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FEATURE|古着サミット5 お馴染みの古着好事家4名によるトークセッション。アンプラグド延長戦! Exclusive Vintage Meeting

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第二講 藤原 裕
親子で着られるヴィンテージ。ゆくゆくは自分が着ているものを子供に受け継いでゆきたい。

藤原:では次は自分のものを。まずは親子で着られるヴィンテージですね。デニムジャケットとスウェットを持ってきました。

阿部:デニムジャケットは2種類あるね。ブランドは?

藤原:プリーツのステッチがカンヌキ留めになっているのが〈ヘッドライト〉で、〈リーバイス〉みたいにボックス型になっているのが〈フォアモスト〉です。個人的にデニムジャケットはワンポケットが好きなんですが、この2つは着丈も長くて合わせやすいんですよ。

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藤原:子供が二人いるのですが、〈ヘッドライト〉は上のお兄ちゃんがもう着れないサイズになってしまい、いまは下の娘の成長待ちです。一方の〈フォアモスト〉は、そろそろお兄ちゃんが着られるサイズになってきました。最初に子供用が見つかり、その後に大人サイズを見つけるというパターンが多いです。

阿部:下の子が着られなくなったらどうするの?

今野:それはうちの娘が受け継ぎます(笑)。裕くんの娘さんのひとつ下なんで。

藤原:(笑)。自分が着ているヴィンテージは、子供達が大きくなったら受け継いでもらいたいですね。

阿部:それはいい考えだね。子供用は今野君の後、阿部家が引き継ぎますのでご安心ください(笑)。ちなみ、それぞれどれくらいの年代なの?

藤原:〈ヘッドライト〉も〈フォアモスト〉も40年代後半から50年代といった感じですね。 〈ヘッドライト〉は、福島にある「JOB314」の梅宮さんに安く譲って頂いたのですが、この大きいサイズとインディゴの濃さなら、7万8000円~9万8000円位が相場ですね。続いてのスウェットは〈スプリュース〉のスヌーピーです。

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今野:このスウェットも可愛くていいよね。カラーリングが独特だし。

藤原:ただ男の子だと可愛すぎるみたいで、上の子が嫌がるんですよ(笑)。今野さんがご自身のブランドでミッキーのキッズを作られたのを購入させて頂いて、オリーブ色で男っぽいのが気に入ってよく着ています。今ではキャラクタープリントに慣れてきたので、ようやく最近このスヌーピーも着てくれるようになりました。

阿部:〈スプリュース〉のキッズって数はどうなの?

藤原:スヌーピーということもあって、色んな種類のプリントがありますね。このスヌーピープリントは、スウェットよりもTシャツの方が数が圧倒的に少ないんですよ。そういえば10数年前に栗くんから誕生日プレゼントで黄色のTシャツをもらったね。

栗原:チャーリー・ブラウンだよね?

藤原:そうそう。XLだったから少し大きくて、アメリカに行く度に乾燥機で縮ませていたのよ。久々に着ようと思ったら、ピッタリなサイズになってた(笑)

今野:身体が追いついたんだね(笑)。それを見越した栗ちゃんがすごいな。

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藤原:次は「71205E」。これは〈リーバイス〉のデニムジャケットでもっとも数がある「70505 E」のロングバージョンです。圧倒的に数がないですね。

阿部:いまの相場ってどんなものなの?

藤原:前までは真っ紺で1万9800円が相場だったんですが、数が本当にないので最近は2万9800円くらいまで上がってきました。店によっては3万円代まで付けますよ。僕はたまたま1万2800円と安く買えましたが。

今野:サードの「557XX」に対する「558XX」と同じ関係だよね。いまサードの市場相場はどんな感じ?

藤原: ここ最近は、ファースト、セカンドに引っ張られて「557XX」も人気が上がってますよ。当然「558XX」もつられて高騰してます。この2つの価格差は意外となくて。例えば同じくらいの色で「557XX」が5万9800円なら、「558XX」はプラス1万円くらいです。

今野:よく見るとこれ、裕くんのサイズじゃないよね?転売用(笑)?

藤原:違います(笑)。 ジージャンの本も作りたいと思っているので、一応集めておかないと…。

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今野:「70505 E」との見分け方ってある?

