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FEATURE|JASON POLAN NYの新鋭アーティストが語る、NYアートシーンの現状。

NYの新鋭アーティストが語る、NYアートシーンの現状。

JASON POLAN

NYの新鋭アーティストが語る、NYアートシーンの現状。

ニューヨークの街の人々をコミカルに描くことをライフワークにしているアーティスト、ジェイソン・ポラン。アメリカ最大の都市であり、さまざまな人種が行き交うニューヨークという特異な街を、独自の視点で切り取り続ける彼にとって、その街のアートシーンはどのように写っているか。〈UT〉のコレクション発表に伴い来日したジェイソン・ポランに話を伺いました。

  • Photo_Kenji_Nakata
  • Text_Mayumi_Yamasr
  • Edit_Hiroshi Yamamoto
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ジェイソン・ポラン / アーティスト

アメリカ・ミシガン州出身。大学を卒業後すぐにニューヨークに移住。ソーホーを拠点に日々街行く人々の絵を描いている。これまでに『Every Person in New York』を含む100冊以上の書籍を出版。

ニューヨークのクレイジーなところに愛おしさを感じる。

ーはじめに、あなた自身のことを紹介していただけますか?

ジェイソン:私はミシンガン州出身のアーティストで、大学を卒業してすぐにニューヨークに移り住みました。小さい頃からアートはやっていましたがこの12年でもっと真面目に取り組むようになりました。

ーニューヨークの好きなところを教えてください。

ジェイソン:ときに、クレイジーだなと思うことはあります。特に出身のミシガン州と比べると流れている時間が大分早く感じますしね。ですが、そんなクレイジーなところも愛おしく思えるのが、この街の魅力なんだと思います。

実際、旅行先でのんびりしていると、ニューヨークの雑踏を恋しく思ったりするんです。この本(『Every Person in New York』)を作るために、ドローイングをしていたときも、街の端っこに1日いるだけで何千人ものひとを描くことができました。こんなにもいろんな人種や人が混ざっているのは、ニューヨークならではだと思います。

ー描く被写体はどのようにして決めているのですか?

ジェイソン:いつもはただ、街で楽器を弾いている人や、急ぎ足で歩いている人だったり、私がそのとき面白いと思った人を対象に描きます。そのほかにも「2分間ドローイング」というものやっていて、その場合は描かれたい人たちが、出没する場所と時間を私に教えてきてくれるシステムになっています。

そこに私が出向いて2分間ほどドローイングをしますが、大体の場合その方たちは自分が描かれていることを知りません。そもそも私が行くことも伝えていませんし、気づかれない距離を保って描いてますからね。描かれた方たちにとっては、発表されることも1つのサプライズになるんです。

最初に「Every Person in New York」というタイトルを考えました。

ーどんな場所が多いのですか?

ジェイソン:基本的には彼らにとって都合のいい場所を選んでもらっています。私も彼らの負担になってほしくないので、住んでいる近くの公園、レストラン、友人との待ち合わせ場所など、本当に様々です。

このプロジェクトを通して、自分では行かないようなところに行くようになって、ニューヨークの街を改めて知れたことが嬉しかったですね。

ーこのプロジェクトはいつ、どうして始めたのですか?

ジェイソン:始めたのは2008年ごろで、理由はいくつかあります。1つめの理由としては、絵がもっと上手くなりたかったからです。それに、人を巻き込んで何かしたかった、ということもあります。

実は、最初に「Every Person in New York」というタイトルを考えました。それから、街の人々を書き始めたんです。通り過ぎる人々をその場で描いて、完成させるのは難しいですが、なるべく完成できるようにベストを尽くすように描いています。

ーニューヨークの人々を描いてきましたが、街やそれ以外の変化も共に見てきたのではないでしょうか。

ジェイソン:そうですね。このプロジェクトをやったことで、前までは気づきもしなかった変化に気づくようになったと思います。

小さな街並みの変化もそうですし、季節で変わる人の服装だったり、いろんなところに目がいくようになりました。私は基本的にソーホーにいることがほとんどなので、このプロジェクトを通して知らなかったニューヨークも知ることができました。

ーニューヨークという街に対して、これまで以上に愛着が湧いてきた。

ジェイソン:そういうことです。ただ、アメリカ人の両親を持って、アメリカで育った私にとって、ニューヨークはただ近くにいけるだけでも興奮するような場所とも言えます。

ーアーティストにとって、昔と比べると今のニューヨークは経済的に高く、住むのが難しいとよく聞きますが、どう思いますか?

ジェイソン:ニューヨークだけでも、アーティストたちが住んでいるエリアはたくさんあります。最近だと、ブッシュウィックやブルックリンにアーティストが住み始めている印象があります。

そうすると、やはり家賃も急に高くなりますし、その現状は仕方のないことだと思います。でも、私が思うに場所はそんなに関係がなくて、周りに一緒にいるひとたち、環境が重要だと思います。

鉄腕アトムの大ファンですし、奈良美智も大好きです。

ー現在進行系のプロジェクトを教えてください。

ジェイソン:『ニューヨークタイムズ』にデイリーでドローイングのプロジェクトを行っています。少し前から始まったのですが、とても楽しんやらせてもらっています。今後のプロジェクトとしては、引き続きもっともっと人を描いていこうと思っています。

ー日本の印象はどうですか?

ジェイソン:最高です。2ヶ月前に初めて日本を訪れたのですけど、それ以来ずっと友人と日本の話ばかりしていました。

私は鉄腕アトムの大ファンですし、奈良美智などの大好きな日本のアーティストがいます。それでも訪れるまでは、日本がどんな国なのかまったく想像できていませんでした。実際に来て、なんか良いサプライズをもらえた気がしています。

ー先ごろ、〈ユニクロ〉とのコラボレーションプロジェクトがローンチされました。

ジェイソン:ようやくお披露目できてほっとしています。こうやって東京まで出向いて、コレクションの発表に立ち会えたのもとても感慨深いですね。ぜひ多くの人に手に取ってもらいたいですし、ぼく自身この有意義な経験を今後の創作活動に活かしていきたいと思っています。




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