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FEATURE|映画『美しい星』リリー・フランキー×吉田大八監督が語り合う「UFOと三島由紀夫」。

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映画『美しい星』リリー・フランキー×吉田大八監督が語り合う「UFOと三島由紀夫」。

現在公開中の映画『美しい星』は、数多くの抱腹絶倒の爆笑シーンと同じくらい、ハッと息をのむような特別な瞬間が刻まれた作品だ。その特別な瞬間とは、我々が日常生活で「電波系」とか「スピリチュアル系」とか、そうしたレッテルを貼って遠ざけてきた場所に潜んでいる「嘘のような本当のこと」であったり、あるいは「本当のような嘘」であったりするのだろう。三島由紀夫の異色SF小説を土台にした、そんなとてもアクロバティックかつデリケートな物語を映画化する上で、吉田大八監督はリリー・フランキー以外の役者を主役にすることは考えられなかったという。

近年役者として充実したキャリアを築いてきたリリー・フランキーにとっても、『桐島、部活やめるってよ』で映画賞を総なめにした吉田大八にとっても、新たな代表作と呼ぶに相応しい傑作となった『美しい星』。同じ1963年生まれ、現在53歳のその二人に、作中でも描かれるUFOについて、原作者の三島由紀夫について、そして現在の多くの日本映画が失ってしまった「人生を変えてしまうような映画」の力について、濃密に語り合ってもらった。インタビュアーは、宇野維正さんが務めた。

  • Photo_Ayumi Yamamoto
  • Interview&Text_Koremasa Uno
  • Edit_Shinri Kobayashi

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“当たらない”お天気キャスターの父・重一郎(リリー・フランキー)、野心溢れるフリーターの息子・一雄(亀梨和也)、美人すぎて周囲まわりから浮いている女子大生の娘・暁子(橋本愛)、心の空虚をもて余す主婦の母・伊余子(中嶋朋子)。そんな大杉一家が、ある日突然、火星人、水星人、金星人、地球人として覚醒。“美しい星・地球”を救う使命を託される。ひとたび目覚めた彼らは生き生きと奮闘を重ねるが、やがて世間を巻き込む騒動を引き起こし、それぞれに傷ついていく。なぜ、彼らは目覚めたのか。本当に、目覚めたのか—。
そんな一家の前に一人の男が現れ、地球に救う価値などあるのかと問いかける

10何年間実現しなかった、作品の映画化。

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リリーさんが吉田監督の作品に出演されるのはこれが初めてとなりますが、それまでお二人は会われたこともなかった?

吉田映画賞の受賞式かなにかで隣合わせになったことはありましたよね。

リリーその時に「同じ歳なんですよね」みたいな、簡単な会話だけした記憶はあります。

にもかかわらず、吉田監督は最初から脚本をリリーさんで当て書きしていったと聞いてます。

吉田この10何年間、僕は何度もこの『美しい星』を映画化できないかと思って動いてきたんです。その都度、いろんなところで門前払いを食らったり、何度も頓挫してきたんですけど。

まぁ、頓挫しがちな難儀な企画ではありますよね(笑)。

吉田はい(笑)。でも、今回の企画が立ち上がった時に、それまでとはちょっと違って「あれ? この扉、鍵がかかってないかも」という感触があったんです。それで、いよいよ本格的に脚本を書こうとした時に、最初に思い浮かんだのがリリーさんで。

実はこれまでの10何年、この作品の主人公・重一郎を誰が演じるかっていうところで、正解が浮かんだことが一度もなかったんですよ。で、原作で主人公は52歳なんですが、その時になって初めて「あ、自分と同じ歳なんだ」って気づいたんです。10何年ずっと企画を温めてきて、とうとう自分が主人公と同じ歳になってしまった。

それで、先ほど出たようにリリーさんと「同じ歳なんですよね」って言葉を交わした記憶も重なって。これはなにがなんでもリリーさんに気に入ってもらえる脚本を書いて、出ていただきたいなって思って。

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リリー吉田さんの映画は、1本目から順番にずっと観ていて、DVDも半分以上は持っていて。そのくらい気になる存在というか、歳が一緒だと知る前から「この人、俺と好きなもの一緒なんだろうな」っていうのがあったんですよ。原作の選び方から、演出の仕方から、何か通じるものがあって。

俺の中で、本谷有希子(『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』)も、西原理恵子(『パーマネント野ばら』)も、今回の三島由紀夫も、通底している同じ匂いみたいなものがあるんですよ。そこで使われている音楽も含めて、まるで、その人の本棚やCD棚を見ているような感じ。「あ、この人の棚、俺の棚に近い」っていうことなんでしょうね。