藤原:まぁ、一番はタグにロット番号が書いているんですが、スタンプが消えているものもあるので、着丈と袖丈のバランスですよね。ボタンの数も同じですし。でも横に「70505 E」があれば、明らかに長いってわかりますよ。知らないでそのまま「70505 E」と一緒のプライスで出している店も時々あるので、注意しながら見て回ると面白いですよ。

栗原:日本ではしばらく「70505 E」って極端に安かったよね。前にアメリカでメキシコ人のヴィンテージディーラーにデカくて薄い「70505E」を見せられたとき、じゃあ30ドルで買うよなんて言ったら、『ビッグEなのになんで!?』ってびっくりされたもん(笑)

今野:確かに海外のビッグE神話はすごいよね(笑)

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藤原:次はデッドストックの「501 ”66,,モデル」です。最初は自分の生まれ年である77年製をひとつ持っておこうと探していたんですが、その年代だとどうしても色の濃さがあまり濃くないんですよ。それで結局「ファイクα」で見つけたこの74年製がとても色が濃くて、これに落ち着きました。

阿部:製造年ってどこを見たらわかるの?

藤原:内側にある白いタグです。そこの真ん中の数字から製造年が読み取れるんです。例えば74年製であれば”4”ですし、77年製であれば”7”になります。80年代からは、”81”とか”82”という表記に変わります。

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栗原:バックポケット裏のチェーンステッチは何年から採用されるの?

藤原:78年頃からあるみたいだね。でも、79年製でシングルステッチの物もあるみたいだから、過渡期にはどちらも存在してしまうみたい!

今野:へ~、それは勉強になるね。

藤原:ちなみにビッグEは73年まであるんですよ。

今野:公式だと71年だよね?

藤原:そうなんですけど、 先輩の「フェイクα」の澤田さんが73年の表記で見たことがあるらしく、どうやら余ったタグを使っていたみたいです。

阿部:ちなみにこの74年製のデッドストックはいくらしたの?

藤原:サイズによって価格は大きく変わりますが、僕が買ったW34×L33は15万8000円でした。例えば、需要の高いゴールデンサイズだったら20万円はしますよ。このデニムは自分の40歳の誕生日に下ろそうと思っています。

阿部:15万8000円のパンツは穿けないな~。

栗原:デッドストックのヴィンテージデニムはちょっと恐れ多いですね。

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今野:次は穿きやすいデニムの紹介をお願いします(笑)

藤原:誘導してもらってすいません。普段ブラックのパンツってあんまり穿かないんですが、〈リーバイス〉の「501」のブラックデニムならいいかなと思って最近買いました。

今野:あっ、これはブラックデニムでも後の方だね。初期は緯糸が白だもんね。

藤原:後期でもこのデニムはメリハリがあって、けっこう気に入っているんですよ。それこそ何百本と見て選びました。ブラックデニムの良い色落ちって少ないんですよね。

今野:デニムの作りでいうと、白い緯糸だと経糸が擦れて白っちゃけた時に、緯の白い部分も出るからメリハリが付くんだよね。だから後期仕様のブラックデニムでこの色は珍しいと思うよ。

阿部:ベルベルジンだといくらくらい?

藤原:うーん、これなら7800円ってところですかね。

今野:関西の方に行くと、メイドインUSAのブラックデニムのデッドストックは値段が高い店も増えている印象を受けるよ。1万円代中盤くらいでよく見かける。

阿部:ちなみに、いまUSA製「501」のブルーデニムでいくらくらい?

藤原:うちは真っ紺だと9800円です。

今野:もしかしたら、USA製のブルーデニムなら、このブラックデニムの方が今後高くなるというような可能性もありそうですよね。このデニムってサルファ(硫化染め)じゃないですか。同年代のブルーデニムと比べると白い緯糸とのコントラストが強い分ヒゲもクッキリと出るし、生産本数も確実に少ないですもんね。

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藤原:それとブラックデニムの方が色落ちが早い気がします。うちの若い子にデッドストックのブラックデニムを洗って、糊付けしてあげたんですが、入荷時の力作業も多いから半年くらいで、ものすごい色落ちになったんですよ。

阿部:そもそもメイドインUSAの501はいつまで作られていたの?

栗原:2003年みたいですね。その後にメキシコ製になるんですが、初期の方は生地、ディテールともにアメリカ製とほぼ変わらないですね。

今野:ここ1年でまたデッドストックはかなり減ったよね。今後、なかなか買えなくなるかも。

次のページでは、ヴィンテージバイヤー栗原道彦氏の私物をご紹介します。
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