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識者が語る、ダニエル ウェリントンという現象。The Landscapers塙麻衣子

識者が語る、ダニエル ウェリントンという現象。The Landscapers塙麻衣子

2011年、フィリップ・タイサンダーによって創業したスウェーデン発の〈ダニエル・ウェリントン(Daniel Wellington)〉。2013年に日本上陸を果たすと、北欧ブランドらしい洗練されたシンプルなデザインと優れたコストパフォーマンスにより、瞬く間に人気を集め、商品展開するセレクトショップでも完売続出だという。ひとつの”現象”となるほどの、その爆発的人気の理由は如何なるものか。今回は、鎌倉を拠点にするボタニカルブランド「The Landscapers」の塙さんにその魅力を語ってもらった。そのほか、名刺代わりとしてThe Landscapersの成り立ちやその仕事内容ほか、初心者のグリーンの楽しみ方も。最高のロケーションといえるその作業場では、都会とはまったくちがう静かでゆったりとした時間が流れていた。

  • Photo_Ari Takagi
  • Text_Satoru Kanai
  • 
Edit_Shinri Kobayashi
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The Landscapers/ザ・ランドスケーパーズ

植栽関係の仕事をしていた妻と、アパレルメーカーに勤めていた夫と2人が中心になって始めた、2014年設立のボタニカルブランド。雑誌やウェブほか、ショップのグリーンを中心とした内装も手がける。鎌倉でレンタルガーデンスタジオ「KAMAKULAND」を運営し、そのすぐ近くにグリーンをテーマとしたショップを8月にオープン予定。
http://landscapers.jp/

「The Landscapers」ってなに?

―「The Landscapers」とは、どんなブランドですか?

グリーンを基軸としたプロダクトを製造販売するブランドです。花屋ではないんですよ。「The Landscapers」で企画デザインしたプロダクトの販売をメインに、グリーンにまつわるディスプレイや植栽工事を承っています。これまで小売はしていなかったのですが、近くに理想的な物件が見つかったので、もうすぐショップもオープンします。アトリエの近く且つ、お店と倉庫が一つの建物に集約できるという、私たちにとってはベストな場所で、物件をみた瞬間にビジョンが湧きました。正真正銘、鎌倉山がThe Landscapersの拠点となります。

―それは、どんなお店になる予定なのでしょう。

The Landscspersの全商品が手にとっていただける場所であるということが一番ですが、いろんな植物がみっちりあって、わあ、すごいお花屋さんだねっていうスタンスではなく、ヴィンテージのオブジェがあったり、自分たちがリスペクトする本があったり、絵があったり。わたしたちが、いいなって考えるライフスタイルを表現した空間のなかに、グリーンもあるというショップですね。

―どうやってブランドは始まったんですか?

私は学生時代建築を学び、某家具メーカーに入社。そこで夫と知り合いました。その後、彼はアパレルの道へ、私は住宅のリモデルなどのプランナーとして働いておりました。
いま、こどもが9歳と6歳なんですが、下の子が生まれてすぐのとき、それまでの時間を度外視していた働き方からもっと時間の使い方を見直そうということと、長年の職人さんへの憧れの想いから、ダメ元で植木職人に弟子入りを志願しました。子持ちの女性ということもあり一度は断られましたが、それでも受け入れて頂いて。きっと、すぐに辞めると思われたのかもしれません(笑)。

―働き方を見直すという意味もあったんですね。

それまでは会社員だったので、季節も分からず。「あっ夏の木陰ってこんなに涼しいんだ」とか、「冬の日なたってこんなに暖かいんだ」とか、四季を感じ、日が沈む頃には仕事を終える、「ああ、人間の暮らしだな」ってすごくたのしい仕事でした。そんな中、庭付きの家を探していて、最初は、修行元の川崎にある植木の里あたりで暮らそうかと思っていたのですが、偶然にも夫がこの場所(KAMAKULAND)を見つけてきて二人とも一目惚れ。1週間後にはハンコをついていました(笑)。

―初めてお伺いしたいんですが、静かないい場所ですよね。

それで、せっかく移り住むのだし、なにができるかなってふたりで考えたときに、自分たちでグリーンのブランドをやってみるのもいいよねってなって。それで商品をつくってみようと始めたのがキッカケです。

初心者でも楽しめる、グリーンのある生活。

―なぜ、エアプランツをメインにされたのでしょう。

わたし自身は、木も好きだし、花も好きだし、植物が育っていくことが好きなんです。ただ、土があると植替が必要なので、初心者がインテリアに取り入れやすいのはなんだろうって考えたら、エアプランツが最適でした。持ち運びも便利で、チェストやダイニング、キッチンにも気軽に置けますからね。ちなみに、エアプランツは俗称で、正式名称は「チランジア」。いま、700種くらいの品種があって、主に葉っぱで湿気を吸って生きています。木や石にへばりついて、空気中に浮いているようなプランツということで、このニックネームがついたみたいです。

