腕時計は、男心をくすぐる“ガジェット”である。
- —まずお聞きしますが、おふたりにとって腕時計とはどういう存在でしょうか?
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小木:男の物欲の対象として、昔もいまも変わらないものだと思います。アートを手元に置きたいとか、クルマが欲しいとか、書斎を持ちたいとか、男ならそういう欲求って大なり小なりあるじゃないですか。腕時計もその対象のひとつかなと。以前、アートについて、「いい絵を部屋に飾って毎日見ていると、それまで気づかなかったことに気づくようになる」と言っている人がいたのですが、腕時計もそれに近い気がします。毎日見ることによって、自分の成長を確認できるというか。
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梶原:たしかにそういった側面もあると思いますが、個人的にはそのあり方が昔と比べて変容しているところがあると思っていて。昔は腕時計って“ステイタス”の象徴でもあったけど、最近はもはや広義の“ガジェット”のひとつとして捉えられるようになったと思うんです。
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小木:腕時計=ガジェット。なるほど、確かにそうかもしれませんね。
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梶原:以前はガジェットと言えばデジタル機器のことを指しましたが、ぼくらのいまの感覚では、クルマも、スニーカーも、そして腕時計も、ガジェット感覚で選ぶのが当たり前。その先駆者が藤原ヒロシさんだったと思うのですが、それはさておき、時刻を確認するという機能がケータイやスマホに置き換わった結果、腕時計選びにおけるパラダイムシフトが起こったことは確かだと思います。
オーバースペックだからこその魅力。
- —梶原さんがプロデュースを手がける「セイコー プロスペックス ダイバースキューバ LOWERCASEプロデュース限定モデル」に関しても、まさにそういった“ガジェット感覚”を大切にされたということでしょうか?
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梶原:そうですね。ガジェットの魅力のひとつに“オーバースペック”であることがあると思いますが、この「ダイバースキューバ」も本格的なダイバーズウオッチとしての高度なスペックを備えています。
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小木:特に日本人はオーバースペックなものが好きな側面があると思いますし、ガジェットってオーバースペックなほうが魅力的だったりしますよね。
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梶原:この「ダイバースキューバ」はダイバーズウオッチとして本格的なうえ、ソーラー駆動のクオーツであり、機能面では最新で最良。ただ、それだけだと価格とコストパフォーマンスで比べられるコモディティ的なものになってしまうから、昨今のトレンドであるアメカジのエッセンスを加えるなどして、ファッション的な付加価値をプラスしています。
このポジションの腕時計、ありそうでなかった。
- —実際に身につけてみた印象はいかがですか?
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小木:程よい重みがあって、高級感もありますね。それでいて4〜5万円台というプライスはとても魅力的だと思います。この価格帯でこのポジションの腕時計って、いままでありそうでなかった気がします。
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梶原:はい、なかったと思います。なかったからこそ、そこを狙いました。
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小木:ダイバーズウオッチ自体、ファッションアイテムとしても魅力的ですし、この「ダイバースキューバ」はディテール面でもすごく惹かれます。こちらのモデルは文字盤の日焼けしたような風合いが印象的。今時のアメカジの手元にあわせやすそうですね。
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小木:一方、ブルーの差し色を効かせたこちらは精悍な印象。モダンな着こなしにもハマりそうですし、自分はデニムを身につけることが多いので、色をあわせやすそうです。
夏らしい爽やかなブルーの差し色を効かせたこちらは数量限定モデル。ソーラー充電機能/強化プラスチック製外胴プロテクター/ステンレスケース/シリコンストラップ/200m空気潜水用防水 左「SBDN045」¥45,000+TAX、右「SBDL045」¥55,000+TAX ※いずれも数量限定5,000本
あらためて実感するセイコーの底力。
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小木:それにしても、両モデルともデザインやカラーもいいですが、質感も高いですよね。それでいてこの価格設定はすごいと思います。
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梶原:そうなんですよ。僕自身、サンプルが上がってくるたびに、クオリティの高さに驚かされました。
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小木:あらためて、セイコーの底力を見せつけられた気がします。以前、海外の人と話しているなかで、「なんで日本人はファッションショーに日本人のモデルを起用しないんだ」「なんで日本人は日本のブランドにもっと目を向けないんだ」と言われたことがあって。それ以来、日本のモノやブランドを見直すようになりました。セイコーも世界に誇るべきブランドのひとつですよね。
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梶原:僕も昔ビームスにいたとき、自分を含めまわりの人たちはインポート至上主義みたいなのがありましたが、あるときから、ぼくらの意識に変革が起きました。いいものはいいじゃん、と。この「ダイバースキューバ」をきっかけに、セイコーという日本のブランドの魅力をより多くの人に知ってもらえるといいですね。