HOUYHNHNM

FEATURE|The Man Who is Working At The Place.

あの街のこのひと。

- JOURNAL STANDARD LUCUA OSAKA -

Photo_Yousuke Morimoto
Edit_Yuichiro Tsuji

06ファッションと音楽、
二足のわらじを履くルクア店スタッフ

全国津々浦々、各地に名産、名所、名物があるように、
〈ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)〉のお店にも
“名物スタッフ”と呼ばれるひとがいる。
ファッションに対して熱い情熱を燃やし、誰にも負けない趣味を持っていて、
自身が働く街に対して深い愛情を抱いている。
そんな彼らに、ファッションのこと、自分自身のこと、
そして街のことを語ってもらおう。きっと、おもしろい話が聞けるにちがいない。

「きみはジャーナル顔してるから」と言われて腑に落ちた。

高層ビルが建ち並び、商業施設がひしめく梅田を中心とした「キタ」エリア。大阪駅に直結するルクアの3階に「JOURNAL STANDARD ルクア店」はある。このショップに所属する山内佑也さんが今回登場する名物スタッフ。クールで落ち着いた雰囲気の彼は、日々ファッションに携わるよろこびを噛み締めながら、実直にお客さまと向き合っている。

「高校を卒業する頃ですかね、なんとなく洋服に関係する仕事がしたいと思ったのは。京都によく通っているお店があって、そのスタッフさんに対する憧れがあったんです。で、その後は大学へ入学したんですけど、ファッションへの想いから大学を中退をして服飾の専門学校へ通うようになったんです」

その学校ではファッションビジネスを専攻していた山内さん。就職活動の時期になると、友人に誘われてベイクルーズ・グループの会社説明会に参加し、エントリーシートを提出。見事選考を通過し、晴れて入社を果たしたけれど、志望はもともと他のブランドだったんだとか。

当時は細くて黒いモードなスタイルが好きで、じつはエディフィスで働きたいなぁ、なんて思ってたんですよ(笑)。なので配属希望も自分の気持ちに従って提出したんですけど、結果、ジャーナルスタンダードに配属になって。所属店舗の発表があったときは正直驚きましたけど、上司に『きみはジャーナル顔してるから』って言われてなんか腑に落ちたんですよね。あぁ、そうかもな、って(笑)」

ジャーナル スタンダードに入ってから
自分の基盤ができあがった。

そうしてジャーナル スタンダードの一員となった山内さんは、自身が語るように当時はモードなスタイルが好きだった。アメリカンカジュアルをベースとするジャーナル スタンダードのスタイルにギャップは感じなかったのだろうか?

たしかにアメカジがベースにありますけど、モードの要素がゼロというわけではないですし、単純にファッションに囲まれて仕事をするよろこびがあったので、すごく楽しかったですね。むしろ、ジャーナル スタンダードに入ってから自分のスタイルの基盤ができあがったといっても過言ではない。洋服にまつわるさまざまな知識を先輩たちに教えてもらって、奥深い世界にどんどん引き込まれていきました」

それまではデザインやシルエットなどの表面的な部分に洋服の価値を見出だしていたけど、先輩たちに教えを乞う度に、ブランドの生産背景や文化的背景にも興味を持つようになったそう。そして、それらすべての要素を加味してはじめて洋服の真価がわかるのだ、ということに気が付いたんだとか。

「先入観を持たずにこのお店に入ったのが逆によかったのかもしれないです。入社してから丸4年半が経過して、いまは本当にいいと思う服がわかるようになりましたし、自分で着るものも作り手のこだわりを感じるものを選ぶようにしています。クラシックと呼ばれるものから新進気鋭のブランド、そしてオリジナルに至るまで、ジャーナル スタンダードには一本筋の通ったアイテムであふれていますから、自分の買い物をするのには困りませんね(笑)」

お客さまの笑顔を貪欲に追って行きたい。

そんな彼がフェイバリットブランドにあげるのがオイルドジャケットでおなじみの〈バブアー〉だ。

「イギリスのブランドなので厳密にいうとアメリカンカジュアルではないかもしれないですが、それでもアメカジのアイテムとの相性は抜群ですよね。男らしいイメージが強いけど、着方によってはきれい目なスタイルにも持って行けるし、守備範囲の広さも魅力だと思いますね」

今季おすすめだという別注のコートを手に取りながら、真剣な眼差しでそう語る山内さん。通常、チェック柄のライニングになるところをカモフラージュ柄にアレンジし、フードもコンパイルして販売しているこのアイテムを使ってコーディネートを組んでもらった。

「着丈の長いコートなので、〈バブアー〉のもつ力強いイメージが程よく残りつつ、より都会的な着こなしができるのがこのアイテムの魅力。インナーはあえてニットだけにして、老舗ブランドのアイテムをラフに着こなすのがおしゃれだと思います。なので、パンツもイージータイプのものをチョイスしました。足元はやっぱりスニーカーで軽快にいきたいですね」

クラシックなイメージをいい意味で覆す洗練されたコーディネートを披露してくれた山内さん。最後にショップスタッフとしての今後の目標について聞いてみた。