―エアプランツは、あまり水やりをしなくていいというイメージがあります。

実は、サボテンや多肉植物よりも枯れやすいんです。サボテンや多肉は自分で保水できるんですけど、エアプランツは補水力がないので、人為的に水をあげないと枯れてしまいます。霧吹きでかけたり、水にドボンとつけてたり。頻度は季節にもよりますが、初夏だと2~3日に1回。真夏になったら1週間に1回に減らして、秋になったら増やして。

エアプランツだけじゃなく、日本では木も花も基本的にみんな同じ動きをします。春と秋が成長期で、夏と冬が休眠期。休眠期には水を押さえて、成長期には水をあげるというサイクルでやっていけば、元気に育ちますよ。

―夏は乾くから、逆にあげないといけないのかと思っていました。

サボテンも夏に水をやって枯らす人が多いですね。暑そうだと思って庭木も水をやっちゃうんですけど、真っ昼間の水やりは絶対にNGです。

―陽に当てたほうがいいんですか?

人間と同じだと思ってください。私たちが暑いと感じたら、植物も暑い。街路樹をみても、真夏って葉を垂らして疲れているのがわかります。そういうときは、多少日陰がよくて、春と秋は日光がさんさんと当たる場所、冬は室内が気持ちいいですよね。

―グリーンだけでなく、ライフスタイル全般を楽しむっていうのは、ある意味ファッション的でもありますよね。

そうですね。グリーンを育てることがファッショナブルであってほしいというのもコンセプトのひとつなので、最初にアパレルの方々をターゲットとしたのは、そういった考えを理解してくれて、且つ感度の高いお客さんが多いというのも理由でした。

生活のスイッチを切り替える時計。

―時計とライフスタイルや生活について聞かせください。時計へのこだわりはありますか?

じつは、いままで持ったことがあまりなくて、最近になってつけ出しました。子供もいますし、1日の段取りを考えないと作業が収まらないことが多いので、分単位で時間は気にするようになってきました。作業に没頭して気がつくと夕方になっていたりと、時間を忘れすぎるので……。

―実際にはどんな時計ですか?

夫が持っていたコレクションを勝手につけているので、ほとんど男物ですね。もともと、女性的なものよりもメンズライクなものが好きで、うちのグリーンの商品をみて「えっ、女性がつくってるの!」ってびっくりされることもありますね。

―〈ダニエル・ウェリントン〉もそうなんですが、メンズ、ウィメンズ関係なくつけられるユニセックスかつニュートラルなアイテムが支持されていますね。

夫のコレクションのなかでも、ここ最近はよく〈ダニエル・ウェリントン〉をつけているんですよ。作業中はどうしても汗をかくし、ひっかかるので、アクセサリー類は全部取るんですけど、都内などの打ち合わせでちゃんとした格好をするときは時計をつけています。

―生活のスイッチを切り替える機能もはたしているんですね。

ここ(自宅兼アトリエ)だと、クリエイティブな作業に没頭するし、事務作業はデスクと、場所でスイッチが変わるように、時計を持つというのもそういう意味合いがありますね。

〈ダニエルウェリントン〉は薄さやシンプルなデザインに最低限の機能だけというのも、いいんですよね。いま愛用しているのはレザーベルトですが、ナイロンベルトの種類も豊富なので、カジュアルスタイルのときに交換するのもあり。それに、汗をかいても大丈夫なので、作業中も使えそうなのがうれしいです。

あと、大きい方が好きなので、サイズ感も気に入っています。なんとなく、大きいと手首が細く見える気がするんです。

―植物は、飾るオシャレさも魅力ですが、やはり育てる楽しみが一番なんですか。

むしろ、それしかないと思います。植物を育てる行為はファッショナブルであってほしいけれども、植物自体、ファッションであってはいけないと思います。やはり、ファッションとして買った人は継続しない。そこで、花が咲いたり、水をあげて植物が喜んでいるように思えた方は、ずっと継続して育ててくれています。

―育てるというのは、ファッションにも通じますね。変化を楽しむという意味でも。

ジーンズを育てる感覚ってありますよね。わたしも夫のジーンズは絶対に洗わないです。その人に寄って洗い方干し方もあるでしょうし、ひとつのものを大事にするという点では、同じだと思います。

いま、あるアパレルブランドとガーデンウェアを一緒につくれないかという話があるんですね。それを着て原宿に行っても問題ないし、むしろオシャレだねっていうウェアをつくりたい。そのなかでは、時計のようなアクセサリーも重要なキーワードだと思っていて。作業着と普通のファッションの間に、〈ダニエル・ウェリントン〉のような時計が入ってくるのは、大事だなと思います。

THE COMMON TEMPO HARAJUKU

電話:03-5772-1247
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