタイル自体がHIP HOPな奴がいないんだよね。

Ydizzy:だから、いろんな人が出てきてるけど、自分たちは自分たちのやり方に自信があるし。おじさんも若手も、僕は全然良いと思うんですよ。格好良い人もいるし。けど、自分たちの方が格好良いから。だから、いろんなアプローチの仕方があると思うけど、俺らは俺らでやって、それが結果的に格好良い形で見えてるから、良いかなと思ってる。

ーキラのアプローチの一つとして、Music Videoを効果的に使ってるということが挙げれますよね。新曲をどんどんVideoと一緒に公開していて。Videoの見せ方も曲ごとに異なっていますが、何か影響を受けているものはありますか?

Ydizzy:俺はないですね。それも含め自分たちのスタンスなんですけど。インスパイアを受けるものっていうのは、USのHIP HOPが全てで。音楽もビデオもそうなんですけど。結局は好きなようにやってるっていうか。仲間と相談しながら。

No Flower:やりたいアイデアは多いんですけど、出来ないことも多くて。例えば、ビデオを格好良く撮れる人って少ないし。そこら辺は面倒くさいですけど。

Ydizzy:自分とかビデオのことは本当に分からないから、ミキオくん(No Flower)とかの意見を聞いて。

今野:やれる奴がやるっていうことだよね。皆が特技を持っているというか、それが凄い良いなって思って。身内で全部片付けれちゃうのが。

No Flower:でも当たり前っぽいですよね、日本以外だと。

Arjuna:要するに、日本よりHIP HOPがちょっと進んでるんだよな。アジアの他の国とかも。

No Flower:でも頑張るぜって感じだよね。

今野:やるしかないしね。

今野直隆
2011年にブランド〈マジック・スティック〉を立ち上げ、国内外の強いコネクションを活用多くのイベントやアーティスト招聘、コラボレーションを実現。近年では海外の展示会にも積極的に出展し、国内外で高い評価を獲得。2015年には国内生産にこだわったスモールパッケージブランド〈リバイズド(revised)〉をスタート。
www.magicstick-xxx.com
revised.red

オリジナルなもの、人と被らないものが欲しい。

ー今野さんは、洋服作りというクリエイションにおいて、彼らのスタンスにシンパシーを覚えますか?

今野:まさに同じ感覚で、俺はUSだけというよりはもうちょっとグローバルに見てるけど、日本のやり方に飽き飽きしちゃっていて。決まったやり方、決まった展示会、決まった人たち… しょうもないなって。ちょっと新しいアプローチをしたいなと思って、前々回くらいから海外で展示会をやったりしていて。もっと発信したいし、日本魂を外に出してってのは思ってやってるんで。

ーある一定以上の世代だと、ファッションや音楽が好きなら少なからずスニーカーに夢中になったことがある人が多いと思います。けれど、キラの皆の様な世代だと、スニーカーというものに対しての距離感が上の世代とは違うんですかね?

Ydizzy:スニーカー好きかってことですか? スニーカーは好きですよ。でも、余り深い意味とかはなく、靴に余りこだわりもない。なんでも良いし、なんでも好きだし。極端な話、上履きとかでも似合っちゃえばアリだし。

No Flower:有名だからとか、レアだから欲しいとかっていう感情が全くなくて。オリジナルなもの、人と被らないものが欲しいから。自分だけが似合うやつっていうか。有名じゃなくて、格好良いもの見つけた方が嬉しい。

Arjuna:そうだね。安いしね。ナシをアリにするっていうか。

今野:ファッションも、最近だとダサいが格好良いになってるじゃん。まさにそこかなって思ってて。格好良く見せれるのが、この人たちだから。俺らが着たらただのおっさんになっちゃうような、ジャージのセットアップを格好良く見せられるんで。

No Flower:自分は今はランニング系のスニーカーを履くことが多いですね。今日履いてるのも、エア マックス 95のハロウィンカラーみたいなやつです。(エア ヴェイパーマックスを手に取って)これとか格好良いですよね。

このなかでは一目見て、これだなって感じ。

ーそれが最新のエア マックスですね。今野さん的にはエア ヴェイパーマックスはいかがですか?

今野:物として格好良いですね。けど、凄いスポーティーなデザインなので、ファッション的には難しそうではありますね。俺はおじさんなので、クラシックなエア マックスとかの方が好きかな。その当時を知ってるから、思い出深いっていうのもあって。

ー90年代だと、エア マックスはダンサーの人たちが履いていたっていう印象が強いですよね。

今野:そうですね。90とかBWとか。この話、興味なさそー(笑)。

kiLLa一同:(笑)

今野:興味を持とう(笑)! でも、思い出話になっちゃうのが嫌で、彼らと対談したかったんです。昔の話だけじゃないトークをしたいなと思って。客観的に見て、ここにあるエア マックスでどれが一番好き?

(kiLLa一同エア ヴェイパーマックスを指差す)

今野:おー、即答だね。そこなんだ。

Arjuna:軽いし。

今野:そこなんだ(笑)。

Ydizzy:大事ですね。そういうとこ。

Arjuna:何の洋服に合わせたら格好良いとかまでは分からないけど。

今野:でも自分らなりに、うまく履き崩しそう。俺にはファッションとしてはレベルが高そうってのが正直で。履き心地は勿論良いんだろうけど。そこが考えが固まっちゃってるところなのかな。キラの子とかなら革ジャンにエア ヴェイパーマックスを合わせたりとか、普通にやるんだろうなー。

Arjuna:俺ら世代のUSのスターとかも、それどうやって着るの? みたいなやつを着てるじゃないですか。そういう考え方が俺らにも多分あって。同年代HIP HOPマインドみたいな。イケてるやつのマインドみたいな。攻めたものが欲しいみたいなところがあるかもしれない、俺は。

日本語ラップをやってるのか、HIP HOPをやってるのか。そこの違い。

ー皆が即答でエア ヴェイパーマックスを選ぶのが凄いですね。

今野:本当に。〈ナイキ〉の提案は合ってるんだね。

Ydizzy:分かんないけど、なんかこれじゃない? って感じ。これがどういうスニーカーかとか分からないけど、一目見て、これだなって感じです。カラーリングもデザインも。

今野:デザインてカラーリングも大事だよね。皆、ファッションで色に気を遣ってる印象があるから。キラのライブを見てると、凄いバラバラなのにまとまってるというか。服に関してもそうだし、皆様子おかしいじゃん(笑)。同性にも好かれるアーティストだと思うんだよね。女の子も勿論だけど。

Ydizzy:自分たちのライブだと、客もガンガン飛び跳ねるし、女の子には危ないんですよ。けど、最近それでも女の子が前に来てくれるようになったりしていて。だから、それは完成形なのかなって。女も男も関係なく、うおー! って盛り上がってくれる。モッシュ(注釈1)してくれたり。日本だとありえなかったじゃないですか、モッシュとかも。でも、最近起こるようになって来て。それってのは、日本語ラップをやってるのかHIP HOPをやってるのか、そこの違いですかね。僕らはHIP HOPなんで。

(注釈1)ライブ会場で観客が熱狂的に盛り上がり、無秩序に客同士でぶつかり合ったりする様

No Flower:日本語ラップっていうけど、日本で有名になって、そんなに嬉しいのかな?

Ydizzy:始まりも、目指してるところも違うんだよね。

今野:やっぱり見ているところの違いなんだよな。視点の違い。今日は思っていた以上に内容の濃い話が聞けた気がします。これからもブチかましていきましょう!

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