これは実際に『美しい星』を観た今だから言えることですけど、この作品は、吉田監督がリリーさん主演で撮ったからこれだけ素晴らしい作品になったけれど、その組み合わせ以外はちょっと想像できないというか、それ以外だったら大事故になりかねないような作品だなって(笑)。

リリーあぁ(笑)。

危ない要素やヤバい要素へのあこがれ。

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乱暴に言ってしまうなら、これって「電波系」の人たちの話じゃないですか。で、三島由紀夫がこの小説を書いた時代は別として、サブカルチャーの世界で「電波系」みたいな言葉が使われるようになったことで、そこに注目が集まると同時に、90年代以降のメインカルチャーにおいてはわりとレッテルが貼られて切り離されてきた部分だと思うんですよ。

リリー根本敬さん以降ってことですよね。

そうです。でも、吉田監督もリリーさんもそれ以前の80年代までのサブカルチャー、ニューウェーブ界隈を中心に、危ないヤツやヤバいヤツが自分たちと地続きの場所にたくさんいた時代を肌で知っていて。その感覚があったから、今回の『美しい星』をこうして素晴らしい作品として着地させることができたんじゃないかって思うんですよね。

リリー自分がそうはなりたくないし、近くにいてほしくもないんですけど、変な憧れがあるんですよね。そういう人たちに対して。ロックスターみたいな存在も今とは違ってそういう要素を持っていたし。80年代まではそういう人がたくさんいた。

吉田自分が普通の人間だって自覚があるからこそ、そこに惹かれるんですよね。自分の場合は特に、ニューウェーブやパンクを通じて。例えばシド・ヴィシャスみたいにヤク中になって恋人を殺したりとか、そんな破滅的な自分は全く想像できないけど、今でも(シド・ヴィシャスの)『マイウェイ』を時々フルボリュームで聴きたくなるような、そういう気持ちにどこかで落とし前をつけなきゃなって気持ちがあったんですよ。この歳になって。

なるほど。

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吉田逆に自分が30代や40代の時は、10代20代でそういうものを通ってきたからこそ「もっとちゃんとしなきゃ」という気持ちの方が先立ってた。身の程をわきまえて、自分がすべき仕事をしようと。でも、50にもなると、「そうやって自分を取り繕ってちゃんとするのも、もういいや」って思うようになってくるんですよ(笑)。きっとそんなに先も長くないだろうし、こういう振り切った作品を作ってもいいじゃないかって。

だから、こういうタイミングで同じ世代で、ある程度同じ文化的な環境にいたリリーさんとこうして出会えたっていうのは、自分にとってすごく意味のあることで。

リリー自分の場合、全然アウトローを目指してきたつもりじゃないのに、気がつくとそうなっていたって感じですけどね。そういう意味でも、今回の重一郎の役はこれまでまったくやったことがないタイプの役で。これまで、あまり社会的地位がちゃんとある役をやったことがなかったから。

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確かに。今回、少なくとも物語の出だしの時点では、テレビ局のニュース番組で長年コーナーを持っている気象予報士っていう、めちゃくちゃカタギな役ですもんね(笑)。

リリーそう。俺にとって、ちゃんと家族がいる気象予報士も、火星人も、これまでまったくやったことがない役という意味では、どちらも同じくらい遠い距離のファンタジーだから(笑)。これまでみたいな殺人犯とかホームレスとか変な大学教授とかそういう役と違って、逆に役にドバッと入るような感覚がありましたね。

リリーさんが見た殺人鬼と、吉田監督が見たUFO。

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リリーさん自身、これまでUFOを見たりだとか、いわゆる超常現象的なものを体験したことはありますか?

リリーないんですよね。UFOもお化けもいるんだろうなって思うんですけど。

見たことはないけど、信じる?

リリーいるっていうことにしておいた方が、いろいろ説明がつくことが多い。あ、でも、殺人鬼だったら見たことありますよ。

え? それはなんで殺人鬼だってわかったんですか?

リリー小学生の時、婆ちゃん、俺、お袋って、一つの部屋で川の字になって寝ていて。夏だから窓は開けて網戸にしていて、寝床に蚊帳を吊ってたんですよ。で、夜中に俺だけパッと目が覚めた時に、網戸の向こうに作業着を着たおっさんが片手に鎌を持ってハァハァ言ってるんですよ。

(笑)。

リリー「これはヤバいものを見た」って思って、もう必死で目をつむって「これは夢だ」って思い込もうとしたんですけど、何分後かもう一度窓のところを見たら、そのおっさんがウチの網戸をハァハァ言いながら開けようとしていたんですよ。それでも、なんとか蚊帳一枚で隔てられていたから、必死にもう一度寝ようとして……。でも、朝になってそのことを婆ちゃんに言ったら、全然取り合ってくれなくて。

吉田実際に、近くで事件があったりとか?

