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FEATURE| Reyn Spooner 今のうちに知っておきたい レインスプーナーにまつわる3つのこと。Vol.2 伊勢丹メンズ館におけるレインスプーナーの役割。

Reyn Spooner 今のうちに知っておきたい レインスプーナーにまつわる3つのこと。Vol.2 伊勢丹メンズ館におけるレインスプーナーの役割。

Reyn Spooner 今のうちに知っておきたい レインスプーナーにまつわる3つのこと。Vol.2 伊勢丹メンズ館におけるレインスプーナーの役割。

夏、到来である。常夏の国、ハワイに生まれ、ハワイアンシャツの代名詞的存在として知られる〈レインスプーナー〉連載企画第2弾。今回は吉田カバン・ポーターシリーズとのWネーム別注バッグをシーズンごとに発表する〈エッセンシャルデザインズ〉とのコラボアイテムをご紹介。開発にも関わりながらバイイングを行った伊勢丹メンズ館の柴田信友さんにその魅力を訊く。

  • Photo_Shinji Serizawa
  • Text_Ado Ishino(E)
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ーまず今回のアイテムをバイイングした経緯や理由を聞く前に。そもそも「伊勢丹メンズ館」と〈レインスプーナー〉の関係を聞いてみる。

「我々は毎シーズン、来たる夏に向けてアイテムの構成を考えていくわけです。カジュアルシャツ・半袖・柄モノ、いわゆる“盛夏アイテム”と言うのですが、メンズ館7階にとってその代表格がアロハシャツなんです。これは代々カジュアルバイヤーの中で揺るぎなき重要なポイントになっていて。

商品のマーチャンダイジングを組んでいく中で、半袖シャツをいかに長く、魅力的に売り続けることができるのか、その中心として存在し続けているのが〈レインスプーナー〉なんですよ。何年か前には、メンズ館と〈レインスプーナー〉が一斉コラボする『アロハパラダイス』というイベントを開催したりもしました」

ー各フロアで展開されている国内外のブランドが、スプーナークロスを使って様々なアイテムを提案するという、今聞いても非常に濃密な内容のイベントだ。

正直、取り扱いをやめようかと思ったときもありました。

 

「ただ、〈レインスプーナー〉というブランドは紆余曲折あり、いまMADE IN HAWAIIのアイテムが少なくなってはきているんです。そのことに対して実は昔からレインスプーナーを愛してきてくれたヘビーユーザーの方々からはハワイ製を求める声をいただいたりしていました。

現在のレインスプーナーは韓国に認定工場を持って、しっかりとハワイ本国の承認が取れているMADE IN KOREAのモダンフィットラインを展開していて、日本のマーケットにおいて新しいユーザーの獲得ができているんです。

そんな狭間で、我々としては少し考える部分はありました。オーセンティックカジュアルという名の通り、レインスプーナーといえばMADE IN HAWAIIであるべきとか、やはりラハイナセイラーという柄がもっとも象徴的であるべきとか、『アロハパラダイス』を開催して自分たちでブランドの将来性を広げておきながらも、なかなか新しい取り組みができていなかったのがここ最近のレインスプーナーとの関係でした。

ですから買い付けボリュームの内容も、やはりハワイ製のもの、たとえば長袖のプルオーバーシャツといったMADE IN HAWAIIの商品にこだわった品揃えをしてきました。テキスタイルの面白さ、歴史やヴィンテージから続くタグの変遷など、〈レインスプーナー〉はコレクター要素が非常に強い。

きちんと掘り込めばマニア向けのブランドだったものが、今後どのような販路を取っていくのか、非常に心配していた時期だったんです。正直、取り扱いをやめようかと思ったときもありました」

流行ってるから、売れてるからではない。

ー全館あげてのイベント開催も含め、〈レインスプーナー〉というブランドの本質を見つめながらこれまで共に歩んできた伊勢丹メンズ館だからこその苦悩だった。

「レインスプーナーとはかなりの時間を共にしてきたはずであり、僕自身としては10年ぐらいのお付き合いです。僕が担当している7Fのカテゴリーは、いかにブランドとの将来と我々が長くコミュニケーションできるかが取り扱わせていただく1つの前提条件になっています。

流行ってるから、売れてるからではなく、モノとしての根本にあるクオリティと背景をきちんと理解した上で互いの信頼関係を築く。そうしてさまざま別注やイベントを行うこと。そんな仕事の仕方が7Fフロアのバイヤーには伝統として引き継がれているんです」

ーそんな状況の中で、今回〈レインスプーナー〉と〈エッセンシャルデザインズ〉とのコラボアイテムの買い付けは、1つの良き契機となった。

 

「久しぶりにレインスプーナーをもう一度あたらしいお客さまに広げるきっかけができたと思いました。日本人の存在がその誕生に大きな由来を持つアロハシャツ、そのルーツであるトロピカルな柄を使いながら、さらに〈ポーター〉という日本を代表するグローバルなブランドとコラボレーションを行う。

この組み合わせが次のレインスプーナーを物語る1つの可能性として、非常に面白みを感じました。手前味噌な言い方かもしれませんが、ある程度日本を代表するデパートメントストアとして僕たちができることは、新しいチャレンジを応援してあげること。

