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NIKE AIR MAX A to Z 2015年版。ナイキ エア マックスの(だいたい)すべて。

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〈ナイキ〉のイノベーションを象徴するランニングシューズであるとともに、ファッションアイコンとしても幅広い層から支持され続けている「ナイキ エア マックス」。近年のスニーカーシーンの盛り上がりも相まって、その存在感は高まるばかり。なぜこのシューズは人々を魅了してやまないのか? AからZまでの26のキーワードとともに、その魅力を解き明かしていきます。3月1日から26日まで毎日更新!

Edit_Issey Enomoto, Hiroshi Yamamoto
Art Work_Masayoshi Suzuki(BY ONE)

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「ナイキ エア」はどのようにして生まれたのか?

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「ナイキ エア」が初めて外から見えるようになったシューズ「エア マックス 1」(1987)

スポーツシューズ業界でもっとも著名なテクノロジーといえば、「エア マックス」にも搭載されている「ナイキ エア」で間違いないだろう。気体を透明なウレタンフィルムで包むという単純明快ながら高度な製造技術を必要とするこのテクノロジーは、1977年にNASA(アメリカ航空宇宙局)などに出入りしていたエンジニアのフランク・ルディが、そのアイディアをナイキに持ち込んだことから開発がスタート。

ルディの革新的なアイディアをナイキは高い技術力を駆使して製品化を目指したが、「ナイキ エア」は1978年末のホノルルマラソンのタイミングでテスト販売されたランニングシューズ「テイルウインド」に初搭載され、翌1979年に正式発表されることとなった。

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「テイルウインド」(1979)に搭載された「フルレングス エア」

当時ミッドソールにはラバースポンジやEVAが採用されていたが、これらのフォーム素材は走行を繰り返すと素材内部を構成する気泡が潰れて、衝撃吸収性の劣化が起こりやすかったが、気体である圧縮ガスを原料とする「ナイキ エア」は、これらのマテリアルと比較してクッション性の低下が起こりにくかったのである。

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「エアマックス 95」(1995)などのヒール部に搭載された「マルチチャンバー エア」

また固体と気体ではどちらが軽いかは明白であり、「ナイキ エア」を採用するということは、比類なき衝撃吸収性と反発性をスポーツシューズに与えるだけでなく、シューズの軽量化にも大きく貢献することとなった。

ちなみに現在のナイキエアに使用されている気体は窒素ガス。最近では自動車タイヤに充填することがポピュラーになったことが示すように、分子サイズが大気よりも大きいので、エア抜けしにくいという。

Text_Masahiro Minai

ナイキ エア マックスの詳細はコチラ
nike.com/airmax