リリーいや、そういう話はなかったみたいなんですけど、夢にしては生々しすぎませんか? 大体、そんな横溝正史みたいな情景、小学生にはリアルすぎて、実際に見てないと妄想もできないはず。

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吉田僕はUFOを見たことあるんですよ。7、8年前に。

わりと最近じゃないですか!

吉田友達と一緒に九十九里の浜辺にいたら、海の向こうに明らかに変な動きをする光を見て。最初は沖の方で水平に動いていたんですけど、そこから急に上昇を始めて。その時は興奮するというより、すごく怖くなって、車に戻ったんですよ。で、次の日、友達に電話をしたんです。その現場の近くに住んでる友達だったんで「昨日、あれから何かあった?」って。そうしたら、なんか相手は「あれはたぶん漁船だよ」とかモゴモゴ言うばかりで。「あれ? なんかおかしいぞ?」って。

リリー今回の映画のまんまじゃないですか。翌日、一緒にいた愛人の女の子にその時の状況を訊いても、相手に知らんぷりされるという。(※劇中、リリーさん役には愛人がいます)

吉田そうです。あそこはその時の体験から。あ、自分と一緒にいたのは男友達でした(笑)。

リリー浜辺で変な動きをする光を見るっていうのも、完全に(橋本)愛ちゃんのエピソードと同じですね。

吉田はい、あそこもそうです。でも、別にその体験があったから『美しい星』への思い入れがより強くなったとかじゃなくて、それは自分としてはまったく別個のものとしてあるんですよ。ただ、せっかくそういう体験をしたわけだから、そこは脚色にも入れ込んでみようかなって。

リリーあの浜辺のシーンは、やけにリアルに感じたんですけど。なるほど、そうだったんですね。

さまざまな人を夢中にさせる三島由紀夫の魅力。

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今回の『美しい星』の面白いのは、どんなにぶっとんだ出来事も、基本的にリアリズムの中で描かれているところなんですよね。我々が暮らしている日常と地続きというか。80年代くらいまでは、例えば『北の国から』とかにもUFOのエピソードがあったりしましたけど、最近はリアリズムはリアリズム、SFはSFって、そこが完全に分かれちゃってる。特に日本の作品は。

リリーあれは当時、倉本(聰)さんが富良野で本当にみんなでUFOを呼ぼうとして、そこからきたエピソードなんですよね。『未知との遭遇』以降、あの頃はわりとそういう感じで、日常生活とUFOって意識として遠いものじゃなかった。

吉田矢追(純一)さんの番組とか、みんな見てましたよね。

リリーそうそう。で、そういうブームが去った後は、まだUFOの話とかをしてると、変な目で見られるようになっていって。

吉田UFOでいうと、自分にとって大きかったのは、大友(克洋)さんの『宇宙パトロール・シゲマ』(1979年刊行の短編集『ショート・ピース』に収録)ですね。自分は火星人だ水星人だ、とか軽口を叩きながら酒飲んで麻雀してた連中が、徹夜明けの朝にぶらぶら海まで歩いて、そこで海面から飛び出すUFOを見る。だから、最初に三島由紀夫の『美しい星』を読んだ時、「あ、これ、『宇宙パトロール・シゲマ』だ」って(笑)。

へーっ。

吉田で、あとで聞いたところによると、大友さんも三島由紀夫の『美しい星』に影響を受けたって話をしているらしくて。あ、自分の勘違いじゃなかったんだって。

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ところで、お二人にとって三島由紀夫ってどういう存在だったんですか?

リリー普通に高校生の頃に代表作みたいなのは読んでいましたけど、東京に出てきて、美大に入ったら、周りにハードコア・パンクの人とかがたくさんいて。当時、彼らにとって一番いけてる作家が三島由紀夫だったんですよ。それに自分も多少感化されたところはありました。

三島由紀夫が自決したのは1970年でしたが、その時お二人はーー。

リリー7歳。だから、俺らの世代は本を読む前から名前だけは鮮烈に刻まれていたんですよ。当日にそのニュースを見たかどうかは覚えてないですけど、その後も、テレビで延々と三島関連の話題や写真を目にすることになりましたからね。

吉田海外のミュージシャンにも三島ファンは多かったですよね。ストラングラーズのジャン=ジャック・バーネルなんて『Death And Night And Blood(Yukio)』って曲まで書いてる。むしろ、自分にとって三島由紀夫の入り口はそういった音楽からだった。

デヴィッド・ボウイの三島好きも有名ですよね。

リリー特に80年代は海外の方が三島に熱かったですよね。

日本だと、どうしても政治的、思想的な背景もあって、あまりファンであることを公言しにくいという空気もありました。

リリーあと、ホモセクシャルの問題もあった。結局日本では公開されなかった緒形拳さんやジュリー(沢田研二)が出てる“Mishima:A Life In Four Chapters”(ポール・シュレイダー監督、1985年の作品)ってあったでしょ? あれ、俺、最初に見たの小倉のサウナだったんだ。

え?

