HOUYHNHNM

FEATURE|The Man Who is Working At The Place.

あの街のこのひと。

- JOURNAL STANDARD SHINSAIBASHI -

Photo_Yousuke Morimoto
Edit_Yuichiro Tsuji

05独特の存在感を放つ
心斎橋店の守り神。

全国津々浦々、各地に名産、名所、名物があるように、
〈ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)〉のお店にも
“名物スタッフ”と呼ばれるひとがいる。
ファッションに対して熱い情熱を燃やし、誰にも負けない趣味を持っていて、
自身が働く街に対して深い愛情を抱いている。
そんな彼らに、ファッションのこと、自分自身のこと、
そして街のことを語ってもらおう。きっと、おもしろい話が聞けるにちがいない。

大阪の「ミナミ」にそびえる
ジャーナル スタンダードの旗艦店。

大阪の繁華街は大きく「キタ」と「ミナミ」という2つのエリアで分かれている。さまざまな企業のビルボードがひしめく道頓堀や、古着屋や飲食店などたくさんのショップが建ち並ぶアメ村などがあり、大阪の文化を色濃く感じることができるのが後者の「ミナミ」だ。関西のジャーナル スタンダードの旗艦店である「JOURNAL STANDARD 心斎橋店」があるのもこのエリア。このお店は天井が高く、ゆったりとした解放的な空間が広がっていて、ほかのお店にはないちょっと贅沢な内装が魅力。もちろん、アイテムのラインナップも幅広くて、長時間いても見飽きることがないのも特徴だ。

「この広い店内は〈ジャーナル スタンダード〉、〈ジャーナル スタンダード トライセクト〉、〈J.S.ホームステッド〉の3つのラインのゾーンから構成されているんです。うちのお店は関西のなかでもいちばん広くて、セレクトのアイテムも多く取り揃えています。『ジャーナル スタンダード』というお店の世界観がギュッと凝縮されているので、はじめて来店されたお客さまから、ファッション好きのお客さままで、幅広い方に楽しんでいただけると思いますね」

そう教えてくれたのは、このお店の名物スタッフである亀山友浩さんだ。三つ編みのヘアスタイルに長いヒゲ、広いゲージのピアス、何重にも重なるインディアンジュエリー。これまで紹介してきたどのスタッフとも違うオーラを彼は放っている。

「髪はもう10年ぐらい長いままですね。半年に一回くらい切ってますけど(笑)。こういう風貌なので海外のお客さまにも気に入っていただけることが多いんです」

ショップのこだわりがつまった商品を通して
洋服の世界の楽しさをお客さまと共有したい。

もともとヴィンテージの洋服が好きで、古くて味わいのあるアイテムを眺めながら、生地のことや洋服のもつ機能、ディテールに関する知識を蓄えていたそうだ。そんな彼が担当しているのが、〈J.S.ホームステッド〉のゾーン。アメカジのアイテムをベースに現代的な解釈を加えて再構築したこのラインのオリジナルアイテムは、非常にクオリティーが高く、コアな洋服好きでさえも唸ってしまうほどの高い完成度を誇る。

「〈J.S.ホームステッド〉の強味はトレンドに左右されないことですね。自分たちが自信を持って『良い』と思える洋服をつくっているので、ひとつのアイテムをつくるのにも手間がかかっているし、当然コストもかかる。セレクトショップのオリジナルアイテムとは思えないほどつくりにこだわっているし、クオリティーも高いと思います。そのこだわりが洋服の魅力や価値を高めてくれるし、実際〈J.S.ホームステッド〉のアイテムを通してファッションの楽しさ、洋服のおもしろさをお客さまと共有できているんです」

そう話しながら亀山さんが我々に紹介してくれたのが彼の顧客さまである松本俊亮さんだ。松本さんは亀山さんに接客を受けて以来、〈J.S.ホームステッド〉のアイテムを通して洋服の奥深い世界から抜け出せなくなってしまったそうだ。もちろんいい意味で。

「はじめて〈J.S.ホームステッド〉のアイテムをみたとき、『これって本当にジャーナル スタンダードの商品なの?』って思ったのをいまでも覚えています。ほかのどの商品とも雰囲気が違うし、なんか独特のオーラがあったんですよ。で、商品を手に取ろうとしたときに亀山さんに声をかけられて、アイテムがつくられた背景とか、生地のなりたちとか、いろんな説明を受けているうちに『目に見えるだけが洋服のおもしろさじゃない』ということに気付いて。それ以来ずっと亀山さんと〈J.S.ホームステッド〉の虜ですね。流行り廃りのない本物の洋服がここにはあるので」(松本)

アイテムをより魅力的に見せる亀山さんのお店づくりのこだわり。

ひとつ一つのアイテムもそうだけど、それをよりかっこよく魅力的に見せる店内のディスプレイやレイアウトにも亀山さんのこだわりがつまっている。

「商品のラインナップがどれもヴィンテージをベースにしたものなので、コテコテのアメカジコーナーみたいにならないように異なるニュアンスのアイテムとミックスさせながら新鮮な見え方になるように意識していますね。最近では和のテイストを取り入れたアイテムや、アフリカっぽい生地を使った商品も展開するようになってきたので、そういったアイテムを効果的に合わせながら新しい〈J.S.ホームステッド〉を発信しているんです」(亀山)

亀山さんのこの言葉を受けて、松本さんもゆっくりとした口調で語りだす。

「ここに来るたびに新しい発見があるんです。それは洋服の知識の部分でもそうだし、ファッションとしての洋服の組み合わせの部分でもそう。ぼくはまだ22歳なんですけど、20代後半くらいに見られることもあるんですよ。それはきっと、このお店の洋服を着ているからなんですよね。亀山さんが提案してくれたアイテムやコーディネートがぼくを大人っぽく見せてくれているんだと思うんです」(松本)

現在大学へ通っているという松本さんは、ほかの学生とはちがう着こなしができるところもこのラインの魅力だと語ってくれた。“本物の洋服”が揃う〈J.S.ホームステッド〉。最後に亀山さんに今後お店をどう成長させていきたいか聞いてみた。

「もっと貪欲にカッコいいお店へとしていきたいですね。本社と連携しながらより魅力的なアイテムをつくるのはもちろん、アイテムの強さに負けないように売場に立つスタッフの個性も磨いていきたい。そうして『JOURNAL STANDARD 心斎橋店』ならではの魅力を高めて、ここでしか味わうことのできない世界感をお客さまに提供できるようにしていこうと思っています」(亀山)

JOURNAL STANDARD 心斎橋店
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-3-21
電話:06-6253-8032
11:00~21:00 / 年中無休