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FEATURE|YSTRDY’S TMRRWが描く今日の服。

PART 03_YSTRDY’S TMRRW

ブランドを通して表現したい“今日”のファッション。

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改めて、〈YSTRDY’S TMRRW〉はどんなブランドになっているか教えてください。

管野いまの気分”を反映させたブランドになっています。さっき話した、自分が多感だった時代のムードをいまっぽく表現しているというか。ちょうど“90’s”というキーワードがいまのトレンドのキーワードになっているし、タイミングとしてはすごくいいんじゃないかと思っています。

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“いまっぽく表現している”という部分では、ドロップショルダーやワイドシルエットのアイテムが目立ちますね。

管野昔からこのシルエットが好きなのですが、単純に若い子にも響かせたいんです。クラブに遊びに行ってるような20代の子たちに着てほしい。ルックのコーディネートも是非見てほしい。

そこにもこだわりがあるんですか?

管野もちろん。プロペラ時代にアメカジブランドの良さは確認できたんですけど、その服を生かすも殺すもコーディネート次第だなと感じたんです。Tシャツの上からネルシャツを羽織って、デニムとワークブーツを合わせるっていう王道的なアメカジスタイルは、ファッションとして成立しているのか? と、ふと疑問に思ったことがあって。今回ぼくがつくったアイテムはアメリカ古着をベースにしているし、それをいかにコーディネートでかっこよく魅力的に見せるか? という部分にすごくこだわりました。

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先程おっしゃっていたアメリカ人の気の抜けた感じをどうファッションに落し込むか? という部分ともリンクしますね。

管野そうですね。ぼくはダサいものがかっこいいものとして成立する過程がファッションの醍醐味だと思っているので、かっこいいものをそのままかっこよく見せるのはトゥーマッチな気がするんです。そういうルックをつくりたくて、今回は自分でスタイリングをしました。

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どのスタイリングもそうですが、レイヤードを駆使していますよね。

管野ファッションを表現する上で、レイヤードしたほうがモードっぽく見えるんじゃないかなって。中になに着てるんだろう? って思わせることも面白いかと。インナーのタンクトップが見えてるとだらしなく感じるかもしれないけど、ぼくはどこか愛着を感じるんです。フーディー、トラウザー、スニーカーで完結するスタイルは、どこか味気ないというか。

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ルックにはどれもミックスコードが使われていますね。これにはなにか意味があるんですか?

管野アイコン的にミックスコードをつけています。いわゆるシューレースを意識してなんですけど、自分の中で90年代ってスニーカーの靴ひもを変えるのが流行ってて。それって、ファッションを楽しもうとしているマインドの表れのような気がするんです。アイテムにミックスコードを付属させることで、その気持ちをコレクションに落し込みました。がむしゃらにファッションを楽しんでほしい、というメッセージを込めて。

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PADDED PACIFISM COAT ¥46,000+TAX

コレクションのなかで特にプッシュしたいアイテムはありますか?

管野どれも大事なアイテムではあるんですが、強いて言えばこのミリタリーのコートですね。これがいちばん最初にデザインしたアイテムです。ぼくは毎年冬になると「ミリタリーコート」を着ていて、自分にとって定番だから、これをつくらないと話にならないな、と。生地は化学繊維を使って未来的なムードを出しつつも、あえて縫製でパッカリングさせることで古着っぽい見え方にしています。あと、中綿を入れているのですごく軽くて暖かいです。

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TAPERED LEG TRACK PANTS ¥20,000、CREW NECK TRACK TOP ¥20,000+TAX

管野あとはこのトラックスーツです。ぼくはスポーツが好きなので、それを服で表現しました。コレクション全体を見渡したときに、いかにも古着なアイテムばかりになっちゃうのもおもしろくないし、いまのトレンドではジャージがひとつのキーワードになっていると思う。ぼくのなかでそこがリンクしたので、このアイテムをつくりました。

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BAGGY RIDER JACKET ¥92,000+TAX

管野このライダースはプロペラで働いていたときに、ビッグサイズのライダースがずっと売れ残っていて、かっこいいのになんで売れないんだろうってずっと思ってたんですよ。このアイテムはそのオマージュですね。たっぷりと身幅があって、着丈は短め。ジップの引き手を長くしてモードっぽい印象を与えました。

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RED HOT CHILI PEPPERS T-SHIRT ¥12,000、L/S T-SHIRT ¥14,000+TAX

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのTシャツは「ベンダー」、「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」、「カバーコード」だけの限定なんですよね。

管野そうです。90年代の音楽といえば、ぼくのなかではレッチリが思い浮かぶんですよ。というのも、当時、どこのお店に行ってもこのバンドの音楽がかかっていたんです。今回、プリントTでカルチャーを表現することができなかったから、その気持ちをこのアイテムに託しました。

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P.E. HIGH-TOPS SNEAKER ¥14,000+TAX

ルックでも目立っていたシューズはどうでしょうか?

管野足元までしっかりとトータルコーディネートできるブランドにしたいという気持ちがあったので、シューズをつくりました。元ネタはご覧のようにオールスターですね。愛着ある風合いに近づけるために、ソールはすこしだけ厚めで、トゥーキャップは小さめにしました。あとアッパーの生地をクシュっとくたびれた感じにするために、製品染めをしています。それによってソールも淡く染まったんですが、これも味のひとつですね。あと、実はアッパーの生地と生地の間に中綿を入れていて、フワっとした履き心地にしています。

〈YSTRDY’S TMRRW〉は“いまの気分”を反映させたコレクションになっていると話にありました。次のシーズンはまた、今季とは違うムードの服をつくる予定ですか?

管野そうですね、変わらないとダメだと思ってます。どんどん新しいものをつくっていくことがブランドの宿命だと思ってます。関わる人や訪れた場所など、そのときの環境を大事にしつつ、そこで自分が感じたことをクリエーションに反映させていくつもりです。

長い目で見たときに、ブランドをどう成長させて行きたいか、最後に教えてください。

管野服が好きな人に響かせたいという気持ちがあります。デザイナーとしてうれしい瞬間は、街を歩いているときに自分の服を着ている人に出会ったときなんです。その瞬間に多く巡り会えるように、まずは一本筋の通ったブランドとして成長させていきたい。いまはそんな気持ちでいます。続けられないと意味がないから、常に魅力的なブランドでありたいですね。

次のページではYSTRDY’S TMRRWの最新ルックをご紹介!
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