リリー当時はなんでこんなところでこんな映画のビデオ流してるんだろうって思ったんだけど、今考えれば、きっとハッテン場だったんでしょうね、そのサウナが。

なるほど!

リリーなかなか見られない作品だから、サウナで最後までじっくり見ましたけどね。自分にとって三島はそうやっていろんなところで不意に出くわす、ポップスターであり、トリックスターであり、かっこいい人だったというイメージがずっとある。

吉田どうしても政治的な偏見というのが、ああいう死に方をしたわけだからついてまわる人ではありますけどね。正直、僕も『美しい星』を読むまで、ちょっと敬遠しているようなところがあったんですよ。でも、彼のことを知っていくうちに、ああやって最期までジタバタしていたその生き方も含めて共感を覚えるようになりました。

『美しい星』って小説も、その時代の空気にすごく背中を押されて書かされたような作品で。三島って、わりと審美的、美学的な見地で語られることも多いですけど、いつも生々しいところに手を突っ込んでいって、そこで自分の手が汚れることも厭わなかった作家だったと思うんですよね。そういう姿勢っていうのは、今回の映画を作る上で自分も忘れないようにしようと思っていたことです。

マーケティングから作られない日本映画を。

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リリー脚本の完成稿ができるまで、毎回読ませてもらっていたんですけど、こんなに毎稿、毎稿、内容が大幅に変わる脚本は初めてでしたね。セリフが変わるだけじゃなくて、シーンの意味も変わっていったし、討論の内容も変わっていったし、俺の愛人も変わっていった(笑)。それだけ、吉田さんが熱を込めて取り組んでいるのが伝わってきましたね。

吉田脚本に取り組んでた時期は、ちょっと自分で自分がおかしくなってるのがわかるくらい異常に集中してました。

リリーきっと俺らは、こういう大人がちょっとおかしくなって作った映画を大学生の時とかに観て、おもしれえなとか、イカれてるなとかって思って、それがその後の道筋につながっていったと思うんですよ。

最近、特に日本映画って、作り手が観客をリサーチしすぎて、若い子にはこういう映画を、おじさんたちにはこういう映画を、って感じで作ってる作品が多いじゃないですか。そうやってみんなが雑味に触れないようになってる時代だからこそ、こういう雑味だらけの映画を若い人にも観てほしいですね。

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自分がこの作品を観た後に真っ先に思い出したのは、これは試写の直後に思わずツイートもしたんですけど、中学生の時に映画館で観た森田芳光監督の『ときめきに死す』でした。久々にああいう感じの、ぶっとんだ日本映画を観たなって。

リリーそうそう。そういう経験を、もっと今の若い人にもしてほしいんですよ。

吉田実は僕、後にも先にも、初日の舞台挨拶に並んで観た映画は『ときめきに死す』だけなんです。当時、ジュリーの大ファンだったんで。そういえば、この作品で一雄を演じてくれた亀梨(和也)くんには、ちょっと当時のジュリーのような面影がありますよね。

リリーあります。あと、『ときめきに死す』で思い出すのは杉浦直樹さんだな。俺もジュリー目当てで映画館へ観に行ったんですけど、作品があまりにもカッコよくて、『岸辺のアルバム』でお父さんをやってた杉浦直樹までカッコよく思えてきてびっくりしましたね(笑)。

吉田あ、『岸辺のアルバム』は今回『美しい星』を作るにあたって見直したんですよ。4人家族の物語というと、やっぱりあの作品がどうしても頭をよぎって。

リリーそういえば、今回の映画のエンディングは、ちょっと『岸辺のアルバム』っぽいところがありますよね。

確かに! 話は尽きないですが(笑)、今回の『美しい星』も、そうやって20年後にも30年後にもずっと語り継がれていく特別な作品だと思います。

吉田&リリー(笑)。

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撮影協力_明治大学 駿河台キャンパス アカデミーコモン

美しい星』
全国公開中

監督:吉田大八
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介
脚本:吉田大八、甲斐聖太郎
原作:三島由紀夫『美しい星』(新潮文庫)
音楽:渡邊琢磨
配給:ギャガ

©2017「美しい星」製作委員会

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