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AMRICAN EAGLE OUTFITTERS®と考えるアメカジのイロハ。 vol.12

Photo_Yozo Photo_Yozo Yoshino[takibi]
Edit&Text_Jun Namekata［The VOICE］

ファッションの歴史を変えた男

アメカジの歴史を語るとき、カート・コバーンはやっぱり外せない。アメカジだけじゃない。カートはそのスタイルで、ファッションの歴史にも爪痕を残した男だ。今だってそのカリスマ性は続いている。

カート・コバーンは1987年に結成されたアメリカのロックバンド『ニルヴァーナ』のボーカル/ギター。1991年に発表した2ndアルバム『ネヴァーマインド - NEVERMIND - 』はBillboardで1位を記録。ヘヴィ・メタルがまだ主流だった当時のアメリカ音楽業界に衝撃を与え、オルタナティヴ・ロックの中の“グランジ”というカテゴリーを世界中に知らしめた存在だ。その音楽性もさることながら、彼が放つ存在感は本当に圧倒的だった。楽曲だけでなく、そのスタイルそのものが世界に大きな影響を与えた。

グランジ・ファッション

ぼろぼろのジーンズにスニーカー。そして適当に合わせたようなラフなトップスが彼のスタイルだ。そのスタイルは本当に、単純に格好良かった。きっと彼はそれをファッションのつもりでやっていたわけじゃなく、どこにでもありそうなアメリカのスリフトショップかなんかで買ったものをただテキトーに着ていただけなんだろうけど、バンドマンもファッショニスタも、世界中の人たちがそのスタイルに目を奪われた。それは“グランジ・ファッション”と呼ばれ、彼亡き今もひとつのカテゴリーとして残っている。90年代スタイルが再燃している今、再び彼のスタイルは参考にされている。

アイビーとかプレッピーとかワークとかウエスタンとか、そういったものが基本だったアメカジに、新しいフェーズを加えたのは彼だと言っていいと思う。トラッドからオルタナティブへ。今改めて、そんなアメリカンファッションが格好いいかもしれない。