それがブランドの将来の役に立てるのであれば是非積極的にやっていきましょうと。そう思ったのが最初ですね」

ー今回のシリーズを眺め、柴田さんが具体的に感じた魅力はどこだったのだろうか。

「実はかなり早い段階でいくつか見させていただいたんです。まずパイナップルのモノトーンでパッケージすることが非常にいいなと。レインスプーナーが展開するアイテムの中に、モノトーン柄は少ないんです。黒系のニーズは多いので、柄と色の選定はさすがだなと思いましたね。

スプーナークロスは本来コットン・ポリエステル素材ですが、それをきちんとPVCコーティングして、撥水とは言えないまでも、突然の雨にきちんと対応できるバッグとしての強さが備わっている」

EDS×Reyn Spooner×TOTE BAG ¥29,160

具体的なプロダクト制作の過程では、柴田さんからの意見も反映された。

 

「たとえばリュックやトートの底面はサコッシュと同じように最初は総柄だったんです。船底がない状態。バッグとしての機能性と強度を上げるべく、さらには全体を引き締める意味で黒にしてみることを提案させてもらいました。

タンカーの黒を使おうという話でしたが、最終的には表地がPVコーティングされたものを使用することでマッチングがうまくいきました。全体的には大型サイズで高単価なものが多いラインナップだったんでが、2015年、伊勢丹の本館ステージで〈ポーター〉のイベントをやらせてもらったんです。

いろんなヒットアイテムがあった中で、我々バイヤー側でもまったく想像していなかったのが「サコッシュ」のヒットだったんですよ。この形は最初、ラインナップの中には入っていなくて、僕らから提案させてもらいました。現代のモバイル世代にとって、必要な容量を満たす条件を満たしているアイテムだと思います」

EDS×Reyn Spooner×SAKOCHE ¥14,040

EDS×Reyn Spooner×DAYBAG ¥45,360

EDS×Reyn Spooner×HELMET BAG ¥48,600

ー新たなユーザーへのアプローチが可能になった中、逆にこれまでのヘビーユーザーの方々にはどのように受け入れられるのだろうか。

「バックパックや2ハンドルのように、マチが深くて旅にも使えるようなビッグサイズが非常に評判が高いです。新たなファン、これまでのファン、両方の方々にきちんとアプローチができるグッドバランスなラインナップになっています」

ーここまで話を伺う中で、柴田さん個人としてのレインスプーナー愛も聞いてみたくなった。

「僕個人としてはですね……レインスプーナーのタグに興味がありまして」

ーほうほう。柴田さん、強者の匂いがする。

「レインスプーナーの一番古いタグって乳首のあるデザインが特徴の“ヌードタグ”と言われるものなんですよ。個人的に一番使っているのはボードショーツで、街で履いています」

ーレインスプーナーのボードショーツはかなり珍しいのでは。

「見かけることは少ないですが、存在しているんですよ。あまり取り扱いがない原因は、いわゆるインナーサポーターの大きさの違いです。やっぱりサイズが違うので、日本人だとスカスカしちゃうんですね(笑)。

レインスプーナーのボードショーツが一番美しく見えるためには、やっぱりちょっとお腹が出てないとカッコよく見えない。よりハワイアンに近い体型じゃないとなかなか着こなせないんじゃないかと個人的な偏見を持っています(笑)」

タグの話からレアなアイテムまで。柴田さんの話はつづく。

個人的な夢はタグの年代ごとにアイテムをコンプリートすること。

 

「乳首つきなどは、コレクターの方がいらっしゃるので、譲っていただいたりしていますが、タグの年代ごとにアイテムをコンプリートするのが次の夢ですね」

ー日本を代表するデパートのバイヤーでありながら偏ったコレクター精神を持ち合わせている方に、久しぶりに出会った気がした。

「やはり百貨店のバイヤーという役割は、非常に経営的目線な部分が強いんです。お取り組みさせていただく方々が、大手アパレルさんやメゾンブランドなど大きな規模の会社が多いので、ビジネスマンとしての立ち居振る舞いとマインドが求められる。

そこにはMBAなどのスキルだったり、ファッションを読み解く、時代を読む力が必要になってきます。そういう素養を持った人間と、単純にモノが好きで、3度のメシより服が好きで若い時代を過ごしてきた人間、この2パターンに分かれるんです。で、僕は完全に後者ですね。絶滅危惧種といわれるカテゴリーです(笑)」

ーそう。柴田さん、完全に絶滅危惧種である(笑)。

 

「絶滅危惧種ネットワークはやっぱりニッチになりつつありますね。僕は買い付ける立場にいて、一方には作り手の立場の方がいらっしゃる。やっぱり作り手の方が知識も深いし、キャリアで言えば先輩が多いので、そこにはきちんと絶滅危惧種ヒエラルキーというものが存在している。

でも年代や立場・役割を越えて触れてきた方々、もしくは同年代でも知識の深い方々とのコミュニケーションやネットワークを築くことができるためのツールの一つとして、僕にとって〈レインスプーナー〉がある。

レインスプーナーはどんどんグローバルの波に乗っていますが、ローカルなマインドを残したコレクションを作り続けて欲しいなという思いがやっぱりあります。

ちょっと具体的に言うと、台襟付きのボタンダウンシャツが増えているんですが、アロハシャツであるならば、きちんとフルオープンの開襟みたいなものも、デザインとしてはチャレンジして欲しいなあと個人的な思いがあったりしますね」

EDS×Reyn Spooner×CLUTCHBAG ¥11,880

EDS×Reyn Spooner×WALLET ¥17,280  EDS×Reyn Spooner×LONGWALLET  ¥